10月22日(水)、今日は県民会議が、辺野古新基地建設のためのキャンプ・シュワブ既設建物解体工事のアスベスト問題で県への要請行動を行った。県議会から、嘉陽宗義、西銘純恵、玉城ノブ子、仲宗根悟の各議員が参加された。
・QABニュース「アスベスト問題で県に要請書」(2014.10.22)
(沖縄県との交渉)
まず、沖縄県知事への要請書を掲載する。
***********
沖縄県知事仲井眞弘多様 基地の県内移設に反対する県民会議
キャンプ・シュワブ内既設建物解体工事のアスベスト問題についての要請書
防衛局は現在、辺野古新基地建設工事の一環としてキャンプ・シュワブ内の既設建物解体工事をすすめている。ところが、これらの解体予定の建物にはいずれもアスベストが使用されており、その除去方法が大きな問題となっている。
防衛局は本年7月1日、解体工事に着手したが大気汚染防止法に基づく特定粉塵排出等作業届出書はやっと8月29日に県に提出された。そして、10月1日に県、名護市、労働基準監督署等が現地に立ち入り最初の建物のアスベスト(非飛散性)除去作業が行われた。
今後、10月末にはいよいよ飛散性アスベストの除去作業が始まる。その後も、来年3月31日までに計15棟の建物が解体される予定だが、これらの建物には全てアスベストが使用されている。
米軍基地内のアスベスト問題は、従来から深刻な社会問題となってきた。解体工事に従事する作業員やその家族だけではなく、周辺住民の命と健康を守るためにも、知事は、法に基づいた厳格な対応が必要である。
我々は、本年7月24日、知事に対してシュワブ内既設建物解体工事のアスベスト問題について要請を行ったが、その後の状況をふまえ、再度、下記のとおり要請する。
記
1.今回の建物に使用されているアスベストの実態について、県は防衛局が提出した資料の内容をどのような方法で審査しているのか。防衛局の説明をそのまま鵜呑みにするのではなく、県として、または第3者機関の協力を得て、独自にその内容を審査すること。
2.アスベストの除去作業が完全に行われたかどうかをどのようにして確認するのか。取り残しがあるまま建物が解体されるとアスベストが飛散し深刻な事態となる。県または第3者機関が確認するまで防衛局による建物の解体を認めないこと。
3.アスベスト問題に長年取り組んできた民間の調査団体・「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」が、今回、防衛局が提出した特定粉塵排出等作業届出書を検討し、問題点をまとめた「意見書」(別紙)を提出した。県としてその内容に文書で回答すること
******
対応した環境保全課課長の回答は煮え切らないものだったので交渉団からの追求が続いた。特に我々が強く要請したのは、上記要請事項の2、「アスベストに関する県の完了検査が終わるまで建物の解体を認めるな」という点だ。今まで県は、「防衛局はアスベストの処理が終わった建物から順次建物の解体に入っていく」と説明していた。しかし、これではアスベストの処理がきちんと行われたかどうかの確認ができない。そのため、「県として完了検査を行い、処理に問題がないことを確認するまでは建物の解体を認めるな」と追求したのだ。
最終的に課長は、「我々としても確認作業はやっていく。それまでは建物の解体に入らないよう防衛局を指導していく。」と確認した。
防衛局は、既設建物を解体した跡地は作業ヤードとして整備し、埋立のためのコンクリートブロックの作成・保管等の用地として使われる。そのため、埋立を急ぐ防衛局は、建物解体を早く進めたいとあせっている。今後、年内に15棟の建物が解体されるが、アスベストの杜撰な処理を許さず、県がきちんと対応していくよう監視を続けていきたい。
(解体予定の米軍兵舎。もう内部はがらんどうになっている。10月18日撮影)
県への要請行動を終え、大急ぎで那覇葬祭会館へ。なんとか、「なずき丸」船長・染谷さんの告別式に間に合った。祭壇の彼の笑顔が悲しい。