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beleza








ここには何度も書いたことだが、そういうことを書く場なのでご容赦ください。

わたしの一番の興味、人生のテーマのひとつは「人は何を美しいと思うのか」だ。

「何を美しいと思うか」。
ここにはわれわれが大昔のある時点で人間になったきっかけが隠されていると思う。
人間だから何かを美しいと感じるのではない。美しいと感じたから人間になったのだ。

人間以外の動物は夕日を美しいと思うのだろうか。花を美しいと感じて好きな人に捧げたり、綺麗な石をとっておいたり、野生の動物の神々しい姿を壁に再現したいと考えたりするのだろうか。
霊長類ならしそうだ...最も、彼らにとっての「美」はもっとストレートに「善」に結びついていそうだが。
(最近の、猿のグループが酒造して飲んでいるというニュース! 天晴れ!)


わたし自身が属している文化圏から出て、つまり金魚鉢の中の金魚は水や鉢のことを考えたりしないように、普段は自分が当たり前だと思っている「美」を外から(金魚鉢の外から)眺めてみる。これがおもしろい。

そして何より、他の土地の人がさまざまな環境や歴史や文化や言語やらの条件下で感じ、表現する「美」を見せてもらいたい!!! 
これはものすごい衝動で、それがわたしを旅行に駆り立てるのだ。ああ、もう家はいらないから年中旅から旅への人生が送りたい!


ここでポルトガル。
鈍感なわたしでさえも、人々が長い歴史の中でアラビアの影響を受けた装飾タイル、アズレージョを美しいと考えてきたのだということがすぐに分かる。
色が美しいとか、配置によって美しい形や陰影(光の加減によってかなり色が変わる)が生まれるとか、そういう視覚的な理由の他に、乾季は30度越えの土地で、タイルのひんやりした感覚や、埃まみれになってもささっと掃除できるというような感覚も、「美」に含まれているのではなかろうかと感じた。

建物のファサードだけでなく、もちろん部屋の壁などにも配置されていて、それが装飾的にまったくうるさかったり古くさかったりせず、むしろ爽やかな美なのがすごいなと思う。


タイトルのbeleza(ベレーザ)とはポルトガル語で「美」「良い」という意味で、わたしが外国で一番最初に教えてもらう単語だ。
おいしいものを食べても、歴史建造物を見ても、子供を見ても、お土産物を求めるときも、シーツのかけ方にも、お天気にも、常に使える便利な言葉。言われて嫌な気がする人はいない。


......


フライングで出かけた夏休み。ポルトガルは10年ぶりで訪れたのに一週間では全然時間が足らなかった。

ポルトガル、大大大好き!


(ちなみに写真はずべてアズレージョ。タイルっぽく貼ってみました)
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