金平茂紀氏(報道特集):
「ノーベル平和賞受賞が決まった核兵器廃絶国際NGOに対して、
政府はコメントを出しませんでした。
ノーベル文学賞のカズオ・イシグロ氏への対応とは大違いです。
広島で首相は『核兵器のない世界への決意を新たにした』と言ってました。
言葉の重みとは何なのでしょうか。」
ノーベル平和賞が決まり、喜ぶICAN事務所のフィン事務局長(右)やスタッフ
=6日、スイス・ジュネーブ、松尾一郎撮影
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN:
International Campaign to Abolish Nuclear Weapons)は、
日本のNGO「ピースボート」もパートナー団体の一つで、
川崎哲(あきら)共同代表(48)が国際運営委員に名を連ね、
日本被団協やカナダ在住のサーロー節子さんなど被爆者の声を、
広く世界に発信し続けてきました。
カナダ・トロントの自宅で、ICANのノーベル平和賞受賞決定を喜ぶサーロー節子さん=6日、鵜飼啓撮影
ノーベル賞授賞委員会はICANに授賞する理由を、
「核兵器がもたらす破滅的な結果を人々に気づかせ、
条約で禁止しようと草分け的な努力をしてきた」と説明し、
「北朝鮮のように核兵器開発をする国が増えている」とも指摘して、
こういう時だからこそ、
核廃絶への取り組みを加速させるという狙いを示しました。
ノーベル賞委員会の授賞理由は、しごく尤もであると誰しも思うでしょう。
この8月に亡くなった日本被団協代表の谷口稜曄(すみてる)さんが
生きていらっしゃったら、どんなに喜ばれるかと思います。
私はノーベル賞そのものには胡散臭さを感じること大なのですが、
被爆者の声を世界に届け、核廃絶のために行動するグループが
世界的に認められて、1億円以上もの賞金を得られることには、
大いに意義があると思っています。
そのお金があれば、さらにまた、ダイナミックに活動が広げられるのですから。
しかし、唯一の被爆国である日本政府は、
日本の被爆者の声を世界に広げてきた
この団体がノーベル賞を受賞したことに対して、
「立場が違う」と言って祝辞も何も述べませんでした。
ノーベル文学賞のカズオ・イシグロ氏は日本国籍でもないのに、
ただ日本出身だからと言って、
「お祝いとお喜び」のメッセージを述べたのとあまりにも対照的です。
中国政府も劉曉波さんがノーベル平和賞を受賞したとき、
完全に無視しましたね。
今回の日本政府の対応はそのときの中国政府のと重なります。
アベ首相の今年8月6日の広島でのメッセージ、
「唯一の戦争被爆国として、『核兵器のない世界』の実現に向けた歩みを
着実に前に進める努力を、絶え間なく積み重ねていくこと。
それが、今を生きる私たちの責任です。」は、
いつものように、また、ただの口先だけのウソだったのですね。
国家のリーダーには、人格がまっとうな人間になってもらわないと、
国そのものがグチャグチャに潰れていってしまいます。
当のアベ首相は野次が怖いとて、人が集まるところでは
演説せず、逃げ回っているとか。
日本の究極の国難=アベ晋三が首相であることです。