チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

<8月21日の防衛省交渉の報告 その②>一昨年に実施したオキナワハマサンゴの移植は失敗だった! --- 環境監視等委員会の浮かれた議論は理解できない

2020年08月28日 | 沖縄日記・辺野古

 沖縄のコロナ禍が収まらず、緊急事態宣言が9月5日まで再々延期された。そのため、防衛局が提出した辺野古・設計変更申請の告示・縦覧もそれ以後となる。官報発行日は毎週、火・金なので、告示縦覧は9月8日(火)の可能性が高い。この期間を利用して、さらに内容の問題点検討を続けたい。

 8月21日の日本自然保護協会の防衛省交渉の争点の一つは、防衛局が一昨年、実施した絶滅危惧種のオキナワハマサンゴの移植結果をどう評価するかという問題だった。

 防衛局は一昨年7月末から8月初めにかけて9群体のオキナワハマサンゴを移植した。移植から1年10ケ月後の調査では、死亡・消失が3群体、残り6群体中3群体は縮小し、全体的に白化が進んでいるという。さらに、移植先に元々生息していたオキナワハマサンゴは、12群体中4群体で死亡が確認され、白化も進んでいる。

 この結果をもとに、私たちは移植は失敗だったと追及した。しかし防衛省は、「環境監視等委員会で、移植は成功していると評価していただいている」、「十分に定着し、移植は成功している」と繰り返した。

 公表された環境監視等委員会の議事録を見ると、オキナワハマサンゴの幼生放出が確認されたことを評価している。

             (2020.7.28  第27回環境監視等委員会資料より)

 さらに環境監視等委員会では、次のような発言が繰り返されている。「幼体と思われるものが見つかったとのことですが、これは画期的なことです。幼生放出をもって有性生殖による再生産が確認されたとを評価してきたのですが、それが着生までして、幼体が出芽しているように見えます。これは無性生殖による増殖が始まっているということで、次の世代が成長を始めていると思われる画期的な結果です」、「移植の評価の上でも、学術的に非常に貴重な知見です。是非、学術的に公表されることを期待しています」

 しかしこの環境監視等委員会の恥ずかしいような議論は、全く理解できない。なるほど上の表でも199個体の幼生放出が確認されている。しかし9群体のうち、No19の群体が136個体も放出し、残りのものはあわせても60個体でしかない。しかも、これらの幼生放出はほとんどが昨年、確認されたもので、今年の幼生放出数は11個体にとどまっている。

 そもそも、9群体のうち3群体が死亡・消失し、3群体が縮小、全体に白化が進んでいるというのに、何故、「成功」と言えるのか? 特に、絶滅危惧種のサンゴ類であるから、1群体でも死亡すれば移植は失敗と評価するべきであろう。

 今回の辺野古新基地建設事業では78,460群体ものサンゴ類の移植が必要とされている。これでは、移植しても1~2年のうちに数万群体のサンゴ類が死んでしまうこととなる。

 この点についても、防衛局の設計変更申請の環境保全図書対する意見書をまとめたい。

 

 

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