小さな旅、大きな旅の写真物語(Virtual trips/travels)

京都や東京を本拠地として、自然の中や町を歩きながら、撮った写真をどんどん掲載します。いっしょに歩いているように。

Newアート考察9 金沢・富山の陶芸・ガラス工芸を追う その4 最終回 富山ガラス工房

2023-02-20 15:33:13 | 写真日記
Newアート考察9 金沢・富山の陶芸・ガラス工芸を追う その4 最終回 富山ガラス工房

2022-11-17
富山から車で20分とありますが、当方は富山ガラス美術館からバスで富山ガラス工房に向かいました。30~40分以上かかったかな。全てが、特に地方ではマイカーで訪ねることが当たり前になっている為に、バスで訪ねる人に対する配慮はすっ飛んでいます。だいたいこういう使えるマップをネット上で探すことがえらい大変なのです。どの案内をみても地図はGoogle Mapになっています。マイカーとカーナビが当たり前の世界ではいいでしょうが、Google Mapなどバス旅行者には全く役に立ちません。ガラス工芸で街おこしなどといっている富山で、ガラス美術館とガラス工房は2大スポットなのに、マイカーを使わない旅行者にとって、ガラス工房を訪ねるのはえらい大変なこと、それを富山の観光関連者は理解しているのかな? 金沢とは大違い。訪ねる人が少ないからほっておいてもいい、ほっておくから人が訪ねない??



ガラス工房の右にみえる柵は<ファミリーパーク>の柵で、ファミリーパークは富山の子供連れが楽しむよく知られた大きな公園なのです。ガラス工房はファミリーパークの隣ですと言えば富山の方はすぐわかりますが、東京から初めて来た者にとってはファミリーパーク入り口バス停からガラス工房まで行き着くのも容易でないのです。


富山ガラス工房

まずは富山ガラス工房のネットショップからいくつか載せてみます。作者や値段はご自分で調べてください。















富山ガラス工房には当然ながら大きな工房が幾つかあります。









この地域にはガラス造形研究所という学校もあって、入学してガラス造形を学ぶことが出来ます。
学校関係者の作品ギャラリーからいくつか載せます。どうもここではガラス造形以外に金属造形、石造形、絵画など幅広い作成活動が行われているようです。

富永 一真




渋谷 良治




橋本 亜紗






さて、富山ガラス工房のショップをのぞいてみましょう。時期的にクリスマス用や正月用のガラス商品が多く展示されていました。なじみのお客さんでしょうか、車で来てこのような品物を買い込んでいました。プレゼントにするのでしょうか?

























当方はこのショップでぐい飲みを買いました。富山のヒスイ色をベースに金沢の金がちょっと入っています。ガラスはお酒に合わないかなとおもったのですが、おもったよりずっとお酒に合うので愛用しています。




佐藤望美

あと買った工芸品の主なものは、金沢の長町武家屋敷跡、<龍正>で買った九谷焼の小鉢。これもお酒の猪口として使っていますが、やっぱり猪口よりは小鉢で使った方がよさそうです。このお店での購入は2回目、お店のお姉さんといつも楽しく話に花が咲きます。




佐藤剛志 牡丹 碧

いずれも4000円ちょっとだったかな?



佐藤剛志の作品がいっぱいありました。


<龍正>

本当は以前、九谷焼老舗、諸江屋さんのご主人とずいぶんと話し込んで、ご主人の推薦で新人作家、中荒江 道子さんの古典的九谷焼を買ったのですが、これは使うほどに古典的九谷焼の魅力が理解できて、今回もそこで買うことを楽しみにしていたのです。


中荒江 道子

しかし、最終日に訪ねようとしたらなんと定休日でした。ネットでも買えますが、お店の人と色々話をしながら買うのが思い出の品として長く愛用できるのです。またの機会に訪ねましょう。

以上で、<Newアート考察9 金沢・富山の陶芸・ガラス工芸を追う>を終了します。旅に出てから、ブログを完成するまで3か月かかっています。精神的、肉体的にとてもとてもキツイ時期でしたのでしょうがないこともありますが、どうしてもお伝えしたいことが希薄だったということもあります。しかし、この旅は当方に多くの貴重なものを与えていることは間違いありません。

今回は最終回の考察がありません。
しかし、日本人は本当にガラスアートに関心が無いのだろうか? こんな分かりやすい、アートなのに。日曜美術館でもガラスアートが出てきた記憶が希薄です。東京ではガレは別として、ガラスアートの展覧会では人を集めることが出来ないと言われています。陶器や絵画に比べて日本伝統の骨格が弱いからだろうか? 当方のガラスに対する興味はボストン時代のインテリアショップでスチューベングラス、ラリック、バカラに出会ったことに端を発するのですが。まあ、ガラスアートが変にブレークしなくていいです。世がどうであれ、当方はコツコツと陶器とガラスのクロスオーバーを追いかけ続けましょう。


家内がスマホで撮った、富山がラス美術館でのこんな写真が出てきたので載せておきます。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Newアート考察9 金沢・富山の陶芸・ガラス工芸を追うーその3 フィンランドガラスアート展<自然とアート>

2023-02-03 15:15:30 | 写真日記
Newアート考察9 金沢・富山の陶芸・ガラス工芸を追うーその3 フィンランドガラスアート展<自然とアート>
2023-2-3

自然教育園を訪ねる方々を分類すると
① 自然と博物学的興味(自然は興味深い、自然を理解したい、自然は面白い)
② 自然は美しい、優しい
③ 自然と癒し(人と人の関係を離れたい、何も考えない時をもとめて)
④ 自然とウォーキング
と色々でしょう。
白金写真クラブの方はおよそ①か②でしょう。

当方は⑤<自然とアート>のつもりで自然教育園を歩いて写真を撮っています。
美しい花や風景を追いかけるのとどこが違うのか?
ここでいうアートとは西洋の印象派以降のアートであり、現代アートを指しています。
アートは美しいアートと美しくないアートがあります。能登島・国際ガラス展で美しいガラス作品だけでなく美しくないガラス作品も認めなければならないという審査員のコメントがありました。

アートには2つの約束事があります。①自分の心に響いたことを表す。②常にこれまでの表現とは違った、これまでの常識を打ちやぶる表現をする。ここには<美しいこと>という約束事はありません。よって美しくないアートも生まれてくるのです。現代アートや現代写真には美しくない作品が満ち溢れています。

当方は①自分の心に響いたことを表す。②常にこれまでの表現とは違った、これまでの常識を打ちやぶる表現をする。に加えて③美しい事あるいは楽しい事 ④自然をルーツとする事の4つを自分の約束事としています。

白金自然写真クラブにはいった時、私は<何を撮っているのか、どこで撮っているのかわからない写真>を撮りたいと言いました。クラブの方は当然ノー・レスポンスでした。情報伝達が役目である写真から情報伝達をどこまで消し去ることが出来るかがテーマだといったのですが。こいつを全面に出すとクラブを追い出されるに違いないけど、その内全面展開を画策しています。

さて、富山ガラス美術館のフィンランド・グラスアート展(2022-11-16)に加えて、東急文化村・ザ・フィンランド・デザイン展(2022-1-7)の情報を少し混ぜて載せましょう。後者には<自然が宿るライフスタイル>という副題がついています。当方がフィンランドのアートやデザインに魅かれるのは自然をルーツとしている、自然が宿るアートやデザインだからです。ここに載せる2つの展覧会はまだ現代アートの流れが侵食していない、美しい事あるいは楽しい事という約束事を守った作品で成り立っています。ちょうど当方の4つの約束事を満たしているのです。


以下の写真は富山ガラス美術館のフィンランド・グラスアート展で撮影したもの
(撮影OK)と参考文献 ザ・フィンランド・デザイン Bunkamura ザ・ミュージアム
からのコピーです。参考文献からの写真のみその旨を記載。



アルヴァ・アアルト、アノイ・アアルト<ネット情報>

二人とも建築家ですが、ガラス器や家具などもデザインしている。


参考文献 ザ・フィンランド・デザイン展


アルヴァ・アアルト/アノイ・アアルト <サボイ>

このデザインがフィンランドの自然をルーツとする事が分かると思います。


アルヴァ・アアルト/アノイ・アアルト


アルヴァ・アアルト/アノイ・アアルト
このころは木型を使っていたようです。





グンネル・ニューマン <カラー>


グンネル・ニューマン<ストリーマー>


参考文献 ザ・フィンランド・デザイン展 グンネル・ニューマン プレート<魚>



カイ・フランク、タピオ・ヴィルッカラ、ティモ・サルネヴァ、アイヴァ・トイッカは最高です。特にアイヴァ・トイッカの斬新さはぶっ飛んでいます。


タヴィオ・ヴィルッカラ <杏茸>


タヴィオ・ヴィルッカラ


タヴィオ・ヴィルッカラ


参考文献 ザ・フィンランド・デザイン展 タヴィオ・ヴィルッカラ  花瓶 <東京>





ティモ・サルバネヴァ <ランセットI>


ティモ・サルバネヴァ <アートグラス>


ティモ・サルバネヴァ <リヴェール・ムンディ>





カイ・フランク <ヨーロッパブナ>              <ヤマシギ>


カイ・フランク <アートグラス・ユニークピース>


カイ・フランク <アートグラス・ユニークピース>


フィンランドのピクニック





オイヴァ・トイッカ  <ボンボン・ユニークピース>


オイヴァ・トイッカ  <ボンボン・ユニークピース>


参考文献 ザ・フィンランド・デザイン展 オイヴァ・トイッカ  <ボムボム> 花瓶


オイヴァ・トイッカ  <松の樹 ユニークピース>


オイヴァ・トイッカ 《フローラ ユニークピース>


オイヴァ・トイッカ <知恵の樹>


オイヴァ・トイッカ <8人の花嫁>




マルック・サロは1954年ノキア生まれ、2015年カイ・フランク賞獲得した、現役のアーティストです。フリーランスで照明器具や電子機器の製造に携わっていましたが、イッタラ社でのオイヴァ・トイッカとの出会いがきっかけとなり、フィンランド最高の技術を誇った「ヌータヤルヴィ」でガラスデザイナーの職に就きました。金属や石、木などの異素材と組み合わせ、規模の大きな公共アートまで手がけていますが、オイヴァやカイ・フランクの造形を思わせるテーブルウェアもデザインしています。
参考文献 ザ・フィンランド・デザイン展

マルック・サロはさらにぶっ飛んでいる。最高!!


マルック・サロ <アートグラス ユニークピース>


マルック・サロ <アートグラス ユニークピース>


マルック・サロ <アートグラス ユニークピース>


マルック・サロ <アートグラス ユニークピース>


マルック・サロ <アートグラス ユニークピース>


マルック・サロ/2017/イヤードッグ (ネット情報)





ヨーナス ラークソ


ヨーナス ラークソ


フィンランドのアート・デザインは当方の先生です。

アラビヤ製陶所に所属していたルート・ブリュックやピルゲル・カイビアイネンは陶器ピースを集合して、陶絵画や色立体を作成、当方の陶絵画や色立体の先生で、当方に最も大きな影響を与えています。


参考文献 ザ・フィンランド・デザイン展 ルート・ブリュック  <青い雪>


参考文献 ザ・フィンランド・デザイン展 ピルゲル・カイビアイネン ビーズバード<シャクシギ>


参考文献 ザ・フィンランド・デザイン展 マリメッコ社 マイヤ・イソラ コンポジション

マリメッコ社の多くのデザイナーは少ない色数とシンプルな造形で自然を表現するという点で先生です。

若ければ、オイヴァ・トイッカやマルック・サロのようなガラスを作りたい。当方がすでに習ったパート・ド・ヴェールでは出来ないガラス工芸技術で、この歳で始めるには大変すぎる。でも、やるかもしれない。

フィンランドの作家は何でこんなユニークな発想が出来るのだろうか??


富山ガラス美術館 隈研吾設計


以下、富山ガラス美術館のショップで販売されていた、フィンランドガラス









富山ガラス美術庵のフィンランド・ガラス・アート展は能登島・国際ガラス展でのフラストレーションをぶっ飛ばすものでした。

1) 参考文献 ザ・フィンランド・デザイン Bunkamura ザ・ミュージアム


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする