なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

ハリルホジッチ監督

2018年04月22日 | 
が解雇されましたね。クビってやつ。
 まあしょうがないでしょう、最近の「強化試合」は全く強化になってない感じで、いったい何をどう「強化」したいのか、見えない状況だったし。W杯でなんとか勝ち上がりたい日本サッカー協会としては、クビしかないなあ、という感じでしょうか。

 10年以上続いてきた公民館の太極拳サークルがいよいよ崩壊寸前になってきた。それには色々と「積年のなんとやら」もあったみたいなのだが、事の発端は極めて単純で、「参加メンバーが少なくなっちゃいました。ので、指導謝礼を払いたくても、今の料金は払えません。ない袖は振れまヘン」ってだけだったんだけどね。ところが、それに対して指導者がぶんむくれてしまった。なにやら、自分は頼まれてやってたんだとかなんとか、で、受け入れられないということらしい。じゃあ、どうしろっていうのかなあ?

 今回の件は、そもそもの話の持っていき方の段取りの悪さだの、生徒側の内輪もめチックなことだのも絡んで面倒なことになっているのだが。指導側について絞って言うと。

 日本では、全般的に「指導側」がえばり過ぎだ。

 その理由は、生徒側から「あんた、使えないからクビ」と言われるかも、という危機感がない、からだ。


 日本では、「センセーは敬いましょう」みたいな話がまかり通っている。これはおそらく儒教の影響だと思うんだけど、こういうのは、今や条件付きですよ。「まともなセンセーなら敬ってもいいでしょう」って言い換えるべきじゃあないかな。

 カネの件は確かに難しいが、そもそもメンバー数がジリ貧になっていった理由として、指導者が新人や、なかなかうまくならない人に対して態度が冷たいというのが一つある、と考えている。指導内容は生徒がフォローできることじゃない。もっとまずいのは、そういう事について、生徒側から意見を述べて指導の仕方について考えてもらうことができなかった、という点。要は「人の話を聴く」姿勢が指導者にない、ということ。

 「相談してくれればよかったのに」とか言われたが、何を相談すればいいのだ?とこっちは思うわけでしてね。話を聴く気がない、生徒側に問題がある、という結論に持っていかれる、のであれば、諦めるか、やめるか、どっちかの選択肢しか生徒側は持てないわけで。

 自分もプロの技術を患者さんに売るという仕事で食っているので、自分の仕事がうまくいかない理由を相手に求める、という時点でプロ失格だと。これは断言できる。よくある話だが、影で生徒やら患者やらの悪口をコソコソ言ってる指導者ってのは、もうその時点で3流以下よ。自分はあっちこっちでこういう努力をして、こういう指導者について、大会で優勝して、とかの話もね、だからどーした、のレベル。カネ取って人に教えるんだから、当たり前、以前の話じゃないでしょうかね、そんなの。

 というわけで、ハリル監督をクビにした日本サッカー協会や、浦和の監督をクビにしたレッズのフロントなんかは、指導者側の緊張感を高めるという点で画期的だよなあと思うわけ。日本人は師弟関係なんかを美化しすぎですよ。テニスなんかもシビアだもん。どんなレジェンド選手だったとしても、コーチとなると、下手すりゃ数週間でクビ、なんていうのはざら。選手側から、指導を受けるに値しないと判断されればそこまで。そういう緊張感がないと、指導技術だって伸びないでしょう。指導者側にあぐらをかかせないシステムを作らないと、スポーツ大国なんかなれるわけなし。
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柴犬

2018年04月19日 | 仕事
系の犬が、とりあえず一番てこずる場合が多いのではないかと思うので、その件について、どのように「しつけ」るか?のヒントを。

 日本犬と西洋犬の大きな違いは「人への注目力」ではないかと思う。西洋犬は放っておいても、しつけの「基本」とされる「アイケコンタクト」というのをさくっとやる。というか、彼らは原則、自分の周囲の人間が何やってるか、に興味があって、その人物からいかにして注目を集めるか、に苦心惨憺しているといってもいい。いたずらの数々も、「こら~~!!」っていう反応見たさにやっている可能性が高い。ので、そういう意味ではしつけしやすい。日本犬は、その辺がぼーっとしている。自分が何やりたいかが基本で回りはあまり見えていないし、興味もない。目が細い犬は、視野も狭いだろうから、ますますそういう傾向になる。で、ちょっと触られたりすると、びっくりしてギャンギャンほえたり悲鳴を上げたりする。一種の「コミュ障」なんでしょうね。

 こういう子犬はかなり扱いづらい。こっちに全く注意を払おうとしないし、尻尾でも触ろうもんならギャンギャン泣きわめいて、なんだか虐待でもしているみたいだし。馬鹿でかい大声(おまけに超高音だったりする。耳がキンキンします)なので、こっちがビックリしてしまう、ということもある。例外は飯で、食べるのが好きな犬は飯をダシにして教えれば、もう簡単にお座りだの伏せだの覚えてくれる。ただ、飯抜きだとてんでダメ、になってしまうのだが。

 こういう子犬についての対処法は、「泣こうがわめこうが、知らん顔して触りまくる事」が、まず手始めです。こっちは別に尻尾をちょん切ろうなんて思ってません。尻尾くらいでキイキイ、大げさなんだよ。「触られるのは養われてる居候の義務です」ということで、ひたすら触る事。ただ、こういう子犬はとにかく怖がりなので、いきなりべたべた触ると逆効果。ちょこっとずつ距離を詰めていってちょっとずついじってみて、の繰り返し。キイキイ言っても取り合わない事。一々「まあ大丈夫?」なーんてやってると、大丈夫じゃないのかあ、と誤解する恐れがあるから。最初は真に受けている犬も、段々「あれーひょっとして、これって遊びって奴なのかなあ?」となって、きたら、さらに一歩、という感じにやります。
 こういうのは例えば具合が悪くて病院に入院した場合には、そのチャンスをつかんで必ず病院でやってしまう。1・2日で割と大丈夫になってくることが多い。本当はそういうのをブリーダーやショップでやっておいてほしいのだが。

 とにかく日本犬は気持ちに余裕がなくて、なんでも真に受ける。気持ちにちょっと余裕を持ってもらうためにちょっとずつ許容範囲を広げるようにこっちからのコミュニケーションを作っていくのがコツ。西洋式の「しつけ」法はほぼ、役に立たない。

 一方、安心してきた日本犬の子犬の遊び方はとんでもなく乱暴で、暴力的である。タオルにガブっと食らいついてガオガオ言いつつぶん回す、なんていうのは序の口、ものすごく過激に見えるので、それを指して「人に対する攻撃をさせないようにしなくちゃなりません」とか考えて、そういうのを怒ると、逆効果なのだ。日本犬はバカ犬ではないので、攻撃と遊びは完全に分けている。彼らが戸惑うのは、さっきまで遊んでくれてた人が、いきなり怒り出すことで、その結果、やっぱり人間てのは油断ならない、となって、ひいては攻撃の発生につながってしまう。

 こういう遊びは攻撃とは全く関連性がないので、とにかくエネルギーを発散させるために思う存分遊んでやるべきだと思う。で、その時にこっちが調子に乗って、口を何となくこじ開けてみたり、なんとなくぎゅうと押さえつけてみたり、けど、これは遊びだもんね、とやっておくと、拘束等に対する耐性がアップするわけ。頭ごなしに、「こういう遊びはイケマセン」なんてやるから、ぐれる。

 犬のエネルギーは割とすぐ枯渇する。30秒くらいの場合も多いから、その時はこちらもがしっと集中して遊ぶのが吉。

 で、西洋犬のしつけに「遊び道具は最後は人間が取り上げて、しまいましょう」なんてありますね。こんなことするから、モノに対してやたら執着して取り上げようとすると怒りまくる犬になってしまうのだ。
 子犬が遊び道具に執着するのは、せいぜい30秒。物にじゃれていても、30秒もすると放り出して、別のものに意識が向いてしまう。その時に回収すればいい。遊びに一々「しつけ」を導入してしまうから反発されるのだ。人間だってそうでしょうに。

 日本犬は、そうでなくても精神が大人っぽくなるのに3年くらいかかる感じがする。だから、慌てず焦らず、こういう奴だからしょうがない、という事でやっていくことが大事じゃないかと。「納期」を考えない事です。 
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