今日夕方、私の宿舎台所の外の風景。お父さん、お祖母ちゃん、子どもたち。お父さんはずっと携帯から目を離しませんでした(ここは中国山東省菏澤市です)。
私は、中国の大学で日本語教師をしてもう8年経ちます。
日本語教師と言っても会話や聴解だけでなく、
日本語作文、日本国家概況、日本文化概論、日本文学史、日本文学選読、日本古典文法など、
言われたら何でもやっています(笑)。
生の日本を知りたい学生たちに、
できるだけ日本のいいところを伝えたいと日夜奮闘しております。
でね、そういう私にとってヒジョーに邪魔なのが、
日本国内の「反日感情持ってる中国人や韓国人は出て行け」という発言です。
だいたい、反日感情持ってる中国人は日本になんか住まないし~。
古来、日本人は中国をはじめ外国からものごとを学ぶのを喜びとして、
それが日本の飛躍的発展の原動力だったのに、
何ですか、今の有様は。
近隣の国々を目の敵にする排外的且つ、
「日本サイコー・日本世界一」のその態度は、
国を閉塞させ、縮こまらせ、みっともなくさせこそすれ、
美しい国なんかに、ましてや、世界一なんかに絶対なりませんよ。
ゆっとくけど。
此の間、学生たちがせっせと作文を書いている中に
「中日新時代への若者の提言」というテーマもあります。
ちょっとだけ、学生たちの声をここに挙げましょう。
「(インターネット上のさまざまな意見に言及して)
しかし、気にかかるものもある。
それは、一方的に偏った視点からのコメントだ。
中国人の中には、過去の日中戦争のため日本に敵意を持っている人もいる。
日本の話をすると、たちまち、
「私は絶対に日本へ旅行に行かない。
日本が好いと言う人は中国にいるべきではない!」と返ってくる。
そんなコメントを見るたびに、
(そんなに狭く決め付けるのは愚かではないか。
もっと理性的に考えられないのか)と悲しくなる。
日本に同様な傾向があるのもネットで見る。」
もう一つ、
「日本に対する態度はどちらを選ぶべきだろうか?
中国を侵略した国として恨み続けるのか。
それとも、驚異的な経済発展を遂げた先進国として学ぶほうがいいのか。
私は、酷い目に遭って恨みを抱く年配の方々の気持ちはよく分かる。
それでも、日本の先進的分野を学び、
善意を持つ日本人には善意で報いる方を私は選ぶ。
その方が新しい時代を切り開くエネルギーになるからだ。」
最近、こんなこともありました。
私が学生に、
日中戦争時代のことについて一般の中国の人たちが今、
どんな風に言っているかを尋ねたとき、
ある学生が「言いにくいです」と言うので、
「遠慮しなくていいです。事実を言ってください」と重ねて聞くと
「僕は言えません」と苦しそうに目を伏せたのです。
その学生は心優しい子です。
日中戦争は歴史の事実です。
私たちは、二度と両国の若者を苦しめないためにも
相手国を中傷非難することに専心するのではなく、
どうしたら友好関係を進展させることができるかに腐心すべきでしょう。
山東省菏澤は果物が安くておいしいです。このサクランボは約5元(80円)。