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Brugge Style
パラディオの真紅の薔薇
ブルージュの花屋、Palladioの深紅の完璧な薔薇。
誕生日に。
Palladioという店名が表すように、このお店はブルージュの旧市街の市門のすぐ外に、街を守るようにある。
パラディオとは、ギリシア神話やローマ神話において、都市の安全を守るとされた非常に古い像、女神であり、ギリシャ神話ではアテーナーと同柱にされているが、元来はもっと古いパラスという女神だった。
アテーナーはパラスを殺してしまったことを悔やんだ、とあるので、つまりはパラスという先住の女神を、後から来た神話体系に属するアテーナーが乗っ取ったという、ギリシャ神話にありがちな経緯だと思うのだが。
そういえば先月、日本一時帰国時に、宇治の宇治神社と宇治上神社を参拝した。
こちらは菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)を祭神とし、郎子は、父、応神天皇の寵愛を受けて皇太子に立てられたものの、異母兄の大鷦鷯尊(おおさざきのみこと、のちの仁徳天皇)と皇位を譲りあい、異母兄の仁徳天皇を皇位につけたいがために自殺!
これを悲しんだ仁徳天皇によって手厚く祀られた...
ってどう考えても仁徳天皇に〇〇されているよね、という...
その話を思い出した。
世界を再編成するため、正統を主張するための作り話が好きなの。
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ブルージュの飲食店 2020年早春版
年末から今年にかけてブルージュにかなり滞在した。
ブルージュのレストランのおすすめを聞いてくださった方へのお返事を書いたので、久しぶりにこちらにも載せようと思う。2020年最新版。
なお、最近一回以上行ったところに限っている。
(ブルージュのレストラン情報などの過去記事は、現在の事情に基づいていないのでご注意ください)
De Jonkman
ブルージュ中心部から車で10分かからない距離にある一軒家。
大通りから敷地内、エントランスへのアプローチも素敵で盛り上がる。
ロンドンでは例えばいいレストランは、多くがいいホテル内部にあり、それはそれで華やかな劇場型とでもいうのか、楽しみがあるが、一軒家はプライヴェートな独特の雰囲気がとてもよい。
食材は当然、準備の仕方や料理の仕方もレベル高く、意外性や驚きもあり、またサービスも気取りがなく、細やかで素朴、「ベルギー的」でとてもよい。誰が行ってもよくしてもらえると思う。
断言してもいい、パリの同クラスの店に勝ると思う。
記念日には絶対におすすめ。
この冬いただいた中では、ベルギー最後の牡蠣業者(在オステンド)の牡蠣が思い出に残っている。
L.E.S.S
かつて、ブルージュから車で20分くらいの距離の街にHertog Janという素敵なレストランがあった。
そちらを閉めて、’t Zandザンド広場に開店した「炉端」風のレストラン。
内容は炉端というよりも80年代に流行ったおしゃれな無国籍・多国籍料理といった雰囲気。
ハマチの刺身あればキムチあり、ベルギーウナギの蒲焼風(ポン酢で)もあれば、炉端で焼いた立派な牛肉が入ったマサラカレーもある。
炉端と思って行くと値段に驚くと思われるので、ベルギーではこういうスタイルが今ヒップで、ローカルで常に賑わっている夜のシーンを見学に行くつもりで...居心地はとてもいい。
こちらはシェアして食べるのも売り。食事を「シェア」するというのはベルギー人にとっては新しい概念なのである。
文化や習慣ってほんとうにおもしろい。
わたしはもともと自分が空気が読めない(B型)というのを気にしていて、シェアすると他の方が気を使われているのが分かり、こちらがどう気を使い返したらいいのか分からなくなるのでシェアは嫌いなんだけど(笑)。
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これに暖かいチョコレートソースをやかん(おしゃれなやかんよ。笑) からかけてもらうと、
ベルギー人大好き、どこにでもデザートメニューに載っているDame Blanche
Franco Belge
友達から評判を聞いて行ってみたいと思ってはい、今回偶然別の友達に誘われて行ってきた。
Langestraatラングストラートは、中心部に近い方にはレストランDe Karmelietカルメリートなどがある通りだった。
が、市門に近づけば近づくほどなんとなく荒んだ雰囲気になり、昼間から飲んでいる人のいるブラウンパブなどしかないエリアだった...
家賃も安く、空きも多かったせいだろうか、若い層が出店し始め、例えばレストランのSans Cravateサン・クラヴァット(最近行っていないので評価は控えるが、以前は確実によかったです。次回行ってみたいな)などもでき、再開発進行中。
そういう通りの真ん中あたりにあるレストラン。
フレンチとベルジャンの料理のフュージョン、とても丁寧に作ってあり、小さい前菜がいくつも出るのが好み。
この手の店にしては値段は手頃な方だ。
Quatre Mains
今、たぶんブルージュでローカルに一番流行っている店のひとつ。
こちらも一皿をシェアして食べるのが前提のカジュアルな店。シェアが嫌いなわたし(うん、食べた気がしなかったよ...笑)には不向きだが、いろいろ少しづつ食べたい人にはおすすめ。メニュー的にはフォアグラやタルタル、ピザ、コロッケにスペインのタパス風などの多国籍料理をカジュアルに出す。値段設定も安め。
知り合いのケータリング専門のシェフに意見を聞いたところ、カジュアルで価格を抑えた店の中では一番におすすめしてくれた。
こちらは20年前、われわれが通っていたフレンチレストランでウェイターとして修行していた方がシェフ。なつかしい。
Rock Fort
何度も何度も紹介しているレストラン。ローカルに常に人気で予約が取りにくいのが玉に瑕。ランチは手頃で併設のバア、Bar Salonでも軽食ができる。こちらもおすすめ。
Passage
ブルージュで悩むのがお客さんを「地元料理の店」にお連れする時。
地元料理は地元民は家で食べるものだし、レストランは観光客のものだ。
そんな中で今回行ってよかったのがこちら...好き嫌いをする人が比較的多い英国人のお客さん(彼らは肉はとにかくはウェルダンでないとダメ、生肉生魚ダメ、フォアグラなど内臓系もダメ、名前を聞いたことのない食材は苦手という人が多いの! 子供か!)をお連れするのにも助かった。
週末はローカルでいっぱいで騒がしく、サービスもゆっくり、一皿だけ食べたい時はいいのではないか。「安くて美味しいレストランを紹介してくれ」とよく言われるのだが、ここよりも安いところをおすすめするのは難しいと思うというくらいの値段設定です。
メニューはステーキ、ブイヤベース、ポーク・リブ、フランダース風ビーフの煮込みカルボナード、北海のヒラメのバター焼き、タルタルステーキ、そういったラインアップ。もちろんそのどれもにフリッツ(フライドポテト)がついてくる。
ムール貝やシコンのハム巻きクリームソース等はなかったと思う。
実は夫はここで学生の頃皿洗いのバイトをしていた(笑)。オーナーは変わってしまったが。
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こちらは葉巻の形、グレーの灰も再現。彼のスーツの柄までがマッチしていたので撮らせてもらった。
下に写っているのはジャンクなベニエをシャレで完璧に作ったという風のもの。美味なり。
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ブルージュの「ブリュッセル」ワッフル
食べたいなあ!
Carpe Diem
おいしいケーキ屋さんが軒並みなくなってしまったなか
20年近く前にできて以来がんばっているお店
聖母教会とペギン会修道院の間あたりです
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gruuthusemuseum, brugge
義理の両親の結婚記念日を祝うため、ブルージュに来ている。
彼らの結婚記念日は義理母の誕生日でもあり、結構なお祝いになる。
彼女自身は毎年「ロマンティックだけど、誕生日に結婚するんじゃなかったわ」と言う。もちろん2回お花をもらいたいためである。
......
長い間リノベーションのために閉館していたGruuthusemuseum(グルートゥス博物館)がついに5月末に再オープンした。
結局、8年くらいは閉まっていたかも...気の長い話だ。
写真右手のモダンな建物は今回新しく作られたものでチケットブースのようだ。
この建物は、13世紀ごろ、ビールの風味づけに使うハーブ類Gruit(昔はホップが高価だったため)独占販売権を得た裕福な家族が建てた倉庫を、15世紀になって貴族が邸宅に改造(故事にちなんで「グルートの家」と名付けたそう)、その後もさまざまな貴族によって改装されてきた。
その贅沢さは例えば隣の聖母教会とつながっている点などが挙げられる。
以前から、ブルージュが欧州一の都市と謳われた時代の貴族の生活博物館としておなじみで、この度の改装では展示が大きく3部に分けられ、ブルージュの中世、15世紀から17世紀、そしてあまり知られていない19世紀、と整理された。
毎回ブルージュに帰省するたびに行きたいと思いつつ、まだ中を見学していない...
わたくしどもの結婚式の写真は写真家の希望でこちらグルトゥスでたくさん撮影させてもらった。思い出の場所でもある。
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ブルージュのレストラン1軒だけ2019初夏
昨日の続編。
ブルージュに観光客向けの店だけが増えすぎているのでは、と地元民が危惧している中に当然レストランも含まれている。
もともと慣習的に贅沢な外食に禁忌がなく、ブルージュ民は外食が好きな人たちだ。
少年が襟のある服を着て髪をなでつけ、糊のきいた真っ白のクロスのかかったテーブルに向かって手持ち無沙汰にしている姿は実にほほえましい。
外国から来た友人がそんな家族の様子を見て感嘆していた。家族みんながぱりっとした「おしゃれ」をし、しかもなんとなく服装の色のトーンを揃えているようなのがすてきだと言っていた。
例えば老舗Den Gouden Harynckなどではそういう家族をよく見かける。
特別な日は、やはり観光客が大部分を占めるレストランでは、居心地がよくない場合があるのかもしれない。
ブルージュでは観光客という立場でも、地元に帰れば同じように感じる人は多いのではないか。
この雰囲気は大団体やスポーツウェア姿の観光客のせいばかりではなく、店側の「2度と来ないかもしれない客」へのあなどりがある、スレた接客からも醸し出される。
もちろん観光客が多い店をカジュアルで快活と好む人もいるだろう。当然、観光客も行儀の悪い客ばかりではないし、一期一会でどんな客も大切にするいい店がほとんどだ。ただそれを見分けるのは難しいケースもある。
どちらかというと同じ店に通う方なので、あまり新規開拓はしないが、先日続けて2回目(両方夜)行ってみて、(たまたまかもしれない)客は9割方が地元民、値頃で、居心地のいい落ち着いたカジュアルさ、料理も素材がよく、シンプルな調理法が好みだったのでご紹介します。
ASSIETTE BLANCHE
www.assietteblanche.be
マルクト広場から一本入ったところすぐ(1分)にある。
(写真はライムとマスカルポーネのソルベで絶品だった! 気が小さいのでレストランでは写真を撮らないが・笑、ここに載せるために。ちなみにこの日わたしは前菜に手長海老のグリルとメインに仔牛のステーキをいただいた。そういうメニュー)
日曜日月曜日営業、火曜水曜が定休なのもいい。
実はDen Gouden Harynckのオーナーシェフのおすすめ(彼の元で修行した経験があるシェフの店)で、正解だった。
店の質は経年によってかなり変化すると思う。名前は同じでもシェフやオーナー、内装が変わっていたりするので、このブログ記事内でブルージュのレストランなどを参考にしてくださる方は記事の年月日をチェックしてください!
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