について、こないだの毎日新聞にヘンな疑問記事が載ってた。誰かの投稿だっだと思う。ええと、その内容は「街中でさびれまくってるような店も、買い物をするとしっかり消費税を取る。こういうちゃちい店は消費税とかいって、その分をかすめ取ってるんじゃなかろうか?」というもの。この質問者氏は、消費税とは何か、が全然わかってないんですよね。そういう無知な人間の疑問を新聞に載せるな
と言いたいんだが。
消費税は、最終的には消費者が負担するわけですが。そもそも店の仕入れ価格にだって消費税がしっかりかかってるんです。だから、その税負担を消費者に分配するのに店頭価格に消費税を乗せるのは当たり前で、どんなセコい店だろうが消費税を取って当然なんですよ。
かすめ取ってるかどうか、については。確かに「免税業者」ってのはあります。売上額税込み1000万円以下の業者は消費税を申告しなくてもいい(申告してもいいんですけどね)というもの。これ、利益じゃなくて「売上」というのがミソ。例えば小売業なんか特にそうだけど。売値って仕入価のいいとこ2割増しくらいじゃないですか。つまりまあ、売上税込1000万として、仕入は800万円。簡単に言って、利益はたったの200万円、諸経費を抜いたら、あーら、利益100万円台なわけですよ。この中の消費税分なんて、あるとしたってせいぜい2万円あるかないか、でしょう。消費税のネコババとは到底言えない金額なんですよ。それに、経費分にも仕入価にも消費税はくっついてくるから、やっぱり消費税は払いまくってるわけで。
免税業者はかつて、売上3000万円以下ということになってたんだけど、1000万円以下になっちゃって、かなり厳しくなった。法律でこの辺はきちんと決められているわけだから、ネコババしてるんじゃないか、なんてのは感情的な屁理屈に過ぎない。
こういうことを言ってくる人って必ずサラリーマン氏だと思うんですよ。税務も何も全く分かってない人間。で、自営業者にやきもちやいてて、自営業者はうまい汁を吸ってる、って勝手に思い込んでる。冗談じゃないですよ。自営業って、全くもって福祉がないんですから。板子一枚下は地獄ってやつ。
同じやきもちに基づく誤解が「何でも経費で落とせる」わけないっしょ。それにさ、もし経費としたって、「損失」には違いない。損失がオーバーしたら、資金繰りがショートするわけです。で、倒産、となるとどうなるかというと、自営業は無限責任だから、大変なことになっちゃうんです。
そんなことをいつもいつも考え込んでなくちゃならないから、自営はきついんですよね。四六時中金が頭から離れない。慣れはしたけど、嫌だ。