昨日(18日・土)は、東京弁護士会人権擁護委員会沖縄部会の弁護士さん8名の安和・塩川視察に同行した。
昨年もこの時期に辺野古に案内したので、那覇からのバスでは代執行以降の事業の状況を説明。現地では土砂搬送の状況や、昨年6月28日の安和桟橋での死傷事故等について説明した。
驚いたことに、安和桟橋出入口の車両乗入部の両側には、ポールが設置されていた。昨日の朝早くに設置されたという。車両誘導用等のために道路に設置されことがある高さ80cm、径が10cm程度のポリウレタンのポール(ソフトコーン)が、片側に10本、両側で20本設置されている。
昨年6月28日の事故の後、国、業者は、「死傷事故の原因は、県民の妨害行動」だとして、抗議する市民が車両乗入部に入らないようにガードレールを設置するよう求めてきた。県は、歩行者の横断を制限するため設置できないとしていたが、ポールの設置ということで合意したようだ(業者の申請を道路法24条に基づき道路管理者の県が許可したのか、県が自ら設置したのかは現時点では不明。月曜日に北部土木事務所に確認したい)。
しかし、ポールであっても歩行者の横断の障害になる。少しよそ見をして歩いていた時など、このポールでつまずいて転倒するおそれもある。車イスの通行にも邪魔になる(車いす通行のためには、一応、「幅 80cm以上」という基準がある。今回は、ポールの内側間隔は90cm程度だが、通行が不自由になることは明らかであろう)。
こんなポールで囲った車両乗入部が他にあるだろうか?。そもそも、歩道に設置された車両乗入部は歩行者優先だから、歩行者を制限して、ダンプトラックを優先的に走らせることなど許されない。歩道の車両乗入部は各地に無数にあるが、県は、他の場所でもポール設置等を認めるのだろうか?
来週からは、このポールに沿って、また、大勢の警備員がネットフェンスを持って歩道を封鎖するのだろう。ポールの設置は、こうした国、業者の工事強行に加担し、ダンプ走行を加速させるためではないか。歩道に障害物の設置を認めた(あるいは自ら設置した)沖縄県の見解を求めたい。
(安和桟橋出口部の両側に設置されたポール。後ろは現地調査の東京弁護士会の弁護士さんら)
昼で案内を終り、グラスボートに乗るために大浦湾に向かう一行と別れ、高速バスで那覇に戻った。沖縄弁護士会主催の岡真理さん講演「ガザのジェノサイド--- パレスチナと沖縄を結ぶ歴史の地脈」に遅れて参加することができた。
岡さんのお話しにはいつも圧倒される。「ガザの人たちの、『私たちは人間ではないのですか』という問いかけは、『(ジェノサイドを黙認している)私たちは人間なのか』ということです」と、日本を含む西側諸国の責任が今、問われている。