チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

追及が続く本部塩川港へのベルトコンベア設置許可問題 --- 明日(29日・火)、許可取り消しを求めて再度の北部土木事務所交渉(質問書全文掲載)

2021年06月28日 | 辺野古/ 本部塩川港・安和桟橋

 辺野古への土砂海上搬送を加速させる本部塩川港へのベルトコンベア設置許可には、県の港湾管理条例や「審査基準」から見ても多くの問題があることが明かになった。特に、今回のベルトコンベア設置許可により、業者は年額で864万円も費用が軽減され、その分、県の損害となったことは誰が考えても納得できない。

 現在、開会中の県議会6月定例会でも、24日、山里将雄議員(てぃーだ平和ネット)が代表質問でこの問題を取り上げた。本部町島ぐるみ会議からの本件についての陳情も出されており、今後、土木環境委員会でも追及が続くだろう。

 本部町島ぐるみ会議は、コロナの緊急事態宣言中という困難はあったが、この間、北部土木事務所や本庁土建部との交渉を続けてきた。6月に入っても、15日、24日と交渉を行ったが、ますます多くの問題が明かになり、明日(29日・火)に再度の交渉を行うこととなった。

 緊急事態宣言中のため、参加者は10名に限られているので、本部町島ぐるみ会議以外はほとんど参加できないが、終了後、速やかに詳細を報告したい。

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北部土木事務所長様       2021年6月28日       

  本部塩川港でのベルトコンベア設置許可問題に関する再質問                                                                                                                                      本部町島ぐるみ会議 

 6月24日の意見交換の際、次回に持ち越しとなった課題について、下記のとおり質問する。 

                                                                 記

1.特定の業者による長期間の広大な港湾用地占用について

1-1. 我々は、「今回の許可により、県管理の港湾の広大な敷地が、長期間にわたって特定の業者の独占的な使用が認められてしまった。ベルトコンベアを長期間使用しない場合でもこの敷地内に存置することを認めるのか」と疑問を投げかけてきたが、北部土木は、「申請者だけが港湾を利用できるような状態ではない。他の業者も、他のバース・荷捌地を利用できる」と回答してきた。土建部長も、現在開催中の県議会の代表質問に対して同趣旨の答弁をしている。

 しかし、現在、3ヵ所のバースが辺野古への土砂積込み専用となっており、北側の荷捌き地も辺野古のために使われている。残された中央部のF-4-12の荷捌地は、中央部に大きな段差や構造物があり、今回の事業者がタイヤ洗浄装置等の港湾施設用地使用許可を受けていることから、荷捌地としての利用はほとんどできない。

 結局、本部塩川港は現在、「他の業者も、他のバース・荷捌地を利用できる」という状況にはない。一部残ったバースがあるとしても、何故、今回の申請業者が最も使い勝手のよいバース・荷捌地を優先的に使用できるのか? これこそ、港湾法が禁止する「不平等な取扱い」ではないのか? 

 

1-2. ベルトコンベアは、5月25日から稼働したが、県はその後の稼働状況を把握しているか? この1ケ月間でベルトコンベアは何日、稼働したか?

 

1-3. 「台風接近時はベルトコンベアは背後地に移動させ、他のものもいったん場外に搬出する」というが、港湾施設用地使用許可申請書に記載させるか、許可条件に明記すべきではないか?

 

2.濁水対策について

2-1. 今回の港湾施設用地使用許可申請書では、「降雨の強度が強い場合には、作業を一時中止する」とされている。しかし先日は大雨警報の中でも作業が続けられ、大量の濁水が発生した。「濁水対策」をいうのであれば、なによりも、降雨時の作業を中止させるべきでないか?

 

2-2. 本部塩川港では、今回と同じ事業者に港湾施設用地使用許可でタイヤ洗浄装置や沈殿池を設置させている。北部土木は6月24日、「タイヤ洗浄後の汚濁水については、流出水の濁度を測定し、適切に処理するよう事業者を指導する」と答弁した。

 今回のベルトコンベア設置の許可条件には、「濁水処理水を排出する際には、浮遊物資量を測定し、記録を行うこと」とされているが、沈殿池の港湾施設用地使用許可にはその条件は付されていないのは何故か?

 

2-3. 濁水対策として周囲に設置した大型土嚢の開口部の幅は、4月分、5月分の許可申請書では8.0mとされている(2ヵ所)。

 しかし実際には、ダンプトラックの進入等のために、南側にも広い開口部が設けられており、濁水対策の意味がなくなっている。開口部が許可申請書どおりに設けられていないのは問題ではないのか?

 

3.年に864万円もの県の損害額が生じた港湾施設用地使用料の疑問
3-1. 従来の荷捌地使用許可を今回、港湾施設用地使用許可に変更したため、使用料が年額864万円も減額され、その分が県の損害となった。辺野古への土砂海上搬送は今後、数年続くことから、県の損害総額は莫大な額となる。

 土建部長は、6月24日の県議会本会議でも、「条例に基づいて使用料を算出した」と答弁した。

 しかし以前は、朝、プラフェンスを並べ、夕方、作業が終れば全て片付けていたため、週末等の作業のない日は現場には何も残されておらず、誰もが自由に行き来することができていた。今回、巨大なベルトコンベアを持ち込み、しかも作業のない日も港の広大な荷捌き地が囲われたままの状態となるにもかかわらず、占用料が年額864万円も軽減されるというのは誰が考えても納得できない。

 今回、ベルトコンベア設置が許可された4月21日以後も、ベルトコンベアを使用せずに従来どおりの積込み方式の方がはるかに多い。それにもかかわらず、使用料が12分の1にも減額されるのはおかしいのではないか?

 県は、「移動できないものだから港湾施設用地使用許可とした」というが、そうであるなら、ベルトコンベアと仮置き桝の部分だけを港湾施設用地使用許可とすべきではないのか?

 

3-2. 今回、岸壁のエプロン部分でも土嚢やプラフェンスを設置しているが、使用料を課していない。これは2019年当時の前例にも矛盾する。この点について北部土木は、「2019年は敷鉄板をエプロン部分に設置し、作業終了時も存置していた。今回は、作業終了時は土嚢等を撤去している」と説明した。

 作業終了時に撤去すれば使用料を課さないとする根拠は何か? 

 

3-3. 今回の港湾施設用地使用許可は、4月分は3096㎡、5月分は3014㎡で出されている。この許可面積の相違は何故、生じたのか? 4月分の許可面積が誤っていたのであれば、その誤りに気付かずに許可を出した責任をどうなるのか?

 許可面積の誤りは、使用料に影響する。誤った許可面積で徴収した使用料は清算したのか?

 

4.現場の破損・環境への影響等、「港湾施設使用許可に係る審査基準」との関係について

4-1. 1日に1000台もの土砂を満載したダンプトラックの走行により、港入口の臨港道路部分のコンクリート舗装が破損し、大きな窪みが何箇所もできている。この点について北部土木は6月24日、「事業者に修繕を行うよう調整している」と説明した。

 まず、このような舗装に破損が生じた原因、責任の所在を明確にすること。

 北部土木は現在の臨港道路の舗装厚、また、1日に1000台を超える大型車両の通行に対する舗装厚も確認していなかった。今回、修復させる部分の舗装厚はいくらにすべきか? また、修復の範囲をどう考えているのか?

 

4-2. 今回、港湾施設用地使用許可を出した範囲には、以前、タイヤ洗浄装置があった場所の舗装が修復されていない部分がある。北部土木は6月24日、この場所についても、「事業者に修繕を行うよう調整している」と説明した。

 しかしこの場所は、2018年、今回と同じ事業者に対してタイヤ洗浄装置の港湾施設用地使用許可を出したところである。その際の許可条件は、「許可の期間が終了した場合、直ちに自己の負担で原状に回復しなければならない」とされている。その箇所が原状回復されずに、放置されてきたのは何故か?

 今回の事業者は以前から許可を得ないまま港内にベルトコンベアを違法に放置し、県から港湾条例違反として過料金を課されている。このような違法行為を繰り返し、許可条件を遵守しない業者に、再度、港湾施設用地使用許可を出すのは問題ではないか?

 

4-3. 6月24日、北部土木は、「ベルトコンベアを移動させる際、舗装の破損を防ぐための対策を指示したところ、業者は敷鉄板を準備するとしている」と答えた。我々の指摘を受けた当然の措置だが、この敷鉄板敷設は何時から実施させるのか? また、許可申請書に明記させるべきではないか?

 

4-4. 1日に1000台ものダンプトラックの走行により、周辺の粉じん、騒音、振動等、周辺の環境はきわめて悪化している。北部土木事務所長も4月28日、「塩川港付近の粉じんの問題については、住民からも苦情が出ている。保健所とも相談して対応したい」と答え、6月24日には、「ダンプトラックの走行による環境への影響については、粉じん、騒音などの苦情がある旨を保健所と情報交換しました。今後、どのような対応ができるのか、保健所と相談していきます」と答えた。

 保健所との「相談」、「意見交換」の内容を具体的に説明されたい。

 

4-5. 6月14日、15日、事業者は豪雨の中で作業を強行したため、大量の汚濁水が発生し、バキュームカーでエプロン部分の汚濁水を処理しなければならない事態となった。そのため、岸壁部分の海が汚濁水により濁ってしまったことも確認されている。

 臨港道路の破損、粉じんや汚濁水の流出等の問題は、「港湾施設使用許可に係る審査基準」の「港湾施設等が損傷又は汚損されるおそれがないこと」、「環境を悪化させるおそれがないこと」に抵触するのではないか? 

 

5.結論

 2017年当時、北部土木は国頭村奥港から辺野古への石材搬送のための半年間の港湾使用許可を出してしまった。しかし、奥の区民や県民の強い反対に、当時の翁長知事は防衛局に対して奥港からの海上搬送を中止するよう求めた。その結果、防衛局は奥港を1回使っただけでその後は使えなくなってしまった。

 今回の県議会本会議でも、土建部長は、「特定の仕向港だからといって不許可にはできない」と答弁している。しかし、翁長知事が執った毅然とした対応を、今回は何故、出来ないのか?

 来月分以後のベルトコンベア設置の港湾施設用地使用許可を出さないよう求める。

                             (以上)

                                                       

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