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Brugge Style
「ジュリアス・シーザー」
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの「ジュリアス・シーザー」を見た。
「王殺し」、つまり「父親(あるいは父親に代わる人)殺し」に直接的・間接的に加担した主人公が、死んだはずの「父」がいつまでも及ぼしてくる影響に悩む話。
シェイクスピアにはそういう話が多いなあ。
主役のブルータス役の役者にあまり存在感がなかったのは(カシアスの方に食われていた)、ブルータスが高潔ではあるがリーダー・シップやカリスマのないそういう人物だったから彼がそう演じているだけなのか、それとも単に役者自身の力不足か。
マーク・アンソニーは長身で浅黒いハンサムで、ひときわ目立つ華のある存在でなければならないと思う...いちいち、あ、このひとがたしかアンソニー? と確認しなければ混乱するというのはどうなのか、と思った。
......
先日から友達と話題になっていた。
「ロンドンにはおそらく世界でも最多に近い数の劇場があり、毎夜それなりに多くのパフォーマンスが行われていて、しかもどこも満員御礼が多いようだ。
しかしクラシック音楽を聴きに行っても、バレエを見に行っても、美術館に行っても、観客の平均年齢層が高い。70代か。この世代がクラシックを鑑賞しに出かけなくなったら、それが観客がごっそり減るという分岐点なのか、それとも人は70に近くなったらクラシックを見に行くようになるのか」
「ロックを聴く人が隠居したという理由でいきなりクラシックを聴き始めたりはしないだろうし、もしかしたらクラシックの観客は高齢化社会の高齢者数と反比例して減っていくのかもしれない」
「そうなったらパフォーマス全体の質が落ちるのではないか」
恐ろしいなあ。
ところが「ジュリアス・シーザー」の客層はかなり若く、30代40代くらいが多かった。いるところにはいるのね、若い人も! と思って妙に安心。やはりクラシックはクラシックでも分野や演目が違えば様子は違うのだ。
年末に同じカンパニーのシェイクスピアもの「タイタス・アンドロニカス」を見たときは年齢層はかなり高かったので、「シェイクスピア劇よ、お前もか」と心配だったの(笑)。
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