菅官房長官は、翁長知事の訪米直前(5月26日)、「知事が埋立承認を取り消した場合も工事を進めていく考えに変わりはない。」と述べた。もういつもの「日本は法治国家ですから」という白々しいセリフも投げ捨て、露骨に沖縄県民への対決姿勢を鮮明にしている。
この菅官房長官の発言は、知事が5月25日に「第3者委員会が承認取消しを提言すれば、承認を取り消す」と述べたことへの反論のようだが、翁長知事はその際、「移設阻止に向けた知事権限は10ある。辺野古移設はできない」とも言明している。
以下、今後の移設阻止に向けた知事権限にはどのようなものがあるかを検討する。偶然、知事が述べたようにちょうど10の知事権限がすぐに思いついた。知事が検討中のものが他にあるかもしれないし、私が指摘した10の中には、あるいは知事がまだ検討していない項目があるかもしれない。このブログは、県の担当者らも多く見ているようなので、是非、参考にしてほしい。知事がこれらの権限を駆使すれば、防衛局の埋立工事は不可能となる。
(海上ボーリング調査を終えても、防衛局はその先の埋立事業に入ることができない。(5月29日撮影))
移設阻止に向けた10項目の知事権限は次のとおりだ。
① 7月の第3者委員会の提言を受け、「埋立承認」そのものを取消す。
② 許可区域外へのコンクリートブロック投下を問題として、埋立本体部分の「岩礁破砕許可」を取消す。
③ 「仮設岸壁」造成は事前に設計概要変更申請を提出させる。
④ 大浦湾に張り巡らせたフロート、オイルフェンスの撤去を指示する。
⑤ 仲井真前知事が承認した「工事用仮設道路」の設計概要変更承認を取消す。
⑥ 取り下げられたままの「美謝川の切り替え」、「土砂運搬方法の変更」の設計概要変更が再申請されても不承認とする。
⑦ 工事の実施設計についての協議(埋立承認の際の「留意事項」)に毅然と対応する。
⑧ 実施設計に基づく環境保全対策についての協議(埋立承認の際の「留意事項」)に毅然と対応する。
⑨ 埋立承認書の添付図書のうち、「埋立に用いる土砂等の採取場所及び採取量」、「埋立地の用途、利用計画」、「環境保全に関する措置」を変更する場合の知事の承認(埋立承認の際の「留意事項」)に応じない。
⑩ 6月県議会で制定予定の県外からの土砂の搬入を制限する「土砂条例」にともなう知事権限(詳細未定)を行使する。