旧勤務先の時代から見ている車両で、あまり乗る機会が無いようで、走行距離が増えませんが、問題なのは、キャブレター内のガソリンが劣化して、詰まることが多いことです。個人車もあまり乗れていませんが、たまにエンジンは始動するようにしています。お客様の中にも、エンジンは、掛けているけど走行していない場合があります。以前、ほとんど乗っていない場合で、エンジンは掛けていたので、始動は問題無いが、クラッチ板が貼り付いて、1速に入れるとエンジンが止まり、走行できないケースもありましたので、エンジンを始動する場合は、走行しなくてもクラッチレバーを握って動かす、エンジン始動時に走行しないまでも、クラッチレバーを握って1速に入れる方が良いです。経験上ですが、走行していない場合は、タンク内のガソリンも劣化しますので、キャブレター内のガソリンが新鮮か、もともとタンク内で劣化気味ガソリンかで、キャブレターの詰りが始まる期間が違うようです。大体ですが、1ヶ月に1回程度エンジンを始動している場合は、あまり問題は出ず、2ヶ月に1回程度の場合は、季節や、ガソリンの質のよって変わり、3ヶ月たっている場合は、詰まる確率が上がります。ですので、乗らない期間が長い場合は、キャブレター内のガソリンを抜いておいた方が、詰まる可能性が低くなります。
車検と整備でお預かりです。メインキーをオンにし、燃料ポンプが作動したのですが、キャブレターでオーバーフローが発生し、エンジン内にガソリンが流れていきました。旧型Vmaxは、オーバーフローした場合、エンジン内に入るケースが多いです。エンジンオイル、オイルフィルター、ギアオイル交換中です。
エアクリーナーは、K&N製ですので、洗浄です。キャブレターは、全分解で清掃です。他店でキャブレターをオーバーホールしたようですが、外装周りの組み付けがいい加減だったことと、キャブレターの連結が水平でなく、V字になっていました。点検も含めて、全分解しました。
スパークプラグは、純正のNGK製DPR8EA-9でしたので、JR8Cに交換しました。
クーラントは、エンジンオイル混入や、漏れ等は無いので、全量交換のみです。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は、平気そうですが、バッテリーが少し怪しいので、オーナーに確認後、交換予定です。
前後キャリパーは、点検清掃のみです。
フルードは、フロント&リアブレーキ、クラッチの3カ所とも交換です。
バッテリーは、交換しました。車検は、多摩陸事です。
今回交換した部品類です。キャブレターは、フロート室のガスケットを交換しました。また、ボルトが1本なめていましたので、交換です。バッテリーは、前回車検時に交換しており、まだ使えましたが、劣化はしているので、次回車検時までは、持たないとの判断で新品交換です。
キャブレターからガソリンを抜く場合ですが、2枚目写真のプラスとマイナスの両方が切ってあるボルトを緩めると、黒いパイプから出てきます。抜くだけでしたら、ボルトは外さなくても大丈夫です、緩めるだけです。緩めてもボルト部にOリング入っているので、ボルト部からは、ガソリンは出てこない予定です。(Oリング劣化だと出てきます。)
車体右側は、ドレンボルトもパイプも見えるので、問題無いですが、左側は、ニーグリッププレートが装着されていますので、1カ所のみボルトが見えません。ですので、今回は、プレートにドライバー用の穴を開けましたので、長めのドライバーで、ボルトを緩めてください。
最終チェックと試乗です。通常整備は、前回車検時より走行距離が短いので、あまり問題は無かったですが、キャブレターの分解清掃の手間がかかり、装着してからも、走行をすると配管やポンプ等のゴミが出るのか、キャブレターが不調になるので、清掃、走行、清掃、走行と3回ぐらい繰り返して安定しました。今回前後タイヤも新品ですので、走行時注意してください。
2021.03.05 作業担当 ヤダ(矢田)