チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

辺野古の埋立土砂が採取されている琉球セメント安和鉱山の森林法違反林地開発問題について沖縄県交渉 --- 何故、違法開発の継続を認めるのか?

2020年08月19日 | 沖縄日記・辺野古

 今日(8月19日・水)、沖縄平和市民連絡会が琉球セメント安和鉱山の森林法違反林地開発問題について沖縄県森林管理課と交渉した(この問題については8月10日のブログ等を参照されたい)。コロナ禍で県には緊急事態宣言が出されているため、参加者が3人に絞られたのは残念だったが、これ以上、遅らせるわけにはいかない。

 

 沖縄平和市民連絡会の要請書(7月27日)の各質問に対する回答は次のようなものであった(●印は県回答、〇印は平和市民連絡会)。

 県からは森林管理課長ら3名が出席した(下線部は県の冒頭読上げ回答)。

 

1.今回の違法な開発行為の規模を把握しているのか? 違法開発個所の面積、総土量を明らかにされたい。

●「違法に開発された部分の面積や総土量は、8月末までに出される申請書を待たないと分からない。

〇「あの一帯には標高306mの部間山があった。違法開発されて平坦地になってしまったが、この平坦地の標高はどれぐらいか?」

●「それは確認していません。」

〇「あの平坦地は標高200mほどだ。ピークから標高差で100mも山が削られてしまっている。対応策を検討するためにも、違法行為の規模をきちんと確認することは当然だろう。申請書が出されるまで分からないというのは問題だ。」

 

 2.今回の違法な開発行為による「災害発生のおそれがない」とする根拠を説明されたい。また、「水害のおそれ」、「環境悪化のおそれ」をどのように審査したのか明らかにされたい。特に、鉱山の開発は塩川の汚濁とは関係がないというのなら、その根拠を説明されたい。

「林地開発許可制度では主に開発後の土地利用の形態について審査する。災害発生・水害・環境悪化のおそれというのも開発後の土地利用についてだ。今回は鉱業法で認可された開発であり、開発中の災害・水害・環境悪化のおそれはないと判断した。林地開発の「環境破壊のおそれ」は、主に生活環境の問題についてであり、塩川の汚濁の問題は該当しない。

〇「今まで災害が出ていないというが、申請書が許可されるまでも違法開発の継続を認めれば、どんな採掘行為がされても問題にしないということになる。今まで災害が出ているかということと、今後、災害発生のおそれがないかということは別問題だ。」

●「今回は別法令(鉱山法)で対策がとれているということで、違法部分がこれ以上拡大しないよう指示している。」

〇「鉱山法と森林法はそれぞれ許可基準が異なる。鉱山法の許可が出されていても森林法の立場からチェックしなければならないのは当然だ。」

〇「塩川の汚濁に影響がないと何故、言えるのか? 塩川が現在、どうなっているのか知っているのか?」

●「大雨が降った時には赤土で汚れていると聞いている。そのことは県の文化財保護課にも情報提供している。文化財保護課も『分かりました』ということだった。しかし、「環境」という視点が違う。森林法の「環境」は、騒音、粉塵などの生活環境だ。天然記念物などは対象ではない。」

 

3.琉球セメント㈱に対して、違法開発部分について林地開発許可申請書を提出させるというのなら、その審査が終わって許可を出すまでの間は、違法開発部分でのこれ以上の開発行為(土砂・石材の採掘)を禁止すること。

「森林が破壊されてから年数が経過していること、災害発生のおそれが確認されていないことから中止命令は出さない。ただし、新たな森林地域での開発行為の拡大については、許可を受けるまでは行わないよう求めている。

〇「新たな区域を違法開発してはならないなど当然のことだ。違法行為を行った部分で違法行為を続けるのを中止させるのはあたり前のことだろう。

〇「今回のことは県政の基本が問われている。違法行為をしても、事後に書類を出しさえすれば何のペナルティも課せられないということになれば、県の許認可行政は崩れてしまう。」

〇「災害発生のおそれなどの4項目は、あくまでも許可の基準だ。申請書が出されれば、許可基準に基づいて審査すればよい。今回、問題となっているのは、許可申請が出さないという違法行為が行われたということだ。無許可でやったのならすぐに止めるというのは当然のことで、許可基準の問題とごっちゃにしてはダメだ。」

●「通常はそうだが、今回は数十年にわたって行われてきたことだ。」

●「我々も当初、開発の中止という考えもあったが、その後、弁護士とも相談した結果、森林のこれ以上の開発については止めることができるが、(違法開発部分の)採掘を止めるというのは難しいという判断になった。これについては、副知事の了解も得た。」

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 今回はコロナ禍のために多人数の交渉はできなかったが、緊急事態宣言が解除されれば再度、話し合うということを確認した。

 今後、辺野古新基地建設事業では、本部・名護・国頭・宮城島・糸満・宮古島・石垣島・南大東島の鉱山からの土砂調達が予定されている。本部・名護には、同様の森林法違反林地開発の鉱山があり、県は現在、調査中ということだったが、他の鉱山についても調べてみる必要がある。

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