これ、以前から結構多い。よくあるのは、小型犬が散歩中に大型犬に襲われるパターンで、小型犬の飼主が引き離そうとして噛まれるケース。大型犬の飼主はなんか、役に立たない風のようなんですよ。
これ、以前から結構多い。よくあるのは、小型犬が散歩中に大型犬に襲われるパターンで、小型犬の飼主が引き離そうとして噛まれるケース。大型犬の飼主はなんか、役に立たない風のようなんですよ。
- 小さくて目視できない。抗体の有無でチェックする方法もあるが、不確実。
- 体内のあらゆる場所に寄生する可能性がある。
- 尿を介して伝搬するらしい(従って、同居ウサギに簡単に広まってしまう可能性が高い)。
- 寄生していても、症状が発現するとは限らない。
- 発症する時期・年齢・部位・性別全てに脈絡なし。
- 寄生虫に一応効果があるらしい駆虫薬はあるが、長期連用が必要。
- 寄生虫を駆除したとしても、発症した症状の改善に繋がらないことがままある。
- 死亡率が高い。神経症状が出た場合は危ない。病態としては「脳炎」だから。
- どうやらかなり蔓延している事は間違いなさそう。生涯発症せず不顕性寄生で過ごす例を考えると、下手をすると9割くらいは罹っているのではないか?
餌一つとっても、牧草だのフードだの、そんな予算はアリマセン、じゃあ、どうやって飼うというのだ、いや、給食の残り野菜でもあてがっときゃいいんでないの?って、昭和かよ~~。でも、こんな調子の教師しかいないんじゃないかと疑ってんですよ。
という事で、基本的な餌でこんな調子だもの、飼ってるんじゃなくて「飼い殺し」ですよね。文科省は、この辺りをどう考えているのか?時たま、まれにちゃんとやろうってセンセが現れても、結局やれ予算がない、時間が取れない、で、そのうち異動になって、引き継ぎも何もなし、というのが公立ガッコのあるある話。
- 糖質
- 炭水化物
- 穀類
は、起きた時点でもう危ない疾患、といえる。何が危ない?命が、です。病態生理としては、要は胃に入ったものが腸に流れていかない。胃で行き止まりになっちゃって、それ以上進まない。従って食欲がパタッとなくなる。
この時点で速攻で病院に来ていただきたいんですけど、特に初診の方はつい様子を見ちゃう。「家族」の食欲がなくて何日も様子を見るか?と不思議でしょうがないのだがなのに様子を見てしまう原因は、「便は出る」から。これは、実は盲腸に入ってる食渣が「在庫」になってて、そこから便がだらだら出てくる、という事。便も出なくなった頃はもう、にっちもさっちもいかない事態に陥ってる。
では、胃に詰まっているものはなんなのか?一番多いのが「毛」。胃うっ滞が胃内毛球症とも呼ばれるのは、そのため。「胃内毛球症は猫にもあるのでは?」いや~~~、当院では猫で診た事1例もなし。そりゃそうで、猫はたまった毛玉を吐き戻すから。「嘔吐ができない」ウサギにしか起こらないんです。
ウサギの胃内毛球症が起こる原因を箇条書きにすると
- 嘔吐できない特性
- 毛玉ができやすい、もつれやすくてハンパに長い毛質
- ヒマな生活
- ラビットフードの悪影響
- 体格(矮小)
は、ウサギの疾患全般のうち、多分6~7割を占めているんじゃなかろうか(当院比)。飼主が比較的気付きやすいのは歯牙疾患と便秘ですけど、なんか知らんがついつい「様子を見る」人が多い。で、オダブツ、あるいは病院に来た時すでに「オダブツ寸前」という状況になってしまっていること多し。で、飼い主逆ギレという・・・・・。ワタクシどもはカウンセラーじゃないんですけど。
草食獣全般にいえることだけれども、消化管の構造が我々人間や犬猫等々の雑食~肉食獣とは抜本的に異なる。でなければ、あんなカサカサした牧草なんかでむくむく太れる筈がない。哺乳類でいえば、牛や鹿等々のいわゆる「反芻獣」と、ウサギや馬・バク・象のような草食獣は構造が異なるのだが、ウサギの消化管を簡単な図版にすると、こんな感じ。
とにかく盲腸がでかい。腹部臓器の3~4分の1を占めている。ウサギは胃や小腸で直接草を消化できているわけではなく、一旦盲腸内の細菌でもって草の線維等々を分解する。で、それが「盲腸便」という軟便で出てくる、のをもう一回食べて(こんなことを夜な夜なコッソリやってるんですよ)それを改めて消化吸収している。小腸は非常に長い。こんな巨大な消化管を腹部に押し込めているから、腹が大きくなるんですね。ので、胸腔が常に圧迫されてて狭い。これは、手術の際に呼吸を確保するのに大きな障害となる。矮小になればなるほど、危険が増すわけ。
もうひとつ、ウサギの重大な消化管の問題は、ズバリ「嘔吐できない」です。吐き戻しができないから、一旦飲み込んでしまった物は排泄するよりか排出方法がない。これが、ウサギの主たる消化器疾患である「胃うっ滞」の大きな誘因になってます。
また次回。
は、今や日本のペットウサギの大半を占めていて、本当に困っている。小さい治療できることはどんどん減る、という事実にいい加減気が付いていただきたいんですけども。
アメリカでもウサギをペット目的で飼っている人はいて、ウサギの医療に関する教科書もあります。しかし、とにかくサイズが全然違う(アメリカのウサギはおおむね体重5㎏以上)から、そこに書かれている医療行為がデキマセン、ということが多いのだ。例えば採血。「耳の動静脈から採血しましょう」とか「耳の静脈で血管確保できます。そこから静脈輸液しましょう」。これ、日本の矮小種(体重おおむね1~2㎏未満)では至難の業。一番細い静脈針の直径より、血管の直径の方が下手すりゃ細いんだもの。無理に静脈カテなんぞ入れたら、その先が血行不良起こして壊死する、なんて危険すら出てくる。耳自体もペラペラで、ちょっとでも動かれたら(ウサギを完全に保定なんかできちません)針が耳を突き抜けたり、なんてことは普通に起こりえる。ウサギは、勝手に耳をパタパタ動かすことができますしねえ。これで針を吹っ飛ばして終了。も珍しくない。
小さいことはとにかく不利を招く。消化管もそうで、これが、ウサギ特有の消化器病を招くのだ。
それは次回。
のペット用ウサギの体格上の問題点はあれこれあるのだけど、最悪なのは「矮小」。次いで「口吻がどんどん短くなっている」。この2点。
口吻の問題から。
この写真は「ニホンノウサギ」
あまり可愛くないなあ、という印象はどこから?毛色もだけど、顔がずぬっと長いから。
で、「もっと可愛く」ってな飼主の要望に応えてなのか、最近のペットウサギは、総じてこんな顔です。
人間はどうしても、「丸まっこい顔」に可愛らしさを感じるんですよね、だもんでこんな顔つきのウサギが大半になってしまった。このせいで、歯並び等に問題が起きやすい。こんな小さい顎にびっしり臼歯を並べてる、下手すると目にまで問題が波及することもあるくらい。
一方、涙を鼻の奥に流す役割を果たす鼻涙管(人間だと、鼻涙管があると分るのは、点眼液をさした後、しばらくするとなんか点癌液の味が戻ってくるでしょ、あれです)が狭窄したり、曲がっちゃって詰まりやすくなる。で、いつもいつも涙目、とか、眼瞼炎とか、になりやすくなってしまう。
歯は特に草食獣にとっては超重要な消化器官なのだけど、それを外見のために犠牲にするもんだから、トラブルが起こるし、いってみれば先天性なので、治しようがない、という事になるわけ。
これは、秋田県で飼育されている食用のジャンボウサギなんですが、自分的には、これをペットにしてよ、と思うんですよ。顔つきは可愛くないけど、でっかくてモフモフしてて、この「ザ・ウサギ」感がいいですよね。矮小じゃないから、健康面もトラブルが少なくて済むと思う。
矮小の問題は、次回。
としてのウサギはどうか?となると、前二回に書いた事がどうも悪い方に振れるんですよね。
ペットについて、飼おうとする人が求める事はあれこれあるでしょうけど、まずは「その子が健康で長生きして、そこそこコミュニケーションがとれればいいな」という希望があると思う。これを結構裏切ってくるわけですよ。健康管理も難しい・長生きできるかはバクチ状態・全然懐いてくれない、とまあ、こんな感じの印象を持ってがっかり、という方が多いのだ。今までの経験では、100匹いて99匹位はぜーんぜん懐かない。で、新米飼主さんが愚痴る「YOUTUBEで(またはブログで)可愛くて人懐こいウサギを見て、これならと思ったのに~~。騙されたー!!」。そりゃね、YOUTUBEがレアなんですよ、と前2回書いた事を話すのだけど。。。。
面白いのだが、人間側に、時々「ウサギ遣い」っぽい人が現れるのだ。なぜか、ウサギが懐く。犬みたいに迎えに出たりしてくるんだそうです。だから、動物と人間の関係というのも、なかなか相対的なものだと思うのだが、自分がそうなれるかどうかは、飼ってみないと分からないですよね。まず、普通は「ない」と。そうなると、ウサギは「観賞用」になってしまうことが多いし、実際、見ている分には可愛らしいしぐさ等、その辺は飼いがいがある、のかもしれない。ただ、コミュニケーション等々、飼主が期待しているようには、まず、ならない、らしいんですよね・・・・。その辺をきちっと理解して割り切って飼えるかどうか。
なぜに懐かないか、はやっぱり家畜として飼われ始めた「目的」でしょうね。肉だ毛皮だ、となると、別に人間に懐いてくれる必要性なんかないし。人間に「行動」で貢献して家畜になった犬・猫・馬とは根本的に違う。
で、日本のウサギには、体構造上、生存に不利な独特の状況がある。これがさらに、ウサギの寿命を縮めてしまっているんだけど、それも「飼主側の要望」にブリーダーが応えちゃった結果、と言えなくもない。
また次回。
の話の続き。
ウサギの動物としての特徴なのだけど、こんな感じ。
1.交尾排卵だから、交尾すりゃまず、100%妊娠してしまいます。だからポコポコ増える。ついでに言うと、メスはもうしょっちゅう発情を繰り返している。これは、メスウサギの寿命の短さと直結している。後述しますが。
2.野生状態でも、家畜としても寿命は短い。野ウサギの寿命ってせいぜい3年位なのでは。で、みんなの食糧源になってる。家畜としてもそう。だから、どうも、「長生き」を前提とした体構造になってないフシがある。ウサギについては、個々の命の価値なんか極めて薄くて、その代わり、旺盛な繁殖力でもって「種族」を維持する、方にたけてる。この辺は食物連鎖低位のげっ歯類グループ等々は総じてそんな感じなんだけども、ウサギの場合、寿命的なものがハンパに長めだから、ペット扱いした時に面倒が起こりやすいのだ。ハムスターなんかは寿命たってせいぜい3年あるかないか、だから割り切れる、らしいんですが。
3.そのせいもあるかと思うんだけど、非常に地頭が悪い。多分名前も覚えないんじゃないかな。そりゃそうで、なまじ頭がいいと、自分の仲間がある日急にいなくなった(野生だと、多分食われてる、家畜でも肉になったり毛皮になったり)、一々気にしていたら、ノイローゼで死んじゃいますよ。そういうのに感傷を持たない程度にぼーっとしてるから、生き延びられるんですよね、おそらく。
4.頭の悪さが災いしているんだか、病気をまず、飼い主に分からせない。本人も分かってないんじゃないか?とすら思わせられるんですが。で、治療すると急に調子よくなった風に見せたり。要は「just now」な生き物で、これが非常に治療を混乱させる原因になるし、飼主を振り回す元凶にもなる。
今まで診たケース中、一番大変だった例。メスウサギで、跛行してる、と飼主は言う。レントゲンを撮って分かったことは「子宮蓄膿症」。全然違うやん。しかーし、飼主は全く納得しないのだ。跛行と腹部の異常が全然繋がらないから。開腹手術してみたら(これを納得してもらうのに大苦労しましたよ~~~)、なーんと、子宮破裂を起こしていた。なのに、主症状が「跛行」じゃあねえ。跛行=腹痛の意味だったんでしょうけど、飼主が理解できるはずもない。それどころか、切除した現物を見ても納得して下さらなかった。ホント、一歩間違えば、こっちも訴訟を起こされた可能性があったんですよ。
続きます。