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Brugge Style
カード蒐集
強いコレクション癖はないと思う。
子供の頃は義務感に駆られて切手コレクションをしたりもしたが、あのアルバムはどこにいったのだろう。
それでもいつの間にか集まっていたものがある。
あー、靴じゃないですよ。本来の実用性を剥奪されてただ並んでいるだけのような羽根つきのハイヒールやシルクの拳より大きい花つきハイヒールは、わたしの部屋で自分が何なのか忘れたような顔をして座っているが。
カードやポストカードの類いだ。
旅先で記念に買ったり、美術館博物館で気になった展示品のを買ったり、好きな写真家のもの(アンドレ・ケルテスが好きだった)、カードそのものの意匠デザインにひとめぼれしてという調子で高校生時分から自然と集まったものが靴の空き箱3つにぎっしり残っている。
カードやポストカードをちょこちょこ買わなくなってしまったのは、いつのことからか象徴的なものをあまり必要としなくなったからだと思う。
例えば恋愛を夢見ている頃は、やたらとポエムや占いや恋愛映画が気になり、相手かまわず完全な恋愛世界を形成したりするものだが、現実のパートナーと日常を送るようになったら擬似的なものは必要なくなる...とかそういうことに似ているのかもしれない。的外れだろうか。
えっ、ということはアイドルを追いかけている人は一種のコレクションをしているのか?
分からない。
この間ある人が行く先々でカードを買っているのを見て触発され、わたしもロンドンのスピタルスフィールズ・マーケットで使うあてのないカードを買ってみた。
自分が若返ったような気がした。
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