チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

シュワブ基地旧米軍兵舎の解体が進む---アスベストは? そして大量のコンクリート殻は?

2015年04月23日 | 沖縄日記・辺野古

  辺野古では、海上ボーリング調査とともに、陸上の滑走路予定地部分に建っている旧米軍兵舎の解体工事が急ピッチで進んでいる。昨年度中に15棟の建物の解体が予定されていたが、アスベスト問題等で工事は遅れ、現在も解体作業が続いている。

 下の写真は、先日(4月21日)シュワブの沖合から撮影した現場の様子だ。何台ものユンボが動き、大量の水をかけながら、コンクリートの解体が進んでいる。すでにほとんどの建物は解体され、後は、タワーのような建物と4階建の大きな兵舎が残っているだけだ。

             (急ピッチで進む旧米軍兵舎の解体作業(4月21日))

 現在、下の写真で赤線で囲んだ建物が解体されている。シュワブ(H25)解体工事(その1)、シュワブ(H25)解体工事(その2)、シュワブ(H26)解体工事(その1)、シュワブ(H26)解体工事(その2)、シュワブ(H26)解体工事(その3)の5つの解体工事だ。

 これらの解体工事には、アスベストとコンクリート殻の処分という大きな問題がある。以下、その点を説明する。

1.アスベスト問題について

 私は、防衛局への公文書公開請求でこれらの5本の解体工事の設計図面等を入手したが、そこには全ての建物にアスベストが使われていると記載されていた。昨年7月、防衛局は「シュワブ(H25)解体工事(その1)」を着工したのだが、飛散性の危険なアスベストが使われていたにもかかわらず、リサイクル推進法に基づく県への提出書類にはアスベストの存在を隠した虚偽記載をし、大気汚染防止法にもとづく手続もせずに解体工事に着手した。我々がすぐに県に抗議したこともあって、作業は長い期間、ストップしてしまった。

 防衛局は、残りの14棟の建物には飛散性のアスベストは使われておらず、全て非飛散性なので大気汚染防止法に基づく手続は必要ないと主張している。現状では、県がそれをチェックすることは出来ず、防衛局の言い分を鵜呑みにしたまま、作業が進められている。県が立入調査を行い、本当に飛散性のアスベストはないかどうかをチェックする必要があるが、県にはその体勢がない。

2.解体された大量のコンクリート殻の処分について---海には投入されないか?

 現在、辺野古の近くの解体現場のすぐ横には、こんもりとした山ができている。外部からこれだけ大量に持ち込まれた様子はないから、おそらくは旧米軍兵舎の解体工事で発生したコンクリート殻ではないかと思われる。解体工事の設計書では、現場にはコンクリート破砕機が設置され、解体と同時にコンクリートを細かく破砕 するとされている。

   (解体現場のすぐ横の破砕されたコンクリート殻と思われる山(4月21日))

 防衛局が沖縄県に提出したリサイクル推進法に基づく届出書では、これらの解体工事で発生するコンクリート殻の量は次のとおりとされている。  

 

 発生するコンクリート殻

(H25)解体工事(その1)

     7,900トン

(H25)解体工事(その2)

     2,435トン

(H26)解体工事(その1)

          5,000トン

(H26)解体工事(その2)

      未入手

(H26)解体工事(その3)

      未入手

 すなわち、旧米軍兵舎の解体工事により、判明しているだけでも約15,000トンものコンクリート殻が発生する。しかし、防衛局が県に提出したリサイクル推進法に基づく届出書では、「コンクリートは再生砕石として現場で使用する。」として「外部への搬出はない」とされている。

 旧米軍兵舎が解体された跡地には、「陸上仮設ヤード」(1工区、2工区)の整備が予定されている(業者とは契約済)。その工事の特記仕様書では、整備予定地のうち約3,200㎡について「再生砕石」を厚さ20cmに敷き詰めるという(残りは購入材)。しかしそれに必要なコンクリート殻は約640㎥、約1,500トンで、解体工事で発生するコンクリート殻の10分の1でしかない。それ以外に再生砕石の使用箇所はない。

 残りの13,500トンのコンクリート殻を外部に持ち出さないとすれば、結局、これらのコンクリート殻は海に投入されることは明らかだ。

 3月4日の琉球新報には下の写真が掲載された。防衛局は、大浦湾に長さ300m、最大幅25m、必要石材料は大型ダンプで5000台以上という「仮設岸壁」を造成するとしているが、そのための資材はもうシュワブ基地内に積まれているというのだ。

 この琉球新報の写真で気になるのは、網の中に入っているのは、「砕石」ではなく、「コンクリート殻」のように見える点だ。

 県は、アスベストの問題、そしてコンクリート殻や廃棄物の処分について、ただちに現場に入り調査をするべきである。

 

 

   (これは破砕されたコンクリート殻ではないか?)

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