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Brugge Style
イスパハンの王様のケーキ
今年の1月6日、カトリックの祝祭、公現祭は、ブルージュ到着が遅れて「王様のケーキ」(ガレット・デ・ロワ GaletteDesRois、オランダ語ではDriekoningentaart: 三人の王のタルト)を食べ損ねた。
公現祭は、年末に誕生したイエスキリストの元に東方の三博士が訪れ、世界中あまねく救い主の光が「公現」したことを祈念する。
この日には、王様のケーキを食べる。
王様のケーキにはひとつ小さなフェーヴ(元々は乾燥豆、現代ではさまざまなフィギュア)が入っており、これを引き当てた人はその日一日王様になれるのである。
また、この日をもってクリスマスの片づけをする。
今年ブルージュのパティシエVan Mullemは、ジュエラーとコラボレーション、特別な王様のケーキを製作した。
5日間、毎日1つだけ、2500ユーロ(約40万)相当の18金のペンダントをフェーブとして入れた王様のケーキを販売したのである。王冠をかたどったペンダントだったらしい。
カトリックの祝祭ゆえ、わたしが現在住んでいる英国イングランド(英国国教会)では王様のケーキは買えない。
それで毎年自分で作っているのだが、今年はやっと昨日焼いた。
友達からピエール・エルメのイスパハン(薔薇、フランボワーズ、ライチの組み合わせ)の王様のケーキが一番美味しかったと聞いたので、レシピを探して真似してみた。
手前味噌だが、フランボワーズの爽やかな酸味がアーモンドクリームと好相性で美味しかったです!
フェーブはまだ引き当てられていません...
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枯山水の盆景
お年賀に作った、抹茶の枯山水の盆景ケーキ。
抹茶のスポンジ3段、濃い抹茶のポンシュ、生クリームに黒豆、栗の甘露煮をはさみ、最後に抹茶のクリームとスノーボールで飾る。
大きくて一辺が24センチあるのだが、正方形を保ちつつどんどん小さくなり、理論的には永遠に皿の上に残るケーキ...
仏教は、現世の色も、来世の色も、現世の色想も、来世の色想も、これらの両者は無常である、と教える。
目に見えるもの、形づくられたもの(色)は、実体として存在せずに時々刻々と変化しているものであり、不変なる実体は存在しない(空)。仏教の根本的考えは因果性(縁起)であり、その原因(因果)が失われれば、たちまち現象(色)は消え去る(ウィキペディア「色即是空」より)、と。
一瞬、遠くへ行ってしまったが(笑)、いや、単なるケーキです。
この向こうに広がる無限の宇宙を可視化したもの、枯山水のように...などと浅はかで意味もないことを言う遊び。
おそれながら、年末に訪れた建仁寺の枯山水を思い出しつつ。
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クリスマスの贈与
洋梨、白ワイン、アールグレーのミルクチョコレートクリーム、ダークチョコレートの組み合わせ。
仕上げはもちろんモエ得意の金沢の金粉(笑)
キリスト教の聖地があんな状態の時に、ケーキやご馳走、プレゼントや飾り付けを楽しんでいて、それでいいのか...と思う。
わたしが最も尊敬する学者の一人、レヴィ=ストロースは言う。
(クロード・レヴィ=ストロース『火あぶりにされたサンタクロース』中沢新一訳 より)
「クリスマスの贈与。それは生きていることの穏やかさに捧げられた『サクリファイズ(供犠)』なのだ。
生きていることは、まずなによりも、死んではいないことによって、ひとまずの穏やかさを実現しているからだ」(54頁)。
わが家はカトリックのベルギー家庭なので、24日と25日の夜を祝う。
「心の奥底では、ささやかなものとはいえ、見返りを求めない気前の良さとか、下心なしの親切などというものが存在することを信じていたい、という欲望」(53頁)を人間は持つ。
「たぶん、私たちはその幻想が他の人々の心の中で守られ、それが若い魂に火を灯し、その炎によって、私たち自身の身体までが温められる、そんな機会を失いたくないのだ」(54頁)。
24日のデザートで、フランボワーズが底にたっぷり入っている。
昨日はわたしの友達が遠方から遊びに来てくれ、娘は彼女の親友宅へ招かれ趣味の養蜂で作っている蜂蜜をいただいてきた。
蜂蜜は地元産を食べるのが一番身体にいい(自分の家の周りに飛んでいる花粉などが含まれているため)そうで、わたしはこの家庭がとる蜂蜜が世界で一番美味しいと思っている。
贈り物...
ヘンデルのメサイヤを聴きながら
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フランボワーズとホワイトチョコレートのショートケーキ
忙しいスケジュールをすり合わせ、娘のお誕生会を親しい友人たちが開いてくれるというので、ケーキだけ作って持たせた。
三段のフランボワーズとホワイトチョコレートの王道ショートケーキ。
ポンシュには薔薇のリキュールを使った。
娘のお友達の一人は真剣に「私の結婚式のケーキは絶対に作ってね」と言ってくれている。まあ...3次会に出すものくらいだったら(笑)
まずは製菓学校に行ってからだな、と思っている。
ブルージュで無聊しているときに行けばよかったなあ...
わたしのお友達の中には、オランダ語を学ぶためにショコラティエ養成の学校に行っていた人がいる。
なんと賢いの。言語を覚えるには単に語学学校へ行くよりも、技術を学ぶための学校へ行く方が近道、というのはわたしの経験則。
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イングランドの土曜日にスコンを焼く
秋晴れの土曜日!
小麦粉の焼けるいい香り...
日本の百貨店開催の、『英国フェア』! 宣伝の片棒を担ぎつつ:
阪急うめだ本店『英国フェア2023』は10月11日から
熊本市の鶴屋百貨店『英国フェア』は9月13日から開催中
日本橋三越本店『英国フェア 2023 ·』は9月12日で終了したばかり...
追加で。明日18日月曜日まで、名古屋で「スコーンパーティーwith TEA@NAGOYA HOSHIGAOKA」を開催しているそうです。
名古屋お住まいのスコン好きメンバーの一人、Aさんが実際に行ってこられた情報! 下に写真あります!
阪急うめだの記事によると、英国展の人気は、同じく人気のフランス展やイタリア展の売り上げを凌ぐそう。
にわかには信じられないその理由のひとつとして「スコン」人気が挙げられている。
へええええー! 単価は決して高くないのに、ということはそんなに数が売れるの? 思いもしなかった!
こんな興味深い記事をスコン好きのある方とやりとりしていたら、スコンが食べたくなった。当たり前だ。
生地を寝かせる1時間と焼き時間20分を入れても、1時間半あればできる。
娘が、日本でいう中一のころ、イングランドのポッシュな私立女子校の家庭科の授業で習ったレシピだ。
そういえば、第一回目の調理実習のメニューは「オープンサンドイッチ」で、娘も呆れ返っていたなあ...
英国でも、スコンはふわふわした仕上がりのもの(ホットケーキミックスを流用した? みたいな感じの)が多いのだが、このレシピは外はガリッとザクッと、中は層が形成され、柔らかさは中レベルくらい、バサバサ、もそもそせず、わたしの超好みだ。
焼き上がりはもちろん、オーブンで都度、焼き直してもとーってもおいしい。
日本のあの人、この人にいつか召し上がってもらうのが夢。もちろんクロテットクリームをひとり一パッケージずつつけて!
英国でもクロテットクリームはこのRodda's社のモノポリーである。
他でおいしいのはフォートナム&メイソンの地下で販売しているガラスのポット入りのものとか...とにかく他にはあまり見かけないの。
ところで、「クロテットクリームってどうやって作るの?」と思った。
たった今、調べたらなんと簡単!
脂肪分の高い(36%から40%)クリームを耐熱皿に流し、80度ほどの低温のオーブンで12時間焼く。
粗熱を取り、一晩冷蔵庫で冷やす。
下に水分、上に脂肪分が固まるので、水分を捨て、脂肪分を取り分ける。
以上!
これはちょっと近いうちに試してみなくては。
わたしはジャムはなしのクロテットクリームのみで。
紅茶は薄めのラプサンスーチョンかアールグレイ。
スコンはクロテットクリームを食べるためのスプーン。
日本の英国フェアで出品されるという、餡バターのスコン、いや、餡クロテットクリームのスコン、次回は試してみよう...
クロテットクリームがでに入りにくいという苦肉の策から誕生したとさらっと記事には書いてあったが、さすがだわ、思いつきもしなかった!!
...
英国フェアは前からあるにはあるが、この盛り上がりはひょっとして...
日本、英国、イタリアが、人工知能AIを活用した次期戦闘機を共同開発する計画や、日英包括的経済連携協定など、政府の目指す方向と連動しているのか、と思ったりもする。
英国が陥っている今の状況は、一部日本に似ているところが多くあり(サッチャリズムのツケを支払っている、ネオリベの行き過ぎなど)、経済的に落ち目の国は必ず軍事産業に手を出すのだなあと...日英同盟再び。
...
今日はこのブログを書いた翌日の日曜日。
名古屋にお住まいのスコン好きのAさんが、「スコーンパーティーwith TEA@NAGOYA HOSHIGAOKA」で「神戸で英国菓子を作る英国人、ピーター・ブロードバースト氏の『ザ・ビスケット・バレル』のスコン」を召し上がったそう!
Aさん、いつもありがとうございまーす!!
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