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養老猛司さんのご本は、わたしが読んだものでは、あの独特のノリについていけず、読後ほとんど何も残らないのだが(それでも最近うっかり「身体巡礼 ドイツ・オーストリア・チェコ編」というのをチェコ旅行前に読んでしまった)、「笑いの力」という対談本の中にある

「西洋の古い街へ行きますと、街の真ん中にある立派な建物は二つしかないんです。一つが教会で、もう一つは劇場ですね。西洋の街へ行かれたことのある方は、ある程度の大きさの街であれば、必ず劇場と教会があることに気付くと思います。劇場とは、その中で起こることは全部真っ赤な嘘です、ということですね。誰も芝居を本当だと思って観ている人はないんです。 」
「その嘘を保証するために、外観はできるだけちゃんとしなきゃいけないわけですね。ボロボロの小屋ではいかにもほんとうらしいことをやっていると、ほんとうに思えちゃう(笑)」。

というくだりは、なるほどどの街を思い浮かべてもそうだと思い、だから一番よく覚えている。
「ある程度」以下の大きさの街ではそれが教会とパブになる。


ロンドン・コリセウムはトロンプ・ルイユとギリシャ劇の仮面の装飾が美しい。
両方とも「真っ赤な嘘」の一種である。
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