今回の辺野古・変更申請書の内容に関して、Aさんから問い合わせをいただいた。送られてきた資料を見て驚いた。米海軍の強襲揚陸艦・ボノムリシャール(全長:257m)が着岸すると言われていた大浦湾の係留機能付護岸の長さが30mも短かい241.6mになっているのだ。これでは強襲揚陸艦の着岸に支障が出る。この変更はいったい何だろうか?
そもそもこの係留機能付護岸は環境影響評価の補正評価書までは全長約200mとされていた。それが、2013年3月に県に提出された埋立承認願書では突然、271.8mに延長された。当時、強襲揚陸艦の着岸を想定したもので、辺野古新基地に軍港機能を強化するとして大きな問題となった。
下の図は、当初の埋立承認願書にあった係船機能付護岸の平面図である。防衛局は、183.5mの船舶が着岸するとして、延長は271.8mになると説明。そして、「故障したヘリの運搬で一時的に使用する。恒常的に兵員や資材を扱う軍港機能ではない」と機能強化の指摘に反論していた。
しかし、係船機能付護岸に隣接して造成される「斜路」は、強襲揚陸艦に積まれているエアクッション型揚陸艇LCACの上陸場所だと言われている(今回、斜路も「米軍の要請により」変更される)。防衛局は、「小型舟艇の引き揚げや水陸両用車両の出入りを想定し、LCACの使用は念頭にない」というが(2014.6.17 沖縄タイムス)、運用開始後、なし崩し的に変更されることは明らかだ(そもそも、現在、辺野古側で行われている水陸両用車両の訓練では、沈没や油漏れ等の事故が相次いでいる。環境影響評価では、工事よる環境への影響が一応されているが、運用開始後のこうした事故や、水陸両用車の航行によるジュゴン等への影響については全く検討されていない)。
沖縄県は変更申請書の審査にあたって、「係船機能付護岸を241.6mとした理由。どのような船舶を想定したものか? また、斜路の具体的な利用法」などを細かく審査しなければならない。
上がボノムリシャール、下はLCAC(2013.12.21 琉球新報)