小さな旅、大きな旅の写真物語(Virtual trips/travels)

京都や東京を本拠地として、自然の中や町を歩きながら、撮った写真をどんどん掲載します。いっしょに歩いているように。

自然教育園日記 その116 超広角接近撮影

2018-04-30 18:43:04 | 日記
自然教育園日記 その116 超広角接近撮影

1、超広角接近撮影とは広角レンズで対象から数cm以内に近づいて撮る手法です。広角レンズでは対象が小さくなるのを近づくことで大きく撮り、パースペクティブ(perspective、遠近感)効果による、デホルメの面白さや迫力を期待するものです。

2、中国製Laowaレンズ、15mm広角マクロが出るまで、一眼レフカメラでは実行不可能であったので、話題にもなりませんでした。一方ミラーレス・ソニーにとって超広角接近撮影はお手の物で、機材がかなりそろっています。フォクトレンダー12mmによる超接近撮影の面白さは以前のブログ(ウルトラワイドの世界)で紹介しました。(今回掲載する写真は、残念ながらパースペクティブ効果をよく表していない。最近はむしろパースペクティブ効果を否定した画面全体を中心課題とするパンフォーカス撮影を目指しているので。超広角接近撮影の例としてはウルトラワイドの世界の方がましかもしれない)。

3、超広角接近撮影にはLaowaの広角マクロレンズ以外はヘリコイド付きレンズアダプターが必要です。下表の最短撮影距離はこのアダプターで→右に記する距離に接近できるようになります。最短撮影距離は、受光面(カメラ上部にその位置の印が付いています)から撮影対象までの距離であり、レンズ前面から対象までの距離は最短撮影距離10cmで対象はほとんどレンズに接することになります。



赤字は当方の現有機材です。

これ以外にニコンやキヤノンのMFタイプレンズは使える、例えば、キヤノンNewFD L14mm F2.8L、キヤノンNewFD17mm F4。  AFタイプでもレンズ外部から絞りを手動でコントロール出来れば使える可能性があります。
また、ニコンのAFレンズでもGタイプなら、<ニコンFマウント/Gシリーズレンズ) N/G-S/E M(N/G-NEX M(バシュポ) Pixco ヘリコイド付きマウントアダプター Nikon Gレンズ-ソニーNEXカメラ対応>でソニーに装着できる可能性があります。当方には経験がないので、はっきりはわりません。


まずはフォクトレンダー15mmから

Sony alpha7RII + フォクトレンダー15mm F4 Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Asphrical III
イチリンソウ


Sony alpha7RII + フォクトレンダー15mm F4 Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Asphrical III
ツボスミレ


Sony alpha7RII + フォクトレンダー15mm F4 Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Asphrical III


Sony alpha7RII + フォクトレンダー15mm F4 Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Asphrical III
ヤマブキ

この絵は先のブログにも載せました。フォクトレンダー15mmの使い道を示す良い例と思っているのです。


Sony alpha7RII + フォクトレンダー15mm F4 Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Asphrical III
ハナニラ


Sony alpha7RII + フォクトレンダー15mm F4 Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Asphrical III エビネ


Sony alpha7RII + フォクトレンダー15mm F4 Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Asphrical III
オヘビイチゴ


Sony alpha7RII + フォクトレンダー15mm F4 Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Asphrical III
ホウチャクソウ

次にフォクトレンダー12mm

Sony alpha7RII + フォクトレンダーUltra Wide-Heliar 12mm F5.6 Asphrical II
シャガ


Sony alpha7RII + フォクトレンダーUltra Wide-Heliar 12mm F5.6 Asphrical II
オヘビイチゴ


Sony alpha7RII + フォクトレンダーUltra Wide-Heliar 12mm F5.6 Asphrical II
シャガ


Sony alpha7RII + フォクトレンダーUltra Wide-Heliar 12mm F5.6 Asphrical II
オヘビイチゴ


Sony alpha7RII + フォクトレンダーUltra Wide-Heliar 12mm F5.6 Asphrical II
チョウジソウ


Sony alpha7RII + フォクトレンダーUltra Wide-Heliar 12mm F5.6 Asphrical II
エビネ


Sony alpha7RII + フォクトレンダーUltra Wide-Heliar 12mm F5.6 Asphrical II 
ホウチャクソウ

ホウチャクソウを真下から撮った絵はそうあるまい。


Sony alpha7RII + フォクトレンダーUltra Wide-Heliar 12mm F5.6 Asphrical II
ハルジオン

超広角接近撮影では、パースペクティブ効果から言ったら12mmがベストと思います(10cmだと嫌味になる気がします。フィッシュアイだとすぐ飽きます)。
しかし、フォクトレンダーUltra Wide-Heliar 12mm F5.6 Asphrical IIでは画質に自信が持てません。II型からIII型に改良されて、良くなったと言われています。実際フォクトレンダー15mm F4 Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Asphrical IIIは改良III型で、何とかみられるようです。
しかし、このような一時代前フィルム・レンジファインダータイプレンズの設計をもとにしてデジタル対応して修正改良したフォクトレンダー小型レンズは、最初からデジタル用設計の最新レンズに比べると画質的に苦しい所があります。この点は次回のブログ、<東北の桜>で追求したので、ここで議論しましょう。現在はフォクトレンダーをあきらめて、 Laowa 12mm F2.8 ZeroDの購入を検討中です。


ついでに軽量望遠レンズの話で、最近買ったminiBorg 55FL, 250mm F4と昔からの付き合いのcoBORG 36ED 200mm F5.6の絵を比較してみましょう。

以下miniBORG 55FL


Sony alpha7RIII + miniBORG 55FL 250mm F4


Sony alpha7RIII + miniBORG 55FL 250mm F4

実際は一つ前の絵の距離ですがこれを、フルサイズ→APS-C仕様へ変換、さらにデジタルズームX1.8で撮って、さらにトリミング拡大の結果得られる絵です。


Sony alpha7RIII + miniBORG 55FL 250mm F4


Sony alpha7RIII + miniBORG 55FL 250mm F4

以下、coBORG


Fujifilm X-T10 + coBORG 36ED 200mm F5.6


Fujifilm X-T10 + coBORG 36ED 200mm F5.6


Fujifilm X-T10 + coBORG 36ED 200mm F5.6
コサギとハシブトカラス(白黒の世界)

coBORGは胴鏡の直径が細いので、明るい光線に対して起きるレンズ胴鏡内部反射が大きく、絵が白茶ける場合があります。 miniBORG55FLはそのリスクが低い。また、miniBORG55FLのレンズはフルオライト(蛍石)を使っているので画質が向上しています。

次回、<東北の桜>をお楽しみに。
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自然教育園日記 その115 春の花達

2018-04-12 12:56:06 | 日記
自然教育園日記 その115 春の花達

2018-3-24~4-10
今年の春は、寒い期間から急激に気温が上がったことで、自然教育園では色々な花の開花が早まり、北国の春のように一斉に花だらけになりました。といっても、開花の進行は花により少しずつ様相が違っています。例年と違って、同時に開花したり、順番が逆になったり、勢力分布が変わったり、とにかく忙しく撮影に明け暮れました。

計12日間、いろいろな機材で花を撮影しました。膨大な絵の中からどの機材で撮影した絵が選ばれたか、これはとても重要なことです。
1、スミレと桜の組み合わせを何度もとりました。結局、当方の最も古くから付き合っている、原点であるZeiss Planar 100mm macroとZeiss Distagon 18mmが選ばれました。100mm macroは数あるマクロ撮影から、この美しさ、繊細さ、やさしさからどうしても最終的に選ばれてしまうのです。
2、桜の花筏をスローシャッターで流す撮り方を3日にわたってトライしました。結局Zeiss Batis 18mm、APS-C仕様(実質24mm)で撮った絵が選ばれました。流れる花筏は適当な広がりを要求したようです。
3、イチリンソウ、ラショウモンカズラ、シャガ等を色々撮りました。今回は広角接近撮影で極端にアンダーにして、LED懐中電灯で少数の花をスポットライトする手法を試みました。やはり12mmの接近撮影のデホルメの迫力が面白い。しかし旧型フォクトレンダー12mmはどうしても色がダルになる。このために新しい広角レンズを購入しようと思い、どれにしようかさんざん迷いました。こんな時、改良型のフォクトレンダー15mmがかなり安く6万円弱の中古が出たので、これを購入。絞り込んでパンフォーカスにし、そのかわり超アンダーにして、LED懐中電灯で対象をスポットライトする手法を15mmでトライを続けています。色はだいぶ良くなりました。15mmはとても使いやすいレンズです。しかし、色のよい12mmも欲しくなりました。超広角レンズとの奮闘は現在の中心課題です。今日も中国製、韓国製、日本製の単焦点超広角レンズを秋葉原のヨドバシカメラやシュミットでいじりまくりました。また後程書きましょう。

なんで、ボケボケ写真からパンフォーカス写真に移ったのか。ネット情報を追いかけると、どうやら中判カメラは絞りこんで、パンフオーカスで画面いっぱいを使う撮り方が向いているらしいのです。中判カメラを買うとしたら、そのような撮り方でどんな具合の写真になるか試したいということです。 元をたどればルドン展からのヒントで画面全体を中心課題とするという方向に魅かれたからです。いまのところ超広角レンズでぎりぎりまで絞り込むことでこの方向を追っています。

2018-3-24

Sony alpha7RIII+Zeiss Planar 100mm macro


Sony alpha7RIII+Zeiss Distagon 18mm

2018-3-29

Nikon1 V3 + nikon1 70-300mm


Nikon1 V3 + nikon1 70-300mm


Nikon1 V3 + nikon1 70-300mm


Sony alpha7RIII + Sony FE 70-300mm

2018-3-31

Sony alpha7RIII + Sony FE 85mm F1.4


Sony alpha7RIII + Zeiss Batis 18mm


Sony alpha7RIII + Zeiss Batis 18mm


Sony alpha7RIII + Zeiss Batis 18mm

やっとこBatis 18mm F2.8 が活躍しました。

2018-4-1

Sony alpha7RIII + Zeiss Distagon 18mm イチリンソウ


Sony alpha7RIII + Sony FE 85mm F1.4

2018-4-4

Sony alpha7RIII + フォクトレンダー12mm


Sony alpha7RIII + フォクトレンダー12mm ラショウモンカズラ

2018-4-8

Sony alpha7RIII + Sony FE90mm macro ツボスミレ


Sony alpha7RIII + フォクトレンダー15mm

2018-4-10

Sony alpha7RII + フォクトレンダー15mm  シャガ


Sony alpha7RII + フォクトレンダー15mm


Sony alpha7RII + フォクトレンダー15mm ヤマブキ

こんな絵がこれから狙う写真かもしれない。


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