他店で中古車を買われた方の車両を修理することが多いですが、間違った修理方法や、修理しきれていない事例をよく目にします。
車検と修理でお預かりです。スパークプラグは、NGK製JR8Cですが、今回は、新品交換です。
エアクリーナーは、K&N製ですので、洗浄です。ダイヤフラムは回転や作動不良は無いので、平気そうです。
クーラントは、エンジンオイル混入や漏れ等は無いので、全量交換のみです。
エンジンオイル、オイルフィルター交換中です。ギアオイルは、取り外しますので、いったん抜きます。
キャリパーは、点検清掃のみです。フロントフォークオイル交換中です。ダストシールとトップキャップのOリングは交換しました。
フルードは、フロント&リアブレーキ、クラッチの3カ所とも交換です。
バッテリーの状態を点検し補充電しましたが、写真を忘れました。エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は平気そうです。
車検は多摩陸事です。今回交換した部品です。
ギアケースを外した状態。通常はギアケースにドライブシャフトが付いた状態で抜けてきますが、オイルシールが抜けていたため、分離していました。構造上ドライブシャフトを前側に押すスプリングが入っていますので、オイルシールが既定位置で止まっていないと抜けてきます。抜けるとギアオイルが漏れます。(ドライブシャフト後端のギアの潤滑のためギアオイルで潤滑されています。)写真2枚目はオイルシールが抜けています。写真4枚目が正常な位置になります。
今回、スイングアーム補強とスイングアームとギアケースのペイントを行うため、分解しました。スイングアームとギアケースのつなぎ目からギアオイルが滲んでいたので、ギアケースのオイルシールが劣化したのかと思いましたが、外してみると写真の通りドライブシャフトとギアケースの接続部のオイルシールが抜けており、ギアオイルが漏れていました。状況を見るとどうやら他店でギアケース周りを外したらしく、装着の際にドライブシャフトをエンジン側のジョイント部に差せなかったようで、先にドライブシャフトをエンジン側に差し、後で、ギアケースを装着したようです。この方法を行うとドライブシャフト後端のオイルシールがギアケース側にうまく収まらないので、ギアオイルが漏れるケースが見受けられます。ノーマルの状態でドライブシャフトはオフセットされているので角度が付いており少し斜めになっているので、斜めのドライブシャフトにギアケースを差し込んでもオイルシールはまっすぐ入らず、さらに既定の位置まで押し込めません。以前ローダウン車でスイングアームの角度が水平に近い車両で、他店でギアケースを交換した後で、スイングアームの前側のブーツの下の穴からオイル漏れが発生した修理があったのですが、他店では、エンジン側から漏れているので、エンジン分解が必要と言われたそうですが、見てみると今回同様にギアケース側のオイルシールが抜けており、ギアオイルが出ていたのですが、スイングアームの角度が浅かったためギアオイルがスイングアーム内に溜まり、エンジン側のブーツの下の穴から出ていました。スイングアームを外してみましたが、エンジン側は、オイル漏れも無くきれいでした。分解組立や、修理方法は、メーカーのサービスマニュアルが基本ですので、基本手順以外の方法を行った場合は、不具合が発生しやすいです。当店では、ギアケースにドライブシャフトを差し込み、オイルシールが規定の位置で固定された状態で装着しています。(個人的見解です。)
最終チェックと試乗です。シートレール補強ユニットを装着してある車両で今回スイングアームの溶接補強を行いましたので、リア側はほぼ終了です。(クロモリ製アクスルシャフト装着済)次回は、フロント側のスタビライザー装着予定です。スイングアームとギアケースを半艶黒にペイントしましたので、色合い的にも統一感が出たと思います。無事納車になりました。
2019.07.06 作業担当 ヤダ(矢田)