湖西の旅 ~石山寺から大津絵を追って~ その4
ペンタックスK5 ペンタックス35mm limited macro
大津市歴史博物館はちょっとした高台の上にあります。眺望はいいのですが、歩いて上るには疲れます。瀬田の唐橋における壬申の乱の絵や、湖族の話など、勉強させていただきました。ところで大津絵はどこにあるのでしょうか? 分からないうちに出口になりました。出たところに大津絵展覧会という立札があります。どうやら、大津絵教室の発表会の様です。入り口のおばさんに、この博物館にあるという大津絵はどこに展示されているのですかと聞いたら、全く話が通じません。おじさんを呼んできますが、大津絵は、<大津絵の店>に行くのが一番いいですよと言うばかり。博物館に大津絵があるというのは嘘なのか? どうやら大津の人は博物館で大津絵を見たことが無いらしい。大津絵の展覧会をやっている人すら知らないとは何事か? 入り口の案内嬢に聞くと、1,2枚ありますよと言う。再び入館して、大津絵を探す。ありました、1,2枚の大津絵が、いい絵ですが、これがガイドブックにかいてあった大津絵の展示でしたか。大津の博物館で大津絵はちゃんと取り上げられていないのか。大津絵探検の出だしがこれでは、本当に大津に大津絵があるのだろうかと不安になります。あわてて、博物館を出て、次の目標に向かいます。もう夕方です。いそいで大津絵美術館をさがします。圓満院境内に大津絵美術館あるとガイドブックにはかいてあるのですが、そのような看板が見当たりません。庭の手入れをしていた職人さんに聞いて、やっと入り口を見つけました。圓満院の供養の大きな看板に陰に小さく大津絵美術館という看板があったのです。まったく美術館というイメージではありません。大津市歴史博物館の件といい、いったい大津の人は大津絵を大切にしていないのではないかと思ってしまうのです。
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圓満院は1000年以上前に創立され、水子供養のお寺としてしられていましたが、後で、宗教法人が10億円で圓満院の重要文化財を含む建物、庭園を買い取ったことが問題になっているというネット情報を見ました。予想していたイメージと違う原因はここにあったのかもしれません。なにやら宗教法人の活動が盛んにおこなわれているようで、宿坊、精進料理、坐禅、写経、写 佛、投扇興、不動護摩供、僧・尼僧体験等各種体験ができますなどと書いてあります。儲からない大津絵美術館は浮いてしまっているようです。
ペンタックスK5 ペンタックス 35mm limited macro
ペンタックスK7 ペンタックス15mm limited
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この庭園や建物と隣接して、大津絵美術館があります。美術館というより、普通の建屋に、ただ絵が展示してあるだけで、空調もなく、我々以外に訪れる人も一人くらい。寒々しい博物館でした。よく大津絵を知っている人には楽しい所なのでしょうが、初めての我々にはよくわからないことばかり。説明をよんでも、やはりよくわからない。ブログを書くために、大津絵をネットで勉強して、やっと少し理解しました。
大津絵とは、今からおよそ340年昔(江戸初期)、東海道五十三次の大津の宿場(大津の追分、大谷)で軒を並べ、街道を行き交う旅人等に縁起物として神仏画を描き売ったのが、その始まり。やがて世俗画へと転じ、加えて18世紀ごろより教訓的・風刺的な道歌を伴うようになった。神仏や人物、動物がユーモラスなタッチで描かれ、道歌が添えられている。多くの絵画・道歌には、人間関係や社会に関する教訓が風刺を込めて表されている。名も無き画工たちが書いており、作者は記載されていない。大津絵には「大津絵十種」と呼ばれる代表的な画題があり、その護符にはさまざまな意味が込められています。
民芸運動の創始者である、柳宗悦(むねよし)が大津絵を絶賛し、世に広めたそうです。大津絵には作者の名前が記されていない、いかにも柳宗悦が好みそうな民芸品です。後述する<大津絵の店>には柳宗悦のコレクションが集まっているそうです。寒々しい博物館には、よほど大津絵に詳しい人でないと、展示物の意味がよくわからない。ただただ、よくわからんが、鬼の念仏、藤娘、鷹匠、座頭、槍持奴とか書いてある説明をよんで、そうかいなと思いつつ、やはりなにやらわからずに一まわり。撮影禁止とかいてあるのに、記念にちょっと撮影。
ネットから絵を集めました(出所が解らなくなってしまい書きません。ネットの著者さんすみません。大津絵の宣伝とおもって許してください)。だんだんわかってきました。ようはお土産屋さんの絵みたいなところから発展して、お守り札にみたいに買うばあいや、風刺絵として面白いからちょっと買ってみたとか、歌や俳句と連動している絵という意味で買うとか。 庶民的に、ちょっと粋な気分で楽しもうという意味合い。今でいえば、1コマ漫画(アニメ)のイラスト図を飾るという気分かな。
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これは大津絵ではなく、円山応挙の下書き(と思う)。面白いので撮影。
ペンタックスK5 ペンタックス 35mm limited macro
大津絵を知るに、大津というところは何と不親切なところであろうか、とブツブツいいながら、次の目的地、<大津絵の店>に向かいます。もう薄暗くなって、店に入れるか心配しながら、よくからない道を大津の地図もよくわからんとブツブツいいながら歩きます。
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三井寺(園城寺)の大門(仁王門)から残る紅葉を覗き見る。
ペンタックスK5 ペンタックス 35mm limited macro
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三井寺から浜大津方面へ<大津絵の店>を探して歩きます。また、琵琶湖疏水の出発点を通り過ぎて、やっと<大津絵の店>に着きました。
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写真をとってもいいですかというと、いいですよと気軽な返事をいただきました。やっと、心の通った大津絵を見られる場所に出会ったという、ほっとした気分になります。絵葉書と小さなお大津絵のぐい飲みを買いました。
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<長等神社参道>
長等神社から浜大津へ向かう参道沿いに<大津絵の店>があります。大津で大津絵を専門に売っているお店は、どうやらここだけのようです。逆にいうと、大津絵を知りたかったら、<大津絵の店>を訪ねるのが一番の気がします。大津絵教室も開いているようで、そういえば大津博物館で催されていた大津絵展覧会はここの教室の生徒さんの発表会だったのかもしれません。<大津絵の店>が一人で頑張っているという感じです。
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浜大津に向かう道の長等(ナガラ)商店街は休日でほとんどのお店がお休みで、たまたまあいていたお店で小エビと大豆の煮もの(エビ煮)、わかさぎの飴たきを夕食のおかずに買いました。
長等商店街の本屋さんで大津絵に関する本はありますかと聞いたら、大津絵の書き方という本はありますが、それ以外はありませんという返事でした。どうやら、大津の大半の人は大津絵にほとんど関心が無くて、大津絵はごく一部の理解者の間で存続している状況のような気がしてきました。
浜大津から一路、東山へ帰ります。
ペンタックスK5 ペンタックス 35mm limited macro
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雷様の大津絵、ぐい飲みは、この撮影の後、机から落ちてコナゴナに割れてしまいました。当方はどうやら大津絵とは縁が薄いのかもしれません。でも、考えようによっては、また大津絵を見に来いと言っているのかもしれません。今度は、少し勉強しましたから、もっと親しく大津絵を見ることができるかもしれません。
これで、大津の旅はおしまいです。
東京へ戻って、京都から送った段ボール30箱が待っていました。これを、どうやって、我が家に収納するか。家中の大変革が必要です。何を捨てて、何を残すか、何を表に出して、何を奥にしまうか。これから当方はどうするのか、整理とは生き方そのものですから、肉体的、精神的格闘を一週間続けてきました。今日は大みそか、ほとんどの整理が終わりました。来年はどういう年になるのでしょうか。 当方はどこへ向かうのでしょう。 このブログはどうなるのでしょうか?
明日の新年会の為に、黒豆、ごまめと干し柿のお菓子を作りながら、これまでのことを考え、これからのことを考え、年を越します。皆様もよいお年をお迎えください。
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大津市歴史博物館はちょっとした高台の上にあります。眺望はいいのですが、歩いて上るには疲れます。瀬田の唐橋における壬申の乱の絵や、湖族の話など、勉強させていただきました。ところで大津絵はどこにあるのでしょうか? 分からないうちに出口になりました。出たところに大津絵展覧会という立札があります。どうやら、大津絵教室の発表会の様です。入り口のおばさんに、この博物館にあるという大津絵はどこに展示されているのですかと聞いたら、全く話が通じません。おじさんを呼んできますが、大津絵は、<大津絵の店>に行くのが一番いいですよと言うばかり。博物館に大津絵があるというのは嘘なのか? どうやら大津の人は博物館で大津絵を見たことが無いらしい。大津絵の展覧会をやっている人すら知らないとは何事か? 入り口の案内嬢に聞くと、1,2枚ありますよと言う。再び入館して、大津絵を探す。ありました、1,2枚の大津絵が、いい絵ですが、これがガイドブックにかいてあった大津絵の展示でしたか。大津の博物館で大津絵はちゃんと取り上げられていないのか。大津絵探検の出だしがこれでは、本当に大津に大津絵があるのだろうかと不安になります。あわてて、博物館を出て、次の目標に向かいます。もう夕方です。いそいで大津絵美術館をさがします。圓満院境内に大津絵美術館あるとガイドブックにはかいてあるのですが、そのような看板が見当たりません。庭の手入れをしていた職人さんに聞いて、やっと入り口を見つけました。圓満院の供養の大きな看板に陰に小さく大津絵美術館という看板があったのです。まったく美術館というイメージではありません。大津市歴史博物館の件といい、いったい大津の人は大津絵を大切にしていないのではないかと思ってしまうのです。
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圓満院は1000年以上前に創立され、水子供養のお寺としてしられていましたが、後で、宗教法人が10億円で圓満院の重要文化財を含む建物、庭園を買い取ったことが問題になっているというネット情報を見ました。予想していたイメージと違う原因はここにあったのかもしれません。なにやら宗教法人の活動が盛んにおこなわれているようで、宿坊、精進料理、坐禅、写経、写 佛、投扇興、不動護摩供、僧・尼僧体験等各種体験ができますなどと書いてあります。儲からない大津絵美術館は浮いてしまっているようです。
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この庭園や建物と隣接して、大津絵美術館があります。美術館というより、普通の建屋に、ただ絵が展示してあるだけで、空調もなく、我々以外に訪れる人も一人くらい。寒々しい博物館でした。よく大津絵を知っている人には楽しい所なのでしょうが、初めての我々にはよくわからないことばかり。説明をよんでも、やはりよくわからない。ブログを書くために、大津絵をネットで勉強して、やっと少し理解しました。
大津絵とは、今からおよそ340年昔(江戸初期)、東海道五十三次の大津の宿場(大津の追分、大谷)で軒を並べ、街道を行き交う旅人等に縁起物として神仏画を描き売ったのが、その始まり。やがて世俗画へと転じ、加えて18世紀ごろより教訓的・風刺的な道歌を伴うようになった。神仏や人物、動物がユーモラスなタッチで描かれ、道歌が添えられている。多くの絵画・道歌には、人間関係や社会に関する教訓が風刺を込めて表されている。名も無き画工たちが書いており、作者は記載されていない。大津絵には「大津絵十種」と呼ばれる代表的な画題があり、その護符にはさまざまな意味が込められています。
民芸運動の創始者である、柳宗悦(むねよし)が大津絵を絶賛し、世に広めたそうです。大津絵には作者の名前が記されていない、いかにも柳宗悦が好みそうな民芸品です。後述する<大津絵の店>には柳宗悦のコレクションが集まっているそうです。寒々しい博物館には、よほど大津絵に詳しい人でないと、展示物の意味がよくわからない。ただただ、よくわからんが、鬼の念仏、藤娘、鷹匠、座頭、槍持奴とか書いてある説明をよんで、そうかいなと思いつつ、やはりなにやらわからずに一まわり。撮影禁止とかいてあるのに、記念にちょっと撮影。
ネットから絵を集めました(出所が解らなくなってしまい書きません。ネットの著者さんすみません。大津絵の宣伝とおもって許してください)。だんだんわかってきました。ようはお土産屋さんの絵みたいなところから発展して、お守り札にみたいに買うばあいや、風刺絵として面白いからちょっと買ってみたとか、歌や俳句と連動している絵という意味で買うとか。 庶民的に、ちょっと粋な気分で楽しもうという意味合い。今でいえば、1コマ漫画(アニメ)のイラスト図を飾るという気分かな。
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これは大津絵ではなく、円山応挙の下書き(と思う)。面白いので撮影。
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大津絵を知るに、大津というところは何と不親切なところであろうか、とブツブツいいながら、次の目的地、<大津絵の店>に向かいます。もう薄暗くなって、店に入れるか心配しながら、よくからない道を大津の地図もよくわからんとブツブツいいながら歩きます。
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三井寺(園城寺)の大門(仁王門)から残る紅葉を覗き見る。
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三井寺から浜大津方面へ<大津絵の店>を探して歩きます。また、琵琶湖疏水の出発点を通り過ぎて、やっと<大津絵の店>に着きました。
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写真をとってもいいですかというと、いいですよと気軽な返事をいただきました。やっと、心の通った大津絵を見られる場所に出会ったという、ほっとした気分になります。絵葉書と小さなお大津絵のぐい飲みを買いました。
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<長等神社参道>
長等神社から浜大津へ向かう参道沿いに<大津絵の店>があります。大津で大津絵を専門に売っているお店は、どうやらここだけのようです。逆にいうと、大津絵を知りたかったら、<大津絵の店>を訪ねるのが一番の気がします。大津絵教室も開いているようで、そういえば大津博物館で催されていた大津絵展覧会はここの教室の生徒さんの発表会だったのかもしれません。<大津絵の店>が一人で頑張っているという感じです。
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浜大津に向かう道の長等(ナガラ)商店街は休日でほとんどのお店がお休みで、たまたまあいていたお店で小エビと大豆の煮もの(エビ煮)、わかさぎの飴たきを夕食のおかずに買いました。
長等商店街の本屋さんで大津絵に関する本はありますかと聞いたら、大津絵の書き方という本はありますが、それ以外はありませんという返事でした。どうやら、大津の大半の人は大津絵にほとんど関心が無くて、大津絵はごく一部の理解者の間で存続している状況のような気がしてきました。
浜大津から一路、東山へ帰ります。
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雷様の大津絵、ぐい飲みは、この撮影の後、机から落ちてコナゴナに割れてしまいました。当方はどうやら大津絵とは縁が薄いのかもしれません。でも、考えようによっては、また大津絵を見に来いと言っているのかもしれません。今度は、少し勉強しましたから、もっと親しく大津絵を見ることができるかもしれません。
これで、大津の旅はおしまいです。
東京へ戻って、京都から送った段ボール30箱が待っていました。これを、どうやって、我が家に収納するか。家中の大変革が必要です。何を捨てて、何を残すか、何を表に出して、何を奥にしまうか。これから当方はどうするのか、整理とは生き方そのものですから、肉体的、精神的格闘を一週間続けてきました。今日は大みそか、ほとんどの整理が終わりました。来年はどういう年になるのでしょうか。 当方はどこへ向かうのでしょう。 このブログはどうなるのでしょうか?
明日の新年会の為に、黒豆、ごまめと干し柿のお菓子を作りながら、これまでのことを考え、これからのことを考え、年を越します。皆様もよいお年をお迎えください。