4月5日(金)午前、普天間基地野蒿ゲート前で、基地から出てきた米兵車両が一旦停止を怠り、国道を直進してきた車両と衝突事故を起こしたという。(普天間爆音訴訟団のブログ参照)
ゲート前では、朝から夕刻まで出入りする米兵車両に対する抗議行動が行われているが、この事故は、抗議グループが休憩に入り、ゲート前には警察官以外誰もいない時に発生した。
先日、沖縄海兵隊の週刊新聞で、ゲート前での抗議行動により、基地の出入りが危険な状態になっているという記事が掲載されたことを紹介した。その記事によると、4軍調整官が沖縄県警とこの問題を話し合ったという。しかし、今回の事故は、抗議行動により出入りが危険な状態になっているのではなく、逆に、ゲート前に誰もいないと、米兵車両は一旦停止もせず、危険な走行を続けていることを明らかにした。
抗議グループが休憩に入り、ゲート前には誰もいない時で本当に良かった。もし、これが抗議グループがいる時の事故なら、とんでもないいいがかりをつけられ、弾圧が始まっただろう。
米兵車両にぶつけられた車は、女性の運転だったという。現場では、大勢の警察官や機動隊員がその事故を目撃していたはずだが、きちんと事故対応にあたっただろうか。
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Okinawa Outreachさんに、先日の海兵隊の新聞を翻訳していただいた。以下、掲載する。
OKINAWA MARINE (沖縄海兵隊の週刊英字新聞) 2013.3.29 号
「少人数の抗議者がゲートを危険な状態に」
中尉ジェーンスコット・ドッド(Okinawa marine スタッフ)
抗議者の小グループが普天間飛行場とキャンプ・ゴンサルヴェスのジャングル戦闘訓練センター[北部訓練場の正式名称]において交通妨害をしてアクセスを妨げ続けており、その結果、この2ヵ所とも危険な状態に陥らせている。
ジャングル戦闘訓練センターの抗議活動家たちは、米軍により一括して行われるには最大となる日本政府への土地返還を滞らせており、日本政府への北部訓練場の1万エーカー近くの土地返還に必要とされる新たな着陸帯の建設を妨害している。土地返還は、当初2008年に実現される予定であったが、建設現場への業者のアクセスを制限する少数の抗議者のために遅れたままである。
米海兵隊太平洋基地G-3/5作戦、訓練・計画、任務保証ディレクター、ティム・モレロによると、主な懸念は、海兵隊、民間人、契約雇用人やその家族が基地に入る時や基地にいる時の安全であり、抗議者自身の安全でもあるとのことである。
「最大の問題は普天間のゲート3です」とモレロ氏は語った。「数はあまり多くはないのですが、少人数の抗議者が[普天間]飛行場に車が出入りする横にある入り口の車線と歩道に、頻繁に詰めかけ、運転手の公道への視界をさえぎり、危険な状況で、運転手がみえないまま道路に合流することがよくあります。」
モレロ氏によれば、抗議者はまた、時折、車両を叩いたり、車両に物を投げる、通行車両の前に横たわる、運転手に向かって直接メガフォンで侮辱の言葉を叫ぶ、最近では海兵隊の民間雇用員に暴行するということをし、それらは全て地元警察の目の前で行われたということである。
「このような行為は危険な状態を生じさせています。」とモレロ氏は語った。「宜野湾警察署は、特に攻撃的で車に接近してきた何人かを抑制しました。その中には子どもが乗っている車もありました。しかし、私たちは、危険を生じさせる抗議者を立ち退かせるために地元と県の警察との協力が必要なのです。」
この問題は、沖縄の海兵隊当局の関心事となっており、当局は、沖縄県警と協力し、解決策を探り、基地や飛行場に入る人々や居住する人々の安全を確保するためのあらゆる努力をしている。
「私は、これらのゲートを使っている軍人とその家族、また日本人の雇用員や請負業者の安全についての懸念を話し合うために、重要な沖縄県警のリーダーと先日会ったところです。」第三海兵遠征軍司令官及び在沖米四軍調整官ケネス J. グラックJr. 中将は語った。「安全で妨害されない基地へのアクセスが、海兵隊が安全に首尾よく業務を遂行することができることを確かなものにするのには重要なのです。」
米海兵隊太平洋基地副司令官ジョナサン. D. コヴィントン大佐によれば、海兵隊は、抗議者の行動が、深刻な事故が起きる、あるいは日本の市民や、軍人や民間職員や彼らの家族に怪我させる前に、このゲートで起きている問題の安全な解決策を見つけることに尽力しているということである。
「我々は、基地に居住する、基地に入る誰もが、安全に仕事を行うことができるように、一貫した効果的な日本の法律の執行を求めています。」とコヴィントン氏は語る。「北部訓練場の抗議者の行為は、逆効果であり、何年も日本政府への土地返還を遅らせてきました。それに加えて、抗議者が訓練場に出入りする人々に嫌がらせをする(harass)ので、危険な状態をゲートに生じさせているのです。」
抗議者の危険な行為がある一方で、他の市民グループは[米軍に]協力的であり、抗議者が残していったゴミを自発的に片付けてくれることまでしてくれる。
「抗議者の危険で違法な可能性もある活動を懸念している、平和的で、法を守り、市民の精神を持つ居住者がいるのを、我々は知っています。」と米海兵隊太平洋基地洋基地政務外交部(G-7)次長ウイリアム・トルアックスは語った。
グラック氏と他のキーとなる海兵隊のリーダーは、地元警察や当局と、目指すものを一つとして、協力していくことになるだろう。
「それは、この島の全ての人の安全に関することです。」とグラック氏は語った。
「私たちは抗議者や表現の自由を行使する人々の権利を尊重します。しかし、我々軍人とその家族は嫌がらせをされることや危険な状態に置かれることなく、基地に出入りする権利があるのです。私たちは、日本の警察に対し、仕事をし、地元の交通法を適用し、安全を確保するように求めています。」
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2012年11月5日、抗議者が普天間飛行場に入ろうとする運転手に嫌がらせをしているところ。沖縄の海兵隊当局は地元の警察や政府当局と協力し、基地に出入りする海兵隊やその家族、日本人雇用者の安全を確保するため、あらゆる努力をしている。
写真: Lance Cpl. Andrew M. Kuppers
(翻訳:Okinawa Outreach)