日本語では「生物規範工学」などと呼ばれるようです。生物のしくみを手本にしてロボットなどの開発を行なうことです。空を飛ぶドローンや災害時のロボットなど天候や地形などが絶えず変化するような環境で動くような次世代ロボットの開発に、このような手法が応用されつつあるようです。
例えば、回転翼を回転させながら空中に制止したり移動する従来タイプのドローンの場合、回転翼の回転音がうるさかったり、それが故障して止まってしまうと落ちてしまいますし、野外を飛ぶ場合、天候に影響されやすく、それに耐えうるドローンの開発は簡単ではありません。このような場合、どんな天候でも自由自在に飛び絶対に落ちない鳥の動きを解析し、それに似たように動くドローンが開発できないかという発想が出てくることは予想されます。
そのようなひとつの研究例として、静かに正確に飛ぶハチドリや羽が少々傷ついても飛び続けられる昆虫が飛行するメカニズムを取り入れたような羽ばたきロボットの開発が進められているようです(注:千葉大の劉浩教授ら)。
また、足の数が減ってもすぐに歩くことができるコオロギの動きを解析し、災害現場など厳しい環境でも動作継続できるようなロボットも開発されつつあるようです(注:東北大大脇助教による、センサーに頼らない多足歩行ロボット)。
似たような概念を表わす言葉に、生物のまねした技術という「バイオミメティクス(生物模倣技術)」と呼ばれるものが古くからあるようです。