研修会の研究発表会場(都久志会館)は、福岡ガーデンパレスと隣接しています。 ここには、とっても思い出があります。
何故なら、そこは私が初めて結婚披露宴の司会をした会場だったのです。 会社の先輩が結婚したときでした。
それまでも、色々な司会をしてきました。 でも、披露宴となれば、「これは違うぞ」 と感じましたね。 遠方から両家の親族が来て、多く招待客が居て… やり直しは出来ないぞ、と。
さすがに、当日は緊張するだろうと覚悟して、「よし、緊張を楽しもう!」 と思っていました。 ところが。 全く緊張してきません。 「これはいかん。 いつも会社で、「緊張感が足りん」 と叱責されている状態と変わりがないがな。 もう少し緊張せんといかんなぁ。」
しかし、無理に緊張も出来ません。 順調に披露宴は進みます。 ところが。 ここで事件は起きました! 私が、終生忘れられない時間を迎えます。
お色直しをした新婦は、父親と一緒に入場してきます。 会場の途中まで迎えにくる新郎にバトンタッチする、という演出です。 私の手元には、新婦から預かっている 『ありがとう お父さん』 という手紙が。 もちろん事前に読んでいます。 一読だけですが。 きれいな字です。 読めないような難しい漢字も使っていません。 私のポケットに入っています。 OK! いつでも入場して! しっかり代読しまっせ!
そして。 その時間を迎えました。 「お待たせいたしました! 新婦がお父様と手を繋いでの、ご入場です!」 会場は暗転。 入口にスポットライト。 美しい新婦が父親と共に一礼して入場。 真っ暗な中を進む二人を、照明が追います。
さあ、手紙や。 真っ暗な中を二人だけが浮かび上がって、演出はバッチリ。 あとは、司会の朗読。 まかしときない! 真っ暗な中を… なんや! 俺の手元まで真っ暗やんけ! これやと、何にも読めんがな!
あいにく、近くには式場スタッフも見当たりません。 二人は進みます。 抑えめのBGM。 美しい花嫁。 静かな、静かな時間が流れています。
静かなのは、俺が黙っとるからやんか! 何か話さんと、どうにもならんがな!
それから。 私は、その場で創作した 『ありがとう お父さん』 を話していました。 一読しただけの手紙は、内容など覚えておりません。 数十秒間、いったい何を話したことやら。 話をしながら、私がひたすら自分に言い聞かせた言葉。 それは、「どうせ、誰も聞いとりゃせん」
長い長い時間でした……
すっかりトラウマになった私は、それ以降に司会するときには、暗転場面が無いときでも 「手元の照明はあるの?スイッチはどれ?」 と確認する癖が付いたのでした。 もちろん、当日のビデオは見ておりません。 あの場面を自分で見る勇気など、まったく持ちあわせておりませんから。
都久志会館の壇上に座って、そんな昔話を思い出しました。
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