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Brugge Style
おいしいものが少ないところに住むと太るという不思議
ワタクシダイエット中なのである。
出産後も変わらずずっとフレンチ36、日本の7号サイズだったのに、どうやら去年の...そうだちょうど英国へ引っ越して来た辺りからぶくぶく肥えてきたのだ。
その前にも去年の春くらいにこれが中年太りか!という前触れはあった。でもそれでもまだ結婚前に買った服を余裕で着ることができた。
今では7号サイズという過去にすがるのはやめて9号を買ってはどうかという体型に。
しかし頭のどこかで「ダイエットしたら元にもどるやん。もどるねんから7号にした方がええやん。一回9号買ってもたら絶対に元にもどらへんで。」と言う声が聞こえる。これは大変なジレンマだ。
そういうわけでただいま絶賛ダイエット中。
わたしはごはんを必ずおかわりする炭水化物好きなのでそれを9割方減らしたくらいですけれど。
体重増加のひとつの原因は、英国へ引っ越して来てから犬の散歩以外ほとんど歩かなくなってしまったから。
今住んでいるところは、街の繁華街まで徒歩で行けるものの、そこまでの道のりは整ってはいるが平凡な家ばかりでつまらなく、また犬を連れて行ったところでどこにも入店できないし、おいしい飲食店があるわけでもない。ひやかして楽しいお店も、眺めて楽しい建築装飾もない。日常的にぶらぶら歩くことがなくなった。娘の学校は車でないと行けないし。
そういうわけでブルージュに住んでいた頃にくらべて歩かなくなった。
わたしが真剣に歩くのはロンドンのナショナル・ギャラリーの中かセルフリッジ(百貨店)の中くらいになってしまったのだ。
そして一番の原因。
それは英国にうまいものがないことである。
おいしいものがないのに何で太るの?と思われましたか。
おいしいものがない...というのは日本とベルギーに長く住んだわたしにはちょっと信じられない事態なのである。留学していた中東の国も食べ物にどれだけ恵まれていたか。
土地にはそれぞれの美食ありと学んだので、英国にも必ずおいしいものがあるに違いない、レストランでなければパブに、パブになければスーパーマーケットや食料品店に、そこになければ伝統料理に、どこにもなければ自分で塩を足して、いやさすがにフィッシュ・アンド・チップスはおいしい、じゃ、どこの店が最高?...という具合で探求してしまったのである。
太って当たり前だ。
プラス、家で作るごはんはおいしいのでいつもと変わりなく食べる...いや、余計に食べたかもしれない、おいしいものがないストレスを解消するために。
あれこれ試してがっかり、未知のメニューを見つけてはがっかり。
前にも書いたが、英国へ住む前はロンドンしか知らなかったので、英国も最近はおいしいのよ!と食生活を心配してくれた友だちを啓蒙する努力さえした。それなのに...
これで分かったのは英国のインド料理はおいしい。レバノン料理もおいしい。
スコーンはさすがにおいしい。
そして中年の女は食べ続けたら太る。
英国はヨーロッパで一番肥満が多い国だ(ちなみにベルギーは下から二番目)。
子どもでさえ、12才の子どもの3人に1人が肥満だという数字が出ている。
わたしが住んでいるサリー州はそれでも巨漢は少ない方だし、娘のお嬢様学校にも肥満児はいない。
でもひとたび電車に乗ったり、安めのスーパーなどに行くとこちらが息苦しくなるような人がたくさんおられる。観察すると彼らの食の特徴は手軽なもの(ファストフード、冷凍食品、缶詰、パン、お菓子などすぐに食べられるもの)ばかりで構成されている。
わたしは英国に肥満が多いひとつの理由はおいしいものが少ないからだと思う。
季節の料理がうまい、この食材はこう料理したらうまい、と経験的に知っていたら簡単には手軽なものに置き換えられないのではないだろうか。
前にも書いたがせっかくいい食材(新鮮な肉がおいしい!)が揃っているのにもったいない。
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