Mr.Dashのぶろぐ館

奈良・大阪・日本アルプスの山々が大好きな、Mr.Dashのブログです。

2007年12月24日(月)スリルたっぷりの一ノ谷から、御在所岳へ

2007年12月31日 | 山登りの記録
3連休だったのに仕事などでつぶれ、結局24日のクリスマスイブの日に
急遽、山に行けることになった。あんまり急な誘いだったが、
N尾クンと元気者ふみちゃんが参加。ともちゃんとMr.Dashとの
4人パーティだ。

このメンバーだと、「登攀系」のルートも恐くない。鈴鹿・御在所岳の
バリエーションルートとして知られる一の谷ルートを試した。
ちょっと前のガイドブックやエアリアマップには掲載されていたルートだが、
最近は記載されていない。
でも一応、10mお助け紐とスワミベルト、最低限のシュリンゲとカラビナを
持って行こう。
そこまで考えついたのに、朝、せっかく沸かして淹れたコーヒーのテルモスを
家に置き忘れて出てしまっていた。マヌケ。

国道477号は、冬季閉鎖。ゲートから山の家まで、歩いたら結構あった。
ま、途中でサルの群れに遭えたからいいか。

山の家から、アプローチをいきなり間違え、一ノ谷新道に入ってしまう。
右下の樹林越しに堰堤を過ごし、どんどん尾根に上がる。見覚えのある
マツタケ岩で「これは絶対違う」と悟る。そこで登山道をはずれ、右の
急坂を強引に下る。かなり強引だったので、早速、お助け紐を出す。
すぐに沢沿いの踏み跡を発見できた。最近、絶対的な位置さえ分かれば、
登山道を外れることも全然、気にならなくなっているのがコワイ。


小滝が連続する一ノ谷は、かなり爽快。ずっと巻き道がついているのだが、
つい、沢登りと錯覚して水際を歩いてしまう。
12月下旬のこの季節、全然凍結していないのは意外。


暗いチョックストン滝のところで、右の岩壁に赤ペンキで矢印が書いてある。
左には、見るからに簡単そうな巻き道。
よっしゃ、右を登ってみよう。20mほど登攀したら、途中で行き詰って
しまった。もっとまともなザイルがあり、ヘルメット等を持っていたら
行ってもよかったが、ここは自重。MrDash自身、偵察に行った不安定な
小テラスからフリーで戻るには危険すぎたので、お助け紐で懸垂下降して
そこを脱出。そのままフィックスを張って、全員、元の川床に戻る。
結局、左の巻き道を使い、チョックストン滝を高巻きした。

約20分後、鎖場が現れる。左は大きなスラブ。ホールドは極端に少なく、
両手で鎖にすがりつくしかない。ともちゃんが先頭で意を決して登る。
鎖の端点が止められていたのは岩に食い込んだハーケンではなく、
なんと朽ちかけた流木に打ったものだった。あと数年で外れるか、
大水で流されるかするのでは。コワイコワイ。

ここでMr.Dashは、鎖に頼らずフリーで登ろうと果敢にトライ。
スラブ側に吸い付くように身体を預けることで登ろうとしたが、
もう少しというところで、まさかのスリップ。じりじりと滑り落ちる。
慌てて身体を仰向けに180度向きなおし、両手両足とお尻の5点で、
エンジンブレーキのように落ちながら摩擦をかけたら、3m崖の寸前で
止まった。皆んな、緩やかに滑っていくMr.Dashを、なすすべもなく
見ながら「あーあー」。Mr.Dashはなぜか「スラブ、スラブ~」と
繰り返し叫びながらスベっていったのだった。
それにしても転落しなくてよかったのである。


少し上に、ロープウェイの点検路の標識がある。陽だまりができていたので、
ここで昼食にする。ロープウェイの白い6号鉄塔が、すぐ上にそびえる。
ここからは左股をとって、なかば岩を抱えながら微妙なトラバースだ。
ここをクリアすれば、右側に流れは少ないが高さのある明るい雰囲気の滝を
見上げる。これは、中道の尾根からも見える滝だ。右岸の微妙に濡れた岩から
高巻く。ここもスリルたっぷりだ。そこから先は、まさに沢登りといっても
よいほどに、流れの中を3点支持で登っていく。

クリスマスイブの沢登りなんて、我々はアホではないか。

このへんになると、ロープウェイとの距離も近くなり、客が手を振って
いるのが見える。昨日まで雨が降っていたので、かなり上まで水流がある。
もう一ヶ所、スタンスの小さな岩場があり、ここも水が流れていたので、
Mr.Dashがフリー登攀したのち、お助け紐で肩絡みビレイして
全員を引き上げた。ほぼ10mの長さを使い切る高さだったので、
慎重に対応して正解だ。

ロープウェイの駅が目前に迫るが、ルートは最後、左に逃げる。
崩れかけた赤土の1.5m程度のハング気味の崖に、フィックスロープが
垂れている。立ち木を手がかりに強引に登ると、そこはネマガリダケのブッシュ。
前日の雨かみぞれで、ササの葉は冷たく濡れており、先頭をかき分ける
Mr.Dashのズボンはみるみる湿っていく。冷たいのなんのって。
幸運にもほんの20mほどで急斜面のブッシュは終わり、尾根の踏み跡に
出る。ほっとする。これを忠実にたどれば、一ノ谷林道に合流する。


山頂部に出たら、少しばかり雪が積もっていた。それでも例年に比べ
少ないそうだ。喫茶軽食のアゼリアに寄って、コーヒーを頼む。
ああ、ポットを忘れなければ370円は浮いたのに・・・
それでも身体が温まったのはよかった。

下山は中道ルートをとる。新入部員で、このルートと同じ名前のN道君と
いうのがいるが、彼にここを歩かせて、看板の前で写真を撮りたいものだ。

中道は取り付きが北側の尾根。冷たい風がビュンビュン吹きつけ、
雪が飛ばされては凍ってアイスバーン状態になっている。
さっきまで凍結箇所のない谷道だっただけに、この変化にたじろぐ。
スリップしないよう、慎重に下っていく。


途中、珍妙な、絶妙なバランスを誇る「地蔵岩」や、妖怪「塗り壁」というか、
映画「2001年宇宙の旅」のモノリスというか、それが2枚斜めに
重なっている大岩「負ばれ石」を見ながら楽しく下山した。

帰りは、温泉で汗を流したあと、久々に自然薯の専門店「茶々」で夕食。
クリスマスケーキはなかったが、珍しい自然薯づくしの料理に舌鼓。
充実した気分で帰途についた。

帰宅したら、居間のガラステーブルに、コーヒーのテルモスがぽつんと
待っていた。飲んだらまだ温かかったのには驚かされた。

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