今日(2月14日・金)は、本部塩川港のベルトコンベア使用許可問題と、海砂採取許可問題について、本部町島ぐるみ会議と沖縄平和市民連絡会が沖縄県土木建築部長交渉を行った(海砂問題については、後日、報告)。
本部塩川港のベルトコンベア使用許可問題について、我々は下記のように質問していた。
「知事は、昨年6月28日の安和桟橋出口部での死傷事故を受け、沖縄防衛局に対し、「事故原因が究明され、安全対策がとられるまでの間は、土砂搬出作業を中止すること」と指示した。
本部塩川港のベルトコンベアについても港湾施設用地使用許可は出され続けたが、県は「安和桟橋での死傷事故の原因究明と安全対策を行うまでは使用しないこと」という許可条件を付したため、6月以降、ベルトコンベアが使用されることはなかった。
ところが沖縄防衛局は、昨年12月17日、死傷事故の原因究明・安全対策が講じられていないにもかかわらず、本部塩川港のベルトコンベア使用を再開した。12月22日、我々の申入れに対し、土木建築部統括監は、「事業者に対して、12月19日、協議が調うまでは、ベルトコンベア使用を中止するよう申し入れた」と説明した。しかし沖縄防衛局は県の申入れを無視してベルトコンベア使用を続行した。
県の許可書には、「許可条件に違反した場合は許可を取消すことがある」と明記されている。
今回は、県が付した許可条件が無視されたのであるから、県は毅然と対応すべきであったが、驚いたことに県は、12月27日、翌月(本年1月)分のベルトコンベアの港湾施設用地使用許可を出してしまった。
我々はすぐに土木建築部長との面談を求めたが、1月27日にやっと土木建築部参事が対応し、「申請者と北部土木事務所との間で安全対策について協議を行っている。これまでと同じ条件で許可した」と回答した。
許可条件が無視されているにもかかわらず、それを黙認し、許可を出し続けるという信じ難い対応が続いている。
<1-1>
現在、許可条件で付した「安和桟橋での死傷事故の原因究明、安全対策」が講じられたと考えるか?
<1-2>
県は12月17日、ベルトコンベア使用が再開されたことに対して、事業者に「協議が調うまでは、ベルトコンベア使用を中止するよう申し入れた」が、その後、現在までに、同様の指示をしたか?
<1-3>
許可条件が無視されているにもかかわらず、従来と同じ許可条件を付して、1月分、2月分のベルトコンベアの港湾施設用地使用を許可した理由は何故か。3月以降の許可を出さないよう求める。
土木建築部長は今日、この質問に対して次のように回答した。
「事業者から本部塩川港の安全対策が示されたことから、2月分の港湾施設用地使用申請については、安和桟橋の事故に関する条件を付さずに許可しております。」
初めて聞く話だったから驚いて、「何時、安全対策が示されたのか?」と聞くと、「昨年12月26日、事業者から県北部土木事務所に本部塩川港の安全対策についての文書が提出された。その内容は、①従来の警備態勢を見直し、配置を強化する。②進路に入ろうとする人たちへの口頭での注意喚起、③接触が危惧される場合、パトランプを使って運転手に知らせるのの3点」という。
この回答に対して、参加者からは強い怒りの声があがった。
許可条件は「安和桟橋の死傷事故の原因究明と安全対策」であったが、「事故の原因究明」は全く進んでいない。「安全対策」についても、こんなあいまいな3点で済まされるはずはない。そもそも事故の原因究明なしの安全対策等、あり得ない。許可条件は全く満たされていないのだ。
また、我々は1月28日に県土木建築部と本部塩川港の問題について話し合っている。その際、県土木建築部参事は「安全対策について引き続き協議を続けている。現時点で許可条件は満たされていない。2月分の許可は未だ出していない」と回答していた(1月28日のブログ参照)。今になって、昨年12月26日に提出された事業者の安全対策を認めたというのは、1月28日の回答とは矛盾する(ベルトコンベア設置許可は月単位で出される。県の1月28日の回答どおりなら、1月31日までの3日間のうちに、安全対策についての協議が合意したことになる)。
わずか30分という交渉時間しか設定されておらず、海砂問題の議論もあるので、本部塩川港の問題をこれ以上追及する時間はなかった。「今日の回答は全く納得がいかないので撤回してください。また、あらためて話し合いたい」として、海砂問題に切替えざるを得なかった。次回、副知事との面談を求めたい。
それにしても最近の土木建築部はおかしい。
昨日、北部土木事務所は、安和桟橋出入口に県民が掲示している横断幕等に、「撤去せよ」との警告文を張り付けた。道路法43条(「交通に支障を及ぼすおそれのある行為の禁止」等に違反しているというのだが、車両乗入部を大勢の警備員がネットフェンスを広げて歩道を封鎖していることについて黙認していながら、県民には「警告」するのだから呆れる。
県土木建築部は、県民を無視し、事業促進を迫る防衛局の要請に屈してしまったと言わざるを得ない。
(17名が参加した土木建築部長交渉。比嘉みずき県議も同席された。)
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2月13日、北部土木事務所職員が来て、県民の横断幕等に撤去を求める警告文を張り付けた(Aさん提供写真)
安和桟橋入口、出口間の国道歩道部の樹木が、ダンプトラックの出入りに見通しが悪いからか、ほとんど伐採されてしまった(Nさん提供写真)。これは防風・防潮のための樹林帯ではなかったのか?
県は、安和桟橋出入口の車両乗入部にコーンも設置した。