俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

稗(ひえ)

2010-09-20 | 俳句・秋・植物


稗は穂にいつしか雲の搔(か)き消えて

イネ科の一年草。味が悪い。夏に開花し、九月頃実を結ぶ。米と混ぜて炊いたり、団子や餅に、また飴、味噌、醤油、酒の原料にもなる。稗が栽培されていた。当初は曇っていたが、いつの間にか晴れ渡り、今では珍しい稗の穂にも日が差していた。

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稗引きに未だ農夫のきてをらず


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黍(きび)

2010-09-19 | 俳句・秋・植物


黍の穂にざあざあ降りとなりにけり

イネ科の一年草。中央アジア原産。わが国へは中国、朝鮮半島を経由して渡来。実は淡黄白色で、粟よりも大粒。栄養価が高く、五穀の一つ。古くは日本人の主要な食糧であった。急に雨脚が強くなり、垂れ下がった黍の穂にざあざあ降りとなってしまった。

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坂上りきて一段(たん)の黍畑


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粟(あわ)

2010-09-18 | 俳句・秋・植物


薄赤き網掛けられて粟畑

イネ科の一年草。九月頃、茎の頂に無数の小花が集まって大きな花穂となり、後に黄色の小球状の実を結ぶ。餅、団子、おこしなどにして食べる。小鳥の餌にもなる。珍しい粟の穂が見られた。だが、雀などに食べられないように薄赤い網にすっぽりと覆われていた。

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粟餅を搗きたるころは祖父母ゐし


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青瓢(あおふくべ)

2010-09-17 | 俳句・秋・植物


しんとして揺るるものなし青瓢

瓢はウリ科の蔓性一年草。初秋、瓢箪形の青い実を垂らす。熟したら中身を腐らせ、中空にして乾燥させる。酒や飲料水を入れる容器として利用した。現在では磨いて花器や賞玩用にする。昼時、人影もなくしんと静まり返っていた。青瓢には風もなく、揺れているものはなかった。

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やるせなきこと瓢にも呟いて


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秋の暮

2010-09-16 | 俳句・秋・時候


山並みの遠ざかりゆく秋の暮

秋の日暮れのこと。秋の週末を意味する「暮の秋」ではない。秋の夕暮れはしみじみとした情緒があり、清少納言も『枕草子』に「秋は夕ぐれ」と記している。また、≪此(この)道や行(ゆく)人なしに秋の暮 芭蕉≫は有名。乗っているバスが山からどんどん遠ざかって行った。秋の夕暮れの中を。

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ひと山を越えてたちまち秋の暮


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