*文章は試乗当時のものです。
◎概要:
当時の同期の愛車。当初、彼は年代物のフェスティバに乗っていました。とてもいい車で、居住性も高く、私も好きな車ですが、いかんせん古さは隠せず、普通にコーナーを曲がる時でもはでにタイヤを鳴らす天然Fドリマシンでした。さすがに氏も旧MR2にでも買い換えようとこつこつお金を貯めていたようです。ところが、いったいどうやって貯めたのか分かりませんが、貯金額は日に日に増え、それに伴い購入対象も旧MR2から新型MR2へ、さらに”ミッドシップでスキーに行くのは自殺行為に近い”と気づいた氏は、四駆のインプレッサへと購入対象をかえました。275馬力でドリフトを企む私は、インプレッサならSTiがいい、と魔の世界へとささやきかけますが、”275馬力もいらない”と私の誘いを断ちきり、さらには”240馬力もいらない。レガシーのセダンで充分”と、まるで常識人のような事まで言うようになりました。もちろん、まだまだ氏には、はじけて欲しいと願う私はインプレッサ購入へ向け、悪魔の誘いをささやき続けましたが、そんな彼が280馬力の新型インプレッサを購入しようとは誰が予測できたでしょうか・・
◎走り:★★★★★
2リッターにして280馬力をたたき出し、1260kgの軽いボディを四輪駆動で加速するこの車は、間違いなく国産最強クラスの1台です。数々のラリーシーンで優勝を飾り、舗装路、ダート、スノー等ステージを選ばず、常に矢のごときスピードでドライバー及び同乗者を目的地へと運ぶこのマシンはまさにゲレンデエキスプレスと呼ぶにふさわしい車です。この車と対等に戦えるのは、インプレッサと同じコンセプトでつくられながらも外見にえげつなさがにじみでている三菱ランエボくらいしかないでしょう。中身のえげつなさはインプレッサも五分だと思いますが。
◎居住性:★★★★
スポーツカーどころか、その辺のチューンドマシンよりはるかに高性能なこのマシンは、しかし同時に4ドアセダンとして4人がちゃんと座れる居住性をも兼ねそろえています。ルックス的にもランエボと違い、比較的普通のセダンの形をしているので、車にそれほど詳しくない人が見れば、ドコモの営業車と同じ車にのった常識人に見られるところがポイントで、実家に帰っても隣近所のひんしゅくをかうこともなく、安心して帰省できるというものです。もっとも、少し近くでみれば、そのボコボコとボンネットに空いたエアスクープや、暴走族のようなエンジン音から、このマシンがカタギの人間の乗るマシンではないことがすぐに分かります。羊の皮をかぶった狼、でも牙と爪が少々はみ出してるようなたたずまいが、氏にピッタリである、と個人的には強く思う次第です。
◎まとめ:★★★★★
いろいろと書いてきましたが、インプレッサが優れたマシンであることは誰もが認めるところであり、氏も非常に満足し、大切にしているようです。本当ならインプレッサの唯一の弱点である燃費の悪さに氏が苦しむはずで、私もそんな氏の姿を心待ちにしていたのですが、残念ながら氏のマシンは燃費もとてもよいということで弱点がなくなってしまい、さみしい今日この頃です。そんな幸せな氏の唯一の悩みは、16インチの大径ホイールのため、スタッドレスタイヤがとても高価なことだそうで、チェーンにしようか15インチにしようか迷っていることだそうですが、冬のスキー場をサインツのように四輪ドリフトで駆け抜ける氏の姿を心待ちにしている私個人としては、ぜひ16インチスタッドレスにしてもらいたいと思う次第です。
しかも、一時期氏のクルマは、心ない人により盗難されましたが、2週間後に無傷で発見!という奇跡の生還を果たし、氏の愛情もよりいっそう深まったことでしょう。
ハイパーレブ Vol.222スバル・インプレッサ/WRX No.13 (NEWS mook ハイパーレブ 車種別チューニング&ドレスアップ徹底) | |
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