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英国の中世の秋へトリップ




イングランド南東部、イースト・サセックス州にあるボディアム城に遊びに行った。


百年戦争中、フランスの侵略からこの地域を守るため、先代エドワード3世に騎士として仕えたエドワード・ダリングリゲ卿が、リチャード2世の許可を得て14世紀に建てた、ほぼ四角形の城。ザ・お城。

わたしはこの時期の国際政治にとても興味があるが、エドワードだの、リチャードだの、何人いるのか、いつも混乱する。せめて顔写真があれば(笑)。


実は、「百年戦争中、フランスの侵略からこの地域を守るため」とはいうのは表向き、この時期には、侵略のディフェンスとしての機能を持つ城から、富と地位を誇る型の城への時流の変化があり、ボディアム城も同様。

城は戦闘にさらされることはなく、ダリングリゲ卿は、妻と共に安定した暮らしを送ったという。


この土地の砂岩で建てられているため非常にもろいという割には、ナショナル・トラストの尽力で、外側は美しい形が保たれている。




場内の保存状態はさほど良くないが、足場がよく、周囲も美しいグリーンで包まれているため、小さい子供連れが多い。

また、中世の生活を再現した人々のデモンストレーションも...




赤ちゃんもコスチュームを着ていた!!

ほんと、似合いすぎで違和感なし。
中世に来たみたいだ。




彼は外科医である。
中世の外科医といえば床屋との兼業ではなかったか??




ホイジンガは、中世の後半の文化が極度に感情的であったと指摘している。
騎士道、宗教的儀式、芸術作品など、過剰なまでに豊かな象徴を用い、それがこの時代の精神の特徴であったと...

ならば、防衛の「機能の美」を持つ城を、単に美しいから、という理由でダリングリゲ卿が建てたのも分かる。

「遊び」は、生存に絶対不可欠ではない。しかし、それこそが文化である。

われわれは、生存に絶対不可欠ではない「遊び」をすることのよって人間になった(ホイジンガの「ホモ・ルーデンス」)。そして今も。

つまり、「無駄」なくして人間は人間たりえないのである。
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