昔の日本の幼児は8時前後には就寝して11時間前後の睡眠時間がありました。 今は3歳未満児で10時以降に就寝する子は43%、睡眠時間9時間の子は47%で8時間以下の子が17%です!(2003年 福岡市主任保育士会)。
この弊害として 朝、気持ち良く起きれずに朝食抜き かつ排便せずに登園。 だから不機嫌に登園して先生や友達にむかつきます。 起床からわずか1時間以内に登園するのは10時以降寝ている子の70%にもなります。
そして、幼児期の睡眠のあり方は小・中学生期にも強く影響します。 今、小学6年生で就寝時刻が11時以降なのは51%です(北九州市教育委員会)。 睡眠時間は6~7時間が48%で、授業中眠くなることが 『よく』 『時々』 ある小学6年生は71%です。
学校に行きたくないと感じたことのある小学6年生は82%で、その理由に 「体の疲れや睡眠不足」 を挙げた子は57%になります。 毎日の生活が 「とても楽しい」 という子は、9時台に寝ている子で45%、11時台では29%しかありません。 睡眠時間と学力の関係。小学5年生の算数で、高いのは8~9時間:74点・9~10時間:74点、低いのは5~6時間:65点・5時間以下:53点です。(広島県教育委員会)
もちろん、就寝時間は心の健康にも大きく影響します。 9時半までに就寝する子(A)と11時以降に就寝する子(B)とを比較します。 いつもイライラやむかつきがある:A=29% B=44% 何もしたくないと思うことがいつもある:A=23% B=39%
遅寝や短い睡眠時間の原因 は何でしょう? ⅰ)親の体験不足で睡眠の大切さを理解してない、又、理解していてもどうすれば良いかわからない。 ⅱ)親自身がそう育ったので、そういうものだと思っている。 ⅲ)親の生活に時間的ゆとりがない。 ⅳ)親の夜型生活の悪影響。 ⅴ)活動的な遊びの欠損と過度のテレビ視聴 ・・・
遅寝や短睡眠の習慣を直す には生活リズムを立て直さなければなりません。 そのためには、親としてどうすべきでしょうか? ⅰ)早寝早起きの大切さを親が理解して、忍耐強く習慣化を図る。 ⅱ)テレビ視聴をコントロールして寝る時間になれば子どもが多少ぐずっても寝せるようにする。 ⅲ)寝る前に絵本を読んであげたりお話をしてあげる。 ⅳ)家庭でも遊びを奨励し仲間や異年齢の子ども達と外で活動的に遊ばせる。遊ぶ時間を確保するために幼児期のお稽古ごとは少し控える。休日は遠出するよりも近くの公園などで友達と活動的な遊びをさせる。 ⅴ)朝ご飯は、ゆとりを持ってしっかり食べさせる。
どうでしょうか? しつけは、決して言葉で言って直ぐにできるものではないようです。 親自身の夜型生活を見直して子どもとしっかり向き合うことが大切 なようですね。