(識名トンネル)
識名トンネル不正問題に関して、県議会に設置された百条委員会が、23日(水)、24日(木)と続いて開かれた。
23日は、虚偽契約当時、県の土木建築部長だった漢那氏(現石垣市副市長)、大成建設の西田氏、そして24日は、大成建設の津中氏の証人尋問が行われた。
漢那元土木建築部長の証言は、ひどいものだった。大成建設が工事費の増額要求を行い、県との協議が続いた結果、10億3900万円ということで合意した。そして、その支払い方法として、すでに終了した工事を抜き出して別件の随意契約とすることなどの違法な方法がとられた。
当時の当間課長は、この10億3900万円について、部長に相談したと証言したのだが、漢那元部長は、「記憶にない」と否定。委員らから、「県として組織決定もなしに大成と合意したのか?」と追及され、しどろもどろになってしまった。委員長から、「否定されるのなら、当間さんと2人で並んで証言を求めることになりますよ」と叱責される始末だった。
また、設計変更の場合、当初の請負率を掛けることになっているのに、大成建設がそれにかたくなに抵抗し続けたことが虚偽契約という不正行為の原因となっている。県は、「工法変更の検討に入ると伝えた際、大成も、請負率を乗じることに合意していた」と主張し、大成はそれを否定していた。しかし、24日の証人尋問で、大成建設の津中氏は、その時、「私から工法変更になれば請負率を掛けるのですかと聞いたら、県の担当者は、掛けるという話だった。」というやりとりがあったことを初めて認めた。大成は、それにもかかわらず、「当初、請負率を掛けることに同意していない。」と主張し続けているのだが、これはもう通用しない。この点についても、委員から、「県と大成の双方の主張が全く違っている。どちらかが偽証だということになりますよ。」と追及された。
24日で、当初予定されていた7人の証人尋問は終わった。今後、どうするかという話となったが、野党側委員からは、「契約や工法変更当時の南部土木事務所長を証人として呼ぶ必要がある」と提案されたが、自民党委員らは、「その必要はない」と主張し、この日の委員会では結論がでなかった。
しかし、4日間の証人尋問で疑惑はますます深まっている。特に、工法変更の経過を調べることは不可欠だ。百条委は、さらに証人を採用し、真相解明にあたってほしいものだ。