「灰色の北壁」真保裕一著(講談社文庫)を読みました。
新田次郎賞を受賞した表題作のほか、「黒部の羆」、「雪の慰霊碑」の3篇が
収録されている。
元山岳警備隊の山小屋の主が、かつての自分とダブらせながらある若者を
渾身の力で救助する「黒部の羆」。
未踏峰に登ったとされる先輩クライマーの亡き後、その恋人と結ばれた
天才クライマー・刈谷が、先輩の後を追い、その山「カスール・ベーラ」に
挑む。刈谷が登頂の末に知った真実とは!
息子が散った山に、冬季単独で向かう父親。山の経験は素人に等しい。
その身を案じる息子の元フィアンセ。そして彼女のことを密かに想う
父親の甥。甥は父親を追って山に向かう。意外な邂逅劇が待ち受ける・・・
いずれも魅力的な文体で、強烈な引力をもって迫ってくる、山岳ミステリーの
秀作だ。
真保裕一さんは、ご存知「ホワイトアウト」で一躍有名になったが、
むしろこうした短編でこそ、真価を発揮されるようだ。
これは面白かった快作。
新田次郎賞を受賞した表題作のほか、「黒部の羆」、「雪の慰霊碑」の3篇が
収録されている。
元山岳警備隊の山小屋の主が、かつての自分とダブらせながらある若者を
渾身の力で救助する「黒部の羆」。
未踏峰に登ったとされる先輩クライマーの亡き後、その恋人と結ばれた
天才クライマー・刈谷が、先輩の後を追い、その山「カスール・ベーラ」に
挑む。刈谷が登頂の末に知った真実とは!
息子が散った山に、冬季単独で向かう父親。山の経験は素人に等しい。
その身を案じる息子の元フィアンセ。そして彼女のことを密かに想う
父親の甥。甥は父親を追って山に向かう。意外な邂逅劇が待ち受ける・・・
いずれも魅力的な文体で、強烈な引力をもって迫ってくる、山岳ミステリーの
秀作だ。
真保裕一さんは、ご存知「ホワイトアウト」で一躍有名になったが、
むしろこうした短編でこそ、真価を発揮されるようだ。
これは面白かった快作。