餌一つとっても、牧草だのフードだの、そんな予算はアリマセン、じゃあ、どうやって飼うというのだ、いや、給食の残り野菜でもあてがっときゃいいんでないの?って、昭和かよ~~。でも、こんな調子の教師しかいないんじゃないかと疑ってんですよ。
という事で、基本的な餌でこんな調子だもの、飼ってるんじゃなくて「飼い殺し」ですよね。文科省は、この辺りをどう考えているのか?時たま、まれにちゃんとやろうってセンセが現れても、結局やれ予算がない、時間が取れない、で、そのうち異動になって、引き継ぎも何もなし、というのが公立ガッコのあるある話。
- 糖質
- 炭水化物
- 穀類
は、起きた時点でもう危ない疾患、といえる。何が危ない?命が、です。病態生理としては、要は胃に入ったものが腸に流れていかない。胃で行き止まりになっちゃって、それ以上進まない。従って食欲がパタッとなくなる。
この時点で速攻で病院に来ていただきたいんですけど、特に初診の方はつい様子を見ちゃう。「家族」の食欲がなくて何日も様子を見るか?と不思議でしょうがないのだがなのに様子を見てしまう原因は、「便は出る」から。これは、実は盲腸に入ってる食渣が「在庫」になってて、そこから便がだらだら出てくる、という事。便も出なくなった頃はもう、にっちもさっちもいかない事態に陥ってる。
では、胃に詰まっているものはなんなのか?一番多いのが「毛」。胃うっ滞が胃内毛球症とも呼ばれるのは、そのため。「胃内毛球症は猫にもあるのでは?」いや~~~、当院では猫で診た事1例もなし。そりゃそうで、猫はたまった毛玉を吐き戻すから。「嘔吐ができない」ウサギにしか起こらないんです。
ウサギの胃内毛球症が起こる原因を箇条書きにすると
- 嘔吐できない特性
- 毛玉ができやすい、もつれやすくてハンパに長い毛質
- ヒマな生活
- ラビットフードの悪影響
- 体格(矮小)
は、ウサギの疾患全般のうち、多分6~7割を占めているんじゃなかろうか(当院比)。飼主が比較的気付きやすいのは歯牙疾患と便秘ですけど、なんか知らんがついつい「様子を見る」人が多い。で、オダブツ、あるいは病院に来た時すでに「オダブツ寸前」という状況になってしまっていること多し。で、飼い主逆ギレという・・・・・。ワタクシどもはカウンセラーじゃないんですけど。
草食獣全般にいえることだけれども、消化管の構造が我々人間や犬猫等々の雑食~肉食獣とは抜本的に異なる。でなければ、あんなカサカサした牧草なんかでむくむく太れる筈がない。哺乳類でいえば、牛や鹿等々のいわゆる「反芻獣」と、ウサギや馬・バク・象のような草食獣は構造が異なるのだが、ウサギの消化管を簡単な図版にすると、こんな感じ。
とにかく盲腸がでかい。腹部臓器の3~4分の1を占めている。ウサギは胃や小腸で直接草を消化できているわけではなく、一旦盲腸内の細菌でもって草の線維等々を分解する。で、それが「盲腸便」という軟便で出てくる、のをもう一回食べて(こんなことを夜な夜なコッソリやってるんですよ)それを改めて消化吸収している。小腸は非常に長い。こんな巨大な消化管を腹部に押し込めているから、腹が大きくなるんですね。ので、胸腔が常に圧迫されてて狭い。これは、手術の際に呼吸を確保するのに大きな障害となる。矮小になればなるほど、危険が増すわけ。
もうひとつ、ウサギの重大な消化管の問題は、ズバリ「嘔吐できない」です。吐き戻しができないから、一旦飲み込んでしまった物は排泄するよりか排出方法がない。これが、ウサギの主たる消化器疾患である「胃うっ滞」の大きな誘因になってます。
また次回。
は、今や日本のペットウサギの大半を占めていて、本当に困っている。小さい治療できることはどんどん減る、という事実にいい加減気が付いていただきたいんですけども。
アメリカでもウサギをペット目的で飼っている人はいて、ウサギの医療に関する教科書もあります。しかし、とにかくサイズが全然違う(アメリカのウサギはおおむね体重5㎏以上)から、そこに書かれている医療行為がデキマセン、ということが多いのだ。例えば採血。「耳の動静脈から採血しましょう」とか「耳の静脈で血管確保できます。そこから静脈輸液しましょう」。これ、日本の矮小種(体重おおむね1~2㎏未満)では至難の業。一番細い静脈針の直径より、血管の直径の方が下手すりゃ細いんだもの。無理に静脈カテなんぞ入れたら、その先が血行不良起こして壊死する、なんて危険すら出てくる。耳自体もペラペラで、ちょっとでも動かれたら(ウサギを完全に保定なんかできちません)針が耳を突き抜けたり、なんてことは普通に起こりえる。ウサギは、勝手に耳をパタパタ動かすことができますしねえ。これで針を吹っ飛ばして終了。も珍しくない。
小さいことはとにかく不利を招く。消化管もそうで、これが、ウサギ特有の消化器病を招くのだ。
それは次回。
のペット用ウサギの体格上の問題点はあれこれあるのだけど、最悪なのは「矮小」。次いで「口吻がどんどん短くなっている」。この2点。
口吻の問題から。
この写真は「ニホンノウサギ」
あまり可愛くないなあ、という印象はどこから?毛色もだけど、顔がずぬっと長いから。
で、「もっと可愛く」ってな飼主の要望に応えてなのか、最近のペットウサギは、総じてこんな顔です。
人間はどうしても、「丸まっこい顔」に可愛らしさを感じるんですよね、だもんでこんな顔つきのウサギが大半になってしまった。このせいで、歯並び等に問題が起きやすい。こんな小さい顎にびっしり臼歯を並べてる、下手すると目にまで問題が波及することもあるくらい。
一方、涙を鼻の奥に流す役割を果たす鼻涙管(人間だと、鼻涙管があると分るのは、点眼液をさした後、しばらくするとなんか点癌液の味が戻ってくるでしょ、あれです)が狭窄したり、曲がっちゃって詰まりやすくなる。で、いつもいつも涙目、とか、眼瞼炎とか、になりやすくなってしまう。
歯は特に草食獣にとっては超重要な消化器官なのだけど、それを外見のために犠牲にするもんだから、トラブルが起こるし、いってみれば先天性なので、治しようがない、という事になるわけ。
これは、秋田県で飼育されている食用のジャンボウサギなんですが、自分的には、これをペットにしてよ、と思うんですよ。顔つきは可愛くないけど、でっかくてモフモフしてて、この「ザ・ウサギ」感がいいですよね。矮小じゃないから、健康面もトラブルが少なくて済むと思う。
矮小の問題は、次回。
としてのウサギはどうか?となると、前二回に書いた事がどうも悪い方に振れるんですよね。
ペットについて、飼おうとする人が求める事はあれこれあるでしょうけど、まずは「その子が健康で長生きして、そこそこコミュニケーションがとれればいいな」という希望があると思う。これを結構裏切ってくるわけですよ。健康管理も難しい・長生きできるかはバクチ状態・全然懐いてくれない、とまあ、こんな感じの印象を持ってがっかり、という方が多いのだ。今までの経験では、100匹いて99匹位はぜーんぜん懐かない。で、新米飼主さんが愚痴る「YOUTUBEで(またはブログで)可愛くて人懐こいウサギを見て、これならと思ったのに~~。騙されたー!!」。そりゃね、YOUTUBEがレアなんですよ、と前2回書いた事を話すのだけど。。。。
面白いのだが、人間側に、時々「ウサギ遣い」っぽい人が現れるのだ。なぜか、ウサギが懐く。犬みたいに迎えに出たりしてくるんだそうです。だから、動物と人間の関係というのも、なかなか相対的なものだと思うのだが、自分がそうなれるかどうかは、飼ってみないと分からないですよね。まず、普通は「ない」と。そうなると、ウサギは「観賞用」になってしまうことが多いし、実際、見ている分には可愛らしいしぐさ等、その辺は飼いがいがある、のかもしれない。ただ、コミュニケーション等々、飼主が期待しているようには、まず、ならない、らしいんですよね・・・・。その辺をきちっと理解して割り切って飼えるかどうか。
なぜに懐かないか、はやっぱり家畜として飼われ始めた「目的」でしょうね。肉だ毛皮だ、となると、別に人間に懐いてくれる必要性なんかないし。人間に「行動」で貢献して家畜になった犬・猫・馬とは根本的に違う。
で、日本のウサギには、体構造上、生存に不利な独特の状況がある。これがさらに、ウサギの寿命を縮めてしまっているんだけど、それも「飼主側の要望」にブリーダーが応えちゃった結果、と言えなくもない。
また次回。
の話の続き。
ウサギの動物としての特徴なのだけど、こんな感じ。
1.交尾排卵だから、交尾すりゃまず、100%妊娠してしまいます。だからポコポコ増える。ついでに言うと、メスはもうしょっちゅう発情を繰り返している。これは、メスウサギの寿命の短さと直結している。後述しますが。
2.野生状態でも、家畜としても寿命は短い。野ウサギの寿命ってせいぜい3年位なのでは。で、みんなの食糧源になってる。家畜としてもそう。だから、どうも、「長生き」を前提とした体構造になってないフシがある。ウサギについては、個々の命の価値なんか極めて薄くて、その代わり、旺盛な繁殖力でもって「種族」を維持する、方にたけてる。この辺は食物連鎖低位のげっ歯類グループ等々は総じてそんな感じなんだけども、ウサギの場合、寿命的なものがハンパに長めだから、ペット扱いした時に面倒が起こりやすいのだ。ハムスターなんかは寿命たってせいぜい3年あるかないか、だから割り切れる、らしいんですが。
3.そのせいもあるかと思うんだけど、非常に地頭が悪い。多分名前も覚えないんじゃないかな。そりゃそうで、なまじ頭がいいと、自分の仲間がある日急にいなくなった(野生だと、多分食われてる、家畜でも肉になったり毛皮になったり)、一々気にしていたら、ノイローゼで死んじゃいますよ。そういうのに感傷を持たない程度にぼーっとしてるから、生き延びられるんですよね、おそらく。
4.頭の悪さが災いしているんだか、病気をまず、飼い主に分からせない。本人も分かってないんじゃないか?とすら思わせられるんですが。で、治療すると急に調子よくなった風に見せたり。要は「just now」な生き物で、これが非常に治療を混乱させる原因になるし、飼主を振り回す元凶にもなる。
今まで診たケース中、一番大変だった例。メスウサギで、跛行してる、と飼主は言う。レントゲンを撮って分かったことは「子宮蓄膿症」。全然違うやん。しかーし、飼主は全く納得しないのだ。跛行と腹部の異常が全然繋がらないから。開腹手術してみたら(これを納得してもらうのに大苦労しましたよ~~~)、なーんと、子宮破裂を起こしていた。なのに、主症状が「跛行」じゃあねえ。跛行=腹痛の意味だったんでしょうけど、飼主が理解できるはずもない。それどころか、切除した現物を見ても納得して下さらなかった。ホント、一歩間違えば、こっちも訴訟を起こされた可能性があったんですよ。
続きます。
の飼主がなんか起こした訴訟で、動物病院側が60万以上も支払わされる、という判決になったみたい。もう、ウサギの新規患者はお断りしようか、改めて真剣に考えてしまう。今までも、もう何度となくウサギを診療対象から外そうか、と思ったことがあるんですけど。
動物診療って、要はあくまで「サービス業」でしてね。医療じゃありません。だから、嫌になったら診療しません、でオシマイにできる、そういう権利があります。国税庁でも思いっきり「サービス業」に区分されてるし。当院での診療トラブル、かなり少ない方だと思うのだが、しかしウサギは当院でもとにかくトラブルの確率が高い動物で、もう哺乳類中最強難しい、と常々感じているし。
なぜ、そうなのか、解説してみようと思います。凄く長くなるから、数回に分けます。これ読んでから、ウサギを飼うかどうか決めてほしい。この判決が出た以上、ウサギを診ますなんて酔狂な動物病院はほぼ絶滅すると思うし。まあ、覚悟して飼うしかないんですよ。
ウサギって、一見飼いやすそうに見えるし、買いやすい。学校で飼育されてるから、なんか子供でも飼えそうだし、世話も楽そうだし、値段も安いし、可愛い感じがするし。
これは事実ですが、子供でも飼いやすいというのは「家畜」なら、という条件付きです。ペットじゃない。
ウサギの家畜化は、そもそもが食用&毛皮用。子供でも扱えるサイズ感・簡単に締められる・簡単にぼこぼこ増える・テキトーにその辺の草だの野菜くずだのあてがっときゃむくむく太る、あと、怖い伝染病があまりない(0ではない。これは後述)、すーべーてー「家畜」として有用な特性なんだけど、「ペット」じゃない。それをペット扱いしてしまっているのが、そもそもの大間違いなんですよね。
学生の頃、エクアドルを旅行した時に、結構人のうちにお邪魔することがあって、ある田舎のおうちでモルモット料理を食べたことがある。結構旨いんです。そこの人に「日本じゃ。クイ(モルモットの事)はどうしてるんだ?」と聞かれて「ペットで可愛がってますよ」と答えたら、大笑いされちゃって。そういう事ですよ。エクアドルのバスで、ニワトリを生きたままも紐で足を縛って逆さにぶら下げて運んでる人を結構見かけたのだけど、暑い国で冷蔵庫もない、一番便利かつ安全な肉の運搬法が「生きたまま」という事ね。生きてる間は絶対に腐らないもの。で、家で締める。こんなのどこでもついこないだまでやってた事で、ウサギもこういう扱われ方をする家畜に過ぎない。
続きます。
鉄瓶
を購入。ヤフオクで山ほど売ってますけど、そこから格安(だと思う)で。到着したのを改めたら、どなたさんかの「米寿記念」品との事。あら~~スミマセン、赤の他人のワタクシが使うことになっちゃって・・・・・。貰ったはいいけど、持て余していたのだろうか?
鉄瓶は錆びるから手入れがめんどい、というが、今のところあまり感じてない。昭和のストーブ暮しには適合していると言えよう。ストーブの上でコンコン沸かしている分には錆びなさそうだし、湯冷ましはドリップポットに移しといて、本体をちょこっと火にかければ、あっという間に熱くなるから、そのまま蓋開けておけば勝手に乾く。
鉄瓶の水は美味しいという、本当か?疑ってたんですが、確かに茶は美味しくなる、というか渋みがなくなる。多分これは科学的な理由で、渋みの元のタンニンが、鉄瓶水の鉄と反応してタンニン鉄に変化して、渋みを失う、という事じゃないかな。
成程ねえ、茶道の茶釜、今も必ず鉄製なのは、その効果を狙っての事でしょうね。技術的にはステンだのガラスだのでいくらでもつくれそうなもんなのにない、という事はね。鉄の茶釜で沸かした湯で溶かさないと、抹茶なんか渋くてまずい、ただの青汁になっちゃうものね。そういう事か。
こんな事をつらつら考えていると、ああ、そういえば、秀吉と利休。秀吉がつくった黄金茶室、確か茶釜も黄金製じゃなかったっけ?これでたてたお茶、くっそまずかったでしょうね・・・・・・。他の武将方はしょうがなく褒めてたんでしょうけど、利休さんは思わず「まっず~~~」くらい言ったかも。それが逆鱗に触れてってありそう。今は、お茶の葉っぱ自体を美味しくなるように品種改良しているんでしょうけど、当時はね。。そんな理由で切腹って、しかしありそうな話だ。秀吉さんからすれば、んなこと言われたら、プライド傷つけられまくりだものね・・。