マンション管理士日記

地域を守る:マンションと地域の融合

民生委員の現場から

2006年02月14日 | 民生委員

先週の民生委員地区会議に行政が出席しました。 4月からの介護保険関連の変更点について説明を受けました。 介護保険の適用者の増加対策として、市町村を主体とした総合的な介護予防システムで高齢者の自立支援を目指す、という要旨でした。 その場での民生委員からの意見や質問から。

適用者が増えている背景には、介護保険を 『使わせたい』 ケアマネの存在がある。 真面目なケアマネさんが居る一方で、非常識で悪質なケアマネが存在する。 例:① ある病院の診断では要介護認定が受け難いような場合、別の 『甘い』 病院に連れて行って再診断を受けさせる。 例:② 被介護者が 「家事介護は必要ない」 と言っても出来る限り多くプランに入れる。 その被介護者は認知症になった。 例:③ 現場にあまり顔を出さないケアマネが、被介護者から 「介護プランを止める」 と言われると飛んで来る。 そして、 「今止めるともう受けられない。損をしますよ」 と言って説得する。

こんなのは一例に過ぎません。 もっと多くの辛辣な事例が報告されました。 ただ、前述したように、真面目に一所懸命取り組んでいる多くのケアマネさんを私達は知っています。 この意見は、悪質なケアマネの排除を望む、という強い要望なのです。

しかし、本当に大切なことは

弱者が切り捨てられるのではないか?ということです。 本当に実態が分かった制度改革なのかどうか、が疑問です。 地域で高齢者の見守りと支援を続ける民生委員として、現場に即した改革という実感が湧きません。

情報開示と事業者規制見直し、ケアマネの資質向上そして人材育成(介護福祉士)で改革が出来るのか? これまで真面目に介護に取り組んできた多くの関係者にとって、徒に規制が強化されるだけではないのか? 規制の強化によって手間が増えます。

それは少人数で事業に取り組んでいる人達により多くの負担を強いる手間です。 介護事業からの撤退が心配です。 また、地域包括支援センター(仮称)に権限が集中すると、現場から距離が心配です。 声の大きい者に有利になって、我慢して頑張っている多くの高齢者の声が届くのか、と不安です。

私たち民生委員は特別な資格や研修を受けている訳ではありません。 ただ、無給で地域住民の安全と安心のために活動しているだけです。 その立場から、今日は言わせて頂きました。