作品紹介・あらすじ
奥田英朗、初期の傑作にして大藪春彦賞受賞作!!
その幸福は、本物ですか?
ほんの小さなきっかけから、追い詰められてゆく人たち。
平穏な日々が、暗転するーー。
ドアホンを手に取ると「警察です」という男の低い声が恭子の耳に飛び込んだ。
心臓が早鐘を打つ。ドアホンを置く手が小さく震えた。
怖がることなんか何もない。
うちは貧乏でも金持ちでもない平凡な家庭なのだ。
何も起こるわけがないじゃないか。
妻を事故で亡くして以来、不眠症に悩まされている刑事・九野。スーパーのレジ係として働きながら子育て中の主婦、恭子。華やかではないが平穏な二人の日常が、ある事件を機に交錯し始めるーー。小さなほころびがいつの間にか取り返しのつかない事態へと発展する、人生のもろさ、人の危うさを描いた著者初期の傑作!
作品紹介・あらすじ
もうどこにも、逃れる場所はない。2002年版「このミステリーがすごい!」第2位、第4回大藪春彦賞受賞。九野薫、36歳。本庁勤務を経て、現在警部補として所轄勤務。7年前に最愛の妻を事故でなくして以来、義母を心の支えとしている。不眠。同僚花村の素行調査を担当し、逆恨みされる。放火事件では、経理課長及川に疑念を抱く。わずかな契機で変貌していく人間たちを絶妙の筆致で描きあげる犯罪小説の白眉。(講談社文庫)
読書備忘録
九野薫の義母が・・・で、上から下へ
これは怖い!
夫が事件を起こしたとわかった時、子供思いの母親が取った行動が怖すぎる。追いつめられるってこういうこと?恭子はしっかりしている方だと思っていたのに。
少年たちがそっちの世界に入っていくのも怖い!
狂ってしまうきっかけって案外そこいら辺に転がっているのかもしれない。
弱みに付け込む輩だっていることだし。以前弱っている時にやたら親切に寄ってくる人や団体には要注意!と言った人がいた。
幸せになりたくて生きてきたのにね、お母さんっ!
イッキヨミ!
★★★★★