「誤情報(ご情報、Misinformation)」とは正しくないあるいは間違った情報であり、「偽情報(にせ情報、Disinformation)」とは(人々をあざむいたり、混乱させたりするために広められる)嘘(うそ)の情報です。前者は情報の正否の観点から客観的に表現された言葉のようで、後者は誤情報の中でも特に何等かの意図に基づいて作り出された情報を指しているようです。
上記のいずれの言葉も、「生成AI」によって作り出された、正否の判別の付きにくい情報が、SNS等で最近出回りつつあり、今後の特にインターネット社会にとっての脅威となり得ることから、新聞紙上等を賑わせています。
これらの言葉を厳密に定義するのは難しいようです。また、それ以前の問題として、日本語の「情報」という言葉そのものの定義も、現在において定まっていない状況です。「情報」について、例えば、wikipediaでは、以下のような4通りの定義(説明)が示されています。
1) あるものごとの内容や事情についての知らせのこと。
2) 文字・数字などの記号やシンボルの媒体によって伝達され、受け手において、状況に対する知識をもたらしたり、適切な判断を助けたりするもののこと。
3)生体が働くために用いられている指令や信号のこと。
4)(情報理論(通信理論)での用法)価値判断を除いて、量的な存在としてとらえたそれ。
ちなみに、「情報」という言葉は、明治時代初期に酒井忠恕(ただひろ、1850-1897)という人によって造られたとのこと(※1)であり、最近になってから日常的に使用されるようになったようです。
※1 以下の文献を参照
小野厚夫:明治期における情報と状報、情報処理学会第42回全国大会講演論文集、pp. 43-44、1991-02-25.
小野厚夫:情報ということばを訪ねて(1)、IPSJ Magazine Vol. 46 No.4、pp. 347-351、 Apr. 2005.
余談になりますが、2016年に小学館「大辞泉」が実施した『あなたの言葉を辞書に載せよう。2016』キャンペーンでのひとつのテーマ「情報」への投稿から、以下のようなものが優秀作品として選ばれているようです(※2)。
-振り回されてもしがみついてしまうもの。
-有り過ぎると無いに等しくなるもの。
-人をも操れる形の無いもの。
-受け手によって意味の変わるモノ。
-嘘か真か見極めて利用しなければならないもの。
-簡単に信じてはいけないモノ。使いようにより武器にも弱点にもなる
諸刃の剣。
-賢く取捨選択しないと踊らされてしまうもの。
-ウィキペディア。
※2 https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%83%85%E5%A0%B1/を参照