3月末、2年生に作文を3篇書くように言い、
今、その最後の3作目の作文がゾロゾロと届いているのですが、
それがまた、苦し紛れに書いたようなのがほとんどで、
読むワタシも非常に苦しいのです(笑)。
苦しいときの現実逃避。
私の場合は、文章を読むか、アニメか音楽か、
はたまたニンジンの写真を撮るか。
今日は、なぜか
♪ 安寿恋しや ほーやれほ
厨子王恋しや ほーやれほ ♪
が、自分勝手なメロディーで頭から離れません。
仕方がないので
青空文庫(インターネット電子図書館www.aozora.gr.jp)で、
『山椒大夫』を読んでしまいました。
↑安寿がとして山椒大夫にこき使われるのはこんな可愛らしいものでは
なかったでしょうけど、取り合えず伯方の藻塩からお借りしたイラスト。
『山椒大夫』は、
昔の説話をもとに森鴎外が小説にしたものだそうですが、
平安時代の人買いやの扱いが文豪の筆力でリアルに迫り、
何度読んでも本当に、恐ろしく感じます。
私は旅の途中で誘拐されるシーンが怖くて、
できたら飛ばしたいんですが、
今日は我慢して読みました。
最後に厨子王が目の見えなくなったお母様と再会する
ハッピーなシーンの前に
その地獄のような場面を噛み締めるべきかも、
と自分に課題を与えたのです(笑)。
八方尽くして母を探す厨子王と、
盲目になり、恐らく自分がどこにいるか、
何がなんだか分からないぐらいボロボロになりつつも、
口からなお子どもたちの名前を(きっと朝から晩まで)呟き続ける母。
すごい母子愛ですが、
そこで私の頭を過ぎったのは、
数ヶ月前に見た中国のある学生(大学院生)の文、
「中国の親子は強い絆で結ばれており、日本人には真似ができない」
です。
そのステレオタイプ発想には心底イラつきつつも、
(核家族化が当たり前になっている日本社会の親子関係と、
子が年老いた親を同居介護するのが当たり前の中国の親子とは
互いの心の寄せ方がずいぶん違うのだろうか、うん、違うかもね)と、
自分の場合を振り返り考えていました。
しかし、もし、私が安寿と厨子王の母だったら、
朝から晩までブツブツ子どもの名前を唱えているかも。
いや、やっぱりそれはないかも(笑)。