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夜間飛行




夫がキエフと首長国連邦に出張。
出発前夜からブラッセルの空港前ホテルに宿泊するというので付き合う。


深夜の都会のホテルが大好き...けど深夜の空港ホテルもええもんですな。
古びていて、行き届いてもいないホテルだが、夜の光が漏れる空港のそばというロケーションはホテルの七難を隠す。


空港の借景
ロビーにある電光掲示板の飛行機の到着/出発時間
始終出入りのある正面玄関
上階の閉鎖的なラウンジ
粛々と掃除をするスタッフ
早朝出発者のために用意されたコーヒーやペイストリーをかっさらっていくスーツ姿のビジネスマン


空港も、ホテルも、(美術館と図書館も入れようかな)日中の様子は何ということはなく、努めて「普通です」というような顔をしているが、夜半を過ぎると急に本性(?)が滲みだしてきて幻惑的になると思う。
誰も定住することのない一時通過地点であり、他の時間と他の空間で定められたちょっと不安定な点のような場所だからだろうか。無理のあるたとえだけど、大変好ましい場所だ。


半寝で夫を送り出し
夜間飛行はジョイと共に母の愛用の香水だった
などと思いながら滑走路のある辺りを眺めた。

わたしもいつか夜間飛行の似合うようになるだろうかと少女の時分には思っていた。
今はまだなんとも季節に合わないクリードの春の花なんかをつけている。


vol de nuit


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