あらすじ
幼い頃海外で暮らしていたまどかは、番犬用の仔犬としてローデシアン・リッジバックの「虎」と出会った。唯一無二の相棒だったが、一家は帰国にあたり、犬を連れて行かない決断をして-。『文藝』掲載に加筆修正して単行本化。
読書備忘録
番犬、塀に囲まれた広大な敷地の家、ジャカランダの花が咲いている、空港からすぐ車に乗り、目的地へ・・・とにかく外では車から出てはいけない。ちょっとでも車が止まるとわらわらと花を手にした子供たちが売りつけに来る。
そんなことを駐在員から聞いた事があったから、南アフリカかな?と読んでいた。
拓ちゃん一家がお父さんを残して帰国した。あることがあった時に、帰っちゃうかな?と思っていた。
着いて早々に防犯のために犬を・・・仔犬を求めて行った先にいたいちばん小さい弱弱しい犬を選んだ。それがずっと一緒にいることになった「虎」
この虎とのお話・・・
「あの犬は、あの国でこそ生きる犬だった。ガードドッグという、仕事を持つ犬」
「雷神の使いのような犬、私だけの犬だ」