なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

マイクロチップ

2022年06月21日 | 仕事

の装着が、ほぼほぼ義務化に近くなってきた。今回の改正動物愛護管理法は、相当頑張った良い法律ではないかと思う。で、マイクロチップについて。

 つけるの可哀そう?今まで結構付けてきて、健康に関するトラブル事案は「0」。学会等でも聞いたことなし。

 そんな事よりか、飼主不明事案の方が余程多いのだ。

 今から書くのはほぼ実話なんだけど、大昔の話だから、時効でしょうということで、公開。珍しい犬種の犬がいました。飼っていた飼主さんのところから、ある日、逃げ出しちゃいました。探したけど、全く見つからず。運の悪いことには、家の中にいたこともあって首輪とか付けてなかったのよ。マイクロチップなんかない時代、鑑札札くらいしか、飼主証明ができなかった頃なんだけど。勿論、警察にも保健所にも連絡して探したけど音沙汰なしだったわけ。

 それがねえ、1年だか経った頃、「それらしい犬がいる」という情報が入ったんだそう。珍しい犬種だから、そういう情報が入手できた訳。しかーし、見つかった犬の現飼主曰く「これはうちの犬です。ずっと前から飼ってるんだし」と、取り付く島もない。つまりは、その犬について「大岡裁き」みたいになっちゃったという・・・・・・。さーてどうする?DNA?そんな時代じゃない、だけじゃなくて、「なぜそんな事をする必要があるのか?」と言われたらそれっきりでしょ。結局、飼主は取り戻す(?)のを諦めました。だって、自分の犬だと証明する手だてがないんだもの、どーしよーもない。

 そしたら、3年くらい前に、全く同じような話が来てねえ。当院の患者さんではないんだけども、あちこちの動物病院等々に手紙を出し続けていたらしいのだ。諦めきれないようで、何回も手紙がきて、しまいに電話が来てしまった。ので、上の話をして「諦めなさい」と言ったのだ。「だって、あなたはマイクロチップも付けてなかったんでしょ。それで、もし見つかったとして、どうやって自分の犬って証明するの?」と聞いたら黙ってしまった。「どの飼主さんであれ、犬が幸せに暮らせているなら、いいじゃないですか。逃げ出させちゃった、あなたの落ち度なんだし」とまあ、そんな話をしたような。

 今は、純血種の犬猫なんかは下手すると誘拐されてしまう時代です。そこらにホイホイ繋いでおくなんて危なっかしくて。だから、マイクロチップは必要不可欠なものだ、と考えた方がいいです。装着をお願いします。

コメント
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