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夏の午後4時 vieruurtje








夏の...時シリーズももう終わり。

英国南部地方は 秋きぬと目にはさやかに見えねども の日々なので。


以前、横浜にお住いのAさんからいただき
そのおいしさに驚いた紅谷さんの「くるみっ子」。

Aさんとは拙ブログがきっかけで
もうほんとうにながーいおつきあいをさせていただいており
時折、ものすごく気の利いたお菓子と達筆のカードを送ってくださるのだ。

くるみっ子がおいしいのよう、という話をあちこちでしていたら

今回は日本に一時帰国していた米駐在中の友達が送ってくれた。
彼女はブルージュでご近所だった、お互い好きなものが似ている大切な友達だ。

はい、これもわたくし得意の「カステラの法則」ですわね...
(カステラの法則:カステラが好きだと吹聴しておくと
カステラが届くという愉快な宇宙の大法則)


日本では3時のおやつだが、

フラマン(ベルギー・オランダ語圏)では

vieruurtje(ヴィーるユーるチェ。Rは巻き舌。「4時ちゃん」)

2人に会いたいなあと思いながら庭でお茶の時間
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8月25日のベリーのタルト








久しぶりに家にいる週末、英国ではまだまだ出回っている
ベリーを使ってタルトができた。

初秋の夜空を模した星屑がアクセント
(今思いついただけだけど)。

濃い紫色のブラックベリーは庭で採れるもの。
とても甘く、これからが季節だ。
柔らかいので潰さず摘むのが大変だけど...

赤いタルトはこの夏たくさん作ったので、
秋口は濃い紫を集めて大人っぽいタルトを作ってみよう。
アクセントは黄色系がいいなあ。
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ロンドン、ショーディッチ散歩








ポーランドから英国の家に戻り、お鮨が食べたいのであると作り歌を歌っていたら、昼、夜、朝3回和食がいただけるようにと夫がロンドンのショーディッチにあるノブ・ホテルを予約してくれた(ノブ’・ホテルは開店以来サービスがずっと素人っぽくて改善されないのはなぜだろうか...)。

わたしは外国旅行から戻ってもしょせん帰宅先も「外国」。でもやっぱり外国旅行から帰ったらまずは和食! ですよね。ね。ね。







ショーディッチのこの辺りはわたしの普段のロンドンの行動範囲からは外れているが、ジェントリフィケーション(中産階級化再開発)された後の昨今も下町らしさが残っていて、若い人が多く、いい雰囲気だと思う。

ここらはロンドンのスラムだった。
スラム形成の原因になるのが港湾だとしたら、ロンドンはその典型である。テムズ川の港の荷役労働がもたらす雇用が吸引力となって内外から貧民を引き寄せ「イーストエンド」が形成された。
ここに引き寄せられたのはイギリス人だけでなく、カトリック教徒のアイルランド貧民が多く、ゆえにイーストエンドにはカトリック教会が増えた。

17世紀になると、フランスで迫害されたユグノー(カルヴァン派キリスト教徒)、19世紀後半には東ヨーロッパで起こったユダヤ人迫害運動(ポグロム)によって追い出された東ヨーロッパの貧しいユダヤ人が流れて来、シナゴーグが激増し(以上、川北稔「イギリス近代史講義」よりまとめた)、今もヒップで有名なブリック・レーンのあたりにはユダヤ人が持ってきたベーグル店が多い。

ちなみにポーランドではベーグルの原型になった「オブヴァジャーネック」の屋台をよく見かけた。
こういうことを見たり聞いたりして、体験がつながっていくのがわたしの楽しみだ。


ロンドンは何もかもが高騰し、普通の人が心地よい生活を送れるようなエリアはどんどん減っている。
7年前に英国に引っ越してきたときはロンドン中心部に住む気満々だったのだが、今では「住みにくいだろうなあ」と思うまでになった。今後も英国に住み続けるのならばきっとロンドンは選ばないだろうと思う。
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「建築は凍れる音楽」@ワルシャワ












クラシック音楽が大好き、そして建築も好きだ。

ご覧のように、ワルシャワには欧州のどこででも見られる様々な建築様式がある。

驚いたことにこの美しい街並みは、第二次世界大戦火で破壊された「煉瓦のヒビに至るまで」を復元した結果なのだそうである。周辺の大国に虐げられた歴史がポーランド人の性格を形成したと言う人もいる。なるほど。


さらに西側では見られないスターリン様式の建築物*を見るのは楽しみの一つだった。

スターリン様式の建築物は、有名な文化科学宮殿(写真左一番上)を含め、スターリン主義への痛烈な批判から、取り壊し計画に晒されたり、国民から「無視」「敵視」されているようだが、負の遺産、強烈な思想の具現化として絶対に残すべきだと思う。


*スターリン様式とは...1933年(ソビエト宮殿の最終デザインが固まった年)から、1955年(ソビエト建築アカデミーが廃止された年)までの間に建てられた建築物。

社会主義リアリズム、つまり社会主義を称揚し、革命国家が勝利に向かって進展している様子を描く。人民を思想的にまとめ、革命意識を持たせるべく啓蒙する表現のひとつである。社会主義の発展と革命の達成を摩天楼で表現し、労働者を鼓舞することを狙った。スターリンは、ニューヨークの摩天楼に対抗して、モスクワに超高層ビル群を建設し、モスクワの風景をマンハッタンのようにするつもりだったらしい。
スターリン時代のソ連の他の芸術分野同様、建築も「共産主義を理想的な社会秩序として賛美する」ために貢献するよう位置づけられた(以上、ウィキペディアから勝手にまとめた)。



写真は上グループの写真から、左上から時計回りに
文化科学宮殿:スターリン・ゴシック様式、ポーランド・バロック様式の装飾
王宮を含むワルシャワの旧市街:王宮はマニエリスム的ポーランド初期ゴシック様式
オペラ座(ワルシャワ大劇場):ポーランド・ネオクラシカル様式の代表的建築物 
聖アンナ教会内部:バロック様式、外観はネオクラシカル様式

下グループ写真は左上から時計回りに
聖カシミロ教会:パッラーディオ様式
中央マーケット広場:17世紀まではゴシック、のち後期ルネサンス、最終的に18世紀の後期バロック
文化科学宮殿のニッチに立つ労働者(マルクス、エンゲルス、レーニンと彫られた書物を持ち、聖人のように表現されていることに注目)
インテリアが素敵なホテル・ブリストル内:オットー・ワーグナー(ウイーン分離派)のアールヌーボー。オットー・ワーグナー大好き。
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ワルシャワ、ロンドン、ショパン。








週末のBBC Promsは、2015年国際ショパン・コンクールの優勝者Seong-Jin Choが
ショパンのピアノ・コンチェルト2番を演奏するというので行ってきた。

もちろん於ロイヤル・アルバートホール。


実は2015年のコンクールの後、ロンドンで開催された勝者リサイタルに行ったものの
わたしは別の方が優勝するのではないか(はっきり言ってEric Luです)と期待していたのもあって
シロウトのどうしようもない独断と偏見で申し訳ないが、あまりいいとは思わなかったのだ。

プロムには当日まで行くかどうかは決めかねていたが
ショパンのワルシャワから帰ってきたばかりとあっては行かずにおられなかった。

そうしたらなんと!

ほんとうにすばらしかったのです!!!!!

さすがですね。

一度二度聞いたり見たりしただけで判断する愚かさを改めて知った。

自分が理解できないものや知らないものを、
偏見によって劣悪であるとか、不快であるなどネガティブな言葉で処理した途端、
成長や学びの機会は消え、結局は自分の生命力の枯渇を招く。
初見や異質なものに対する礼節と感動は忘れたくない。



EUユース管弦楽団の演奏もすばらしく、
続く、チャイコフスキーのシンフォニー6番も驚くほどバランスが取れた演奏で

ほんとうにもう、音楽家になりたかったと激しく後悔したここ数日数週間であった。

最後の若きミュージシャンたちのフラッシュ・モブがさらに羨ましく、
彼らが輝きすぎて「うらやまし死に」しそうだったの...(笑)
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