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Brugge Style
夢見るころを過ぎても『スタンド・バイ・ミー』
日本の友達とラインで会話しているときに聞いた話。
彼女の大学生のご子息が、友達3人と共に車で東京から東北地方を目指したが、4人中、2人がこの車旅行までに一度しか運転というものをしたことがなく、もう1人は去年以来運転をしていない...という面々だったそう。
親として、不安でたまらない気持ちが痛いほどわかる。
同時に、こういったロードムービーのような、唯一無二の旅ができるのも青春時代の特権だと、うらやましさでいっぱいになる。
...そう書きながら思った。
なぜに若い時の珍道中だけが特権なのだ?
若いからこそできる冒険や感じ方ももちろんあるわけだが、中年になって老年になっても死に際になっても、そのときにしか経験できないものの見方や考え方、事件の起こし方と処理方法というのはある。
若い時の珍道中だけが『スタンド・バイ・ミー』や『オン・ザ・ロード』(ケルアック)のような映画や小説になるのではないのだ。
大人になったら責任もろもろができ、行き当たりばったりの旅行に出にくくなるという理屈はわかるけど...
わたしも高校生のころ最初の欧州と中東旅行に出かけて以来、妹や友達と、しばしば一人で、今は主に夫と珍道中を繰り広げている("Two For The Road"のつもり)。
娘ぐらい歳の離れた友達と出かけたのもおもしろかったな...
昔あって今ないものは、根拠のない自信、怖いものなし、しかも正義感が強かった。
今あって昔なかったのは、場慣れと、相手側が「マダム」として接してくれる年齢と、どうにも使い物にならないガラクタのような知識の断片?
実はベルギー時代の友人夫婦らと、そのうちの一人が還暦に達したら、還暦『スタンド・バイ・ミー』に出かける計画がある。
夜行列車のサロンで、あるいはマイクロバスを借り切って、いい日旅立ち、日本旅。
とても楽しみにしているのだが、この旅を終えて、還暦近い年齢の人(わたしのことだが)は、日常へと戻ることが可能なのだろうか?
おそらく『バグダット・カフェ』の主人公のように姿を消したくなるのではないか。
それはそうと、それまでにカラオケを練習しておこうと思っている(カラオケ、行ったことないの)。
ウケを狙いたい、と歌えもしないのにまず思うところが関西人のサガか。
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