![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/fc/7c771589867f7aa16bf9a4894810150a.jpg)
3連休。金曜日に当座の仕事を夜叉か雷神のごとく片付けて、土曜日を確保。
実は、ちょっと危なかったが、火事場の馬鹿力。
馬鹿ついでに馬鹿登りの笠新道経由で、今まで登り残していた笠ヶ岳に向かう。
メンバーは、Mr.Dash、ともちゃん、N尾クン、T橋クンと、
桑名のT中奥さん。5名という、行動しやすい人数になった。
T中奥さん、登りの標高差1800m、下りは1900mというハードさに
かなりビビっておられたが、Mr.Dashは、時間さえかけたら必ず
登頂できるはずと信じていた。
結局、実際にはT中奥さんの心配は杞憂であり、往復とも、時間をかけるどころか、
単独行の健脚ハイカー以外にはほとんど追い抜かれない、むしろ他のパーティを
抜くほうが多いようなペースで見事、歩ききることになる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/6e/da42392eeb408c45131e9f82e9b4c51e.jpg)
11日は、アプローチのみ。新穂高温泉から、ワサビ平小屋まで僅かな道のり。
午前中はあいにくの雨であったが、新穂高温泉に着くと、雨はあがっていた。ラッキー。
穴毛谷の方向をみると、紅葉はかなり期待できそうだ。
時間はたっぷりある。途中の高さ2mあまりの岩でボルダリングに興じる。
N尾クンが、乏しいホールドを巧みにとらえ、最後はマントリング気味に
エイッと登る。すごい。Mr.Dashは右手を奥のホールドになんとか
届かせるが、右足が上がらずフォール。悔しいが、坐骨神経痛の右足は
無理がきかない。こういう時に、自分が病気持ちであることを突然思い出す。
ワサビ平小屋は、混雑しているとのことだったが、ひとり90cmの幅なら十分。
ビールを飲んで、夕食を済ませ、日本酒を飲んだら、早々に爆睡とあいなった。
12日は快晴。10分ほど戻り、急登で悪名高い笠新道にとりつく。
のっけから、ブナの黄葉が美しい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/1a/f83e17d04c7bcf2b6ef81a63f397a5dc.jpg)
急登というが、ちゃんとつづら折になっていて、歩きやすい。焼岳や乗鞍が見えてくる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/7e/b6f265bca73b7a453431b35c5b7ea1cf.jpg)
しばらく登り続けて、ふと振り返ると、穂高連峰が丸ごとドカンと展望できた。
標高を稼ぐにつれ、槍ヶ岳も見え始め、色づいた森とのセットに有頂天になる。
ブナ帯が切れ、針葉樹が出てきたなと思ったら、もうダケカンバとナナカマドの
林に変わっている。登り続けているのだから、それもそのはず。
森林は、垂直分布にじつに忠実である。潅木帯になると、槍ヶ岳から穂高までの
ギザキザの3000m級の巨大な屏風が迫力を増す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/b3/7383d15e78328253757fdcbaedbb18eb.jpg)
やがて杓子平に乗っ越す。ネコは見当たらない杓子平。
眼前に、目指す笠ヶ岳が姿を見せる。この春、イエティ氏が山スキーでここから
穴毛谷に滑り降りたというが、信じられん。
尾根には薄氷、霜柱、ちょっとした”つらら”もあり、季節を実感する。
しばらくの平坦なトラバースを経て、標高約2500mくらいから勾配が急になる。
空気が薄くなることもあって、このあたりが一番苦しいところか。
どのパーティも、足取りが重い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/64/56d363f16d42e3721f49bfbf715e2535.jpg)
しかし、途中でかわいい3羽のライチョウのパーティ(!?)に遭遇したり、
県警のヘリがぐるぐる回っていたりして、なかなか飽きさせない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/4a/6722772e9d38b473c16dceecd304ded8.jpg)
抜戸岳のピークに寄り道。ほんの少し、足を伸ばすだけで一つピークを稼いだぞ。
360度の見事な眺望を得られる。もっと人気が出てもいいくらいの山だ。
ほとんどのハイカーが直接、笠ヶ岳に行ってしまうのを勿体ない気持ちで眺めた。
抜戸岩を経て、最後の登り。節理で薄い板のようになった岩が、巧妙に敷き詰め
られている。長年、小屋のスタッフが誠実に整備してきた証で、妙に心に響く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/1e/766e48d8c37b89721eb9f33f1df168b7.jpg)
笠ヶ岳山荘に着く。小屋前の無料双眼鏡で、槍から穂高をなめるように観察する。
槍の穂先に登山者がいっぱいいるのが見える。
「おお~、ヒトがゴミのようだ」と天空の”笠”からのたまう。
ここで遅い昼食。Mr.Dashとともちゃんは、早弁を
済ませてしまっていたので、小屋の「播隆ラーメン」を注文。
素朴なショウユ味が美味かった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/ef/be7f3b9c6c22dc7d0e256180f193f009.jpg)
荷物をデポし、笠ヶ岳の山頂にお散歩。少し肌寒くなってきたが、
展望の良さは天下一品。結構、長い時間、山頂で憩う。
T中奥さんも、充実感たっぷりの満足げな表情。がんばった甲斐があった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/99/0c57b2141d681c32d945980c9e2efe94.jpg)
山荘に戻ると、県警のヘリが、まるでハイカーへのデモンストレーション飛行の
ように山荘のすぐ脇を周回し始めた。山荘の裏でホバリング。
これは、イザという時のための練習なのかな。小屋前のテラスでめいめい
時間を過ごしていたハイカーたちはこぞってカメラをヘリに向ける。
狭い石組みの上に、見事に着陸を決めたとき、どこからともなく拍手が
沸き起こった。窓の中から、クルーが手を振って声援に応える。
なんとも愉しいコミュニケーションだった。
この日は4人スペースに5人詰められての就寝。
「もう、寝ましょ。明日、いっぱい下りなきゃ…」と早々に寝る。
しかし、寝返りを打つと、T橋クンの身体に当たってしまう。その逆もう、
夜中に何度か目が覚めた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/35/667e45814196c9d75be6720a318c247a.jpg)
13日の朝が来た。結局、よく寝た自分をほめてあげたい。
北穂ドームのヨコから太陽が顔を覗かせた。今日は、クリヤ谷ルートを下山する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/02/81ccb59a2e25c08863cd8af4af8ed572.jpg)
防寒具を着て、再び笠ヶ岳のピークへ。笠ヶ岳の三角の影が、西の虚空に
浮かびあがる。幻想的な瞬間。これも、山の神からのご褒美か。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/a7/56a27ceac3909f89ab2268d9376431bc.jpg)
ぐんぐん標高を下げ、親子のライチョウが山の斜面を歩いているようにも見える
ライチョウ岩を過ぎる。
尾根西側のトラバースを終えると、東側斜面に転じ、ぐっと急坂を下りる。
森林限界が終わり、ササヤブとダケカンバ帯を抜けると、やがて紅葉・黄葉の
天国に突入した。まさに錦秋!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/f9/75d805f49d66485b5e186a4e36dc2bd5.jpg)
錫杖岳の険しい岩稜と、雲ひとつない青空、そこへ真紅のカエデ、
オレンジに光るブナ、黄色が映えるクロモジ、黄緑が異彩を放つコシアブラ。
すべて原色系に近い鮮やかさで、目が痛くなりそうだ。
カメラのシャッターを切るのに忙しく、なかなか下山のペースが上がらない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/3b/d71467d40cabae914da1589f58d8ab42.jpg)
黄葉帯がようやく終わり、杉の植林となる。鉄製の看板が、杉の幹に
飲み込まれてしまいそうなユニークな光景にも遭遇。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/90/8da2b11814ca20245e02beb1d3f81ad0.jpg)
クリヤ谷最大の難関とされる沢の渡渉も、水量が少なく、何の苦もなく渡れた。
ある意味で、ここを苦労してシュリンゲ等を駆使して渡るのも愉快だろうなと
思っていただけに、肩すかしだった。
昼過ぎには槍見旅館の裏手に、無事下山。
舗装道をクルマを取りに戻り、そのまま深山荘の内湯にドボン!
これがいい具合の湯で、秋の刺激で脳内麻薬でいっぱいの身体が、
落ち着きを取り戻してくる。ゆるゆるとした、至福の時間だ。
皆、「しんどかったが満足」という見解で一致。
今年の秋は、本当に、久々の「大当たり」だった。
実は、ちょっと危なかったが、火事場の馬鹿力。
馬鹿ついでに馬鹿登りの笠新道経由で、今まで登り残していた笠ヶ岳に向かう。
メンバーは、Mr.Dash、ともちゃん、N尾クン、T橋クンと、
桑名のT中奥さん。5名という、行動しやすい人数になった。
T中奥さん、登りの標高差1800m、下りは1900mというハードさに
かなりビビっておられたが、Mr.Dashは、時間さえかけたら必ず
登頂できるはずと信じていた。
結局、実際にはT中奥さんの心配は杞憂であり、往復とも、時間をかけるどころか、
単独行の健脚ハイカー以外にはほとんど追い抜かれない、むしろ他のパーティを
抜くほうが多いようなペースで見事、歩ききることになる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/6e/da42392eeb408c45131e9f82e9b4c51e.jpg)
11日は、アプローチのみ。新穂高温泉から、ワサビ平小屋まで僅かな道のり。
午前中はあいにくの雨であったが、新穂高温泉に着くと、雨はあがっていた。ラッキー。
穴毛谷の方向をみると、紅葉はかなり期待できそうだ。
時間はたっぷりある。途中の高さ2mあまりの岩でボルダリングに興じる。
N尾クンが、乏しいホールドを巧みにとらえ、最後はマントリング気味に
エイッと登る。すごい。Mr.Dashは右手を奥のホールドになんとか
届かせるが、右足が上がらずフォール。悔しいが、坐骨神経痛の右足は
無理がきかない。こういう時に、自分が病気持ちであることを突然思い出す。
ワサビ平小屋は、混雑しているとのことだったが、ひとり90cmの幅なら十分。
ビールを飲んで、夕食を済ませ、日本酒を飲んだら、早々に爆睡とあいなった。
12日は快晴。10分ほど戻り、急登で悪名高い笠新道にとりつく。
のっけから、ブナの黄葉が美しい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/1a/f83e17d04c7bcf2b6ef81a63f397a5dc.jpg)
急登というが、ちゃんとつづら折になっていて、歩きやすい。焼岳や乗鞍が見えてくる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/7e/b6f265bca73b7a453431b35c5b7ea1cf.jpg)
しばらく登り続けて、ふと振り返ると、穂高連峰が丸ごとドカンと展望できた。
標高を稼ぐにつれ、槍ヶ岳も見え始め、色づいた森とのセットに有頂天になる。
ブナ帯が切れ、針葉樹が出てきたなと思ったら、もうダケカンバとナナカマドの
林に変わっている。登り続けているのだから、それもそのはず。
森林は、垂直分布にじつに忠実である。潅木帯になると、槍ヶ岳から穂高までの
ギザキザの3000m級の巨大な屏風が迫力を増す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/b3/7383d15e78328253757fdcbaedbb18eb.jpg)
やがて杓子平に乗っ越す。ネコは見当たらない杓子平。
眼前に、目指す笠ヶ岳が姿を見せる。この春、イエティ氏が山スキーでここから
穴毛谷に滑り降りたというが、信じられん。
尾根には薄氷、霜柱、ちょっとした”つらら”もあり、季節を実感する。
しばらくの平坦なトラバースを経て、標高約2500mくらいから勾配が急になる。
空気が薄くなることもあって、このあたりが一番苦しいところか。
どのパーティも、足取りが重い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/64/56d363f16d42e3721f49bfbf715e2535.jpg)
しかし、途中でかわいい3羽のライチョウのパーティ(!?)に遭遇したり、
県警のヘリがぐるぐる回っていたりして、なかなか飽きさせない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/4a/6722772e9d38b473c16dceecd304ded8.jpg)
抜戸岳のピークに寄り道。ほんの少し、足を伸ばすだけで一つピークを稼いだぞ。
360度の見事な眺望を得られる。もっと人気が出てもいいくらいの山だ。
ほとんどのハイカーが直接、笠ヶ岳に行ってしまうのを勿体ない気持ちで眺めた。
抜戸岩を経て、最後の登り。節理で薄い板のようになった岩が、巧妙に敷き詰め
られている。長年、小屋のスタッフが誠実に整備してきた証で、妙に心に響く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/1e/766e48d8c37b89721eb9f33f1df168b7.jpg)
笠ヶ岳山荘に着く。小屋前の無料双眼鏡で、槍から穂高をなめるように観察する。
槍の穂先に登山者がいっぱいいるのが見える。
「おお~、ヒトがゴミのようだ」と天空の”笠”からのたまう。
ここで遅い昼食。Mr.Dashとともちゃんは、早弁を
済ませてしまっていたので、小屋の「播隆ラーメン」を注文。
素朴なショウユ味が美味かった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/ef/be7f3b9c6c22dc7d0e256180f193f009.jpg)
荷物をデポし、笠ヶ岳の山頂にお散歩。少し肌寒くなってきたが、
展望の良さは天下一品。結構、長い時間、山頂で憩う。
T中奥さんも、充実感たっぷりの満足げな表情。がんばった甲斐があった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/99/0c57b2141d681c32d945980c9e2efe94.jpg)
山荘に戻ると、県警のヘリが、まるでハイカーへのデモンストレーション飛行の
ように山荘のすぐ脇を周回し始めた。山荘の裏でホバリング。
これは、イザという時のための練習なのかな。小屋前のテラスでめいめい
時間を過ごしていたハイカーたちはこぞってカメラをヘリに向ける。
狭い石組みの上に、見事に着陸を決めたとき、どこからともなく拍手が
沸き起こった。窓の中から、クルーが手を振って声援に応える。
なんとも愉しいコミュニケーションだった。
この日は4人スペースに5人詰められての就寝。
「もう、寝ましょ。明日、いっぱい下りなきゃ…」と早々に寝る。
しかし、寝返りを打つと、T橋クンの身体に当たってしまう。その逆もう、
夜中に何度か目が覚めた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/35/667e45814196c9d75be6720a318c247a.jpg)
13日の朝が来た。結局、よく寝た自分をほめてあげたい。
北穂ドームのヨコから太陽が顔を覗かせた。今日は、クリヤ谷ルートを下山する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/02/81ccb59a2e25c08863cd8af4af8ed572.jpg)
防寒具を着て、再び笠ヶ岳のピークへ。笠ヶ岳の三角の影が、西の虚空に
浮かびあがる。幻想的な瞬間。これも、山の神からのご褒美か。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/a7/56a27ceac3909f89ab2268d9376431bc.jpg)
ぐんぐん標高を下げ、親子のライチョウが山の斜面を歩いているようにも見える
ライチョウ岩を過ぎる。
尾根西側のトラバースを終えると、東側斜面に転じ、ぐっと急坂を下りる。
森林限界が終わり、ササヤブとダケカンバ帯を抜けると、やがて紅葉・黄葉の
天国に突入した。まさに錦秋!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/f9/75d805f49d66485b5e186a4e36dc2bd5.jpg)
錫杖岳の険しい岩稜と、雲ひとつない青空、そこへ真紅のカエデ、
オレンジに光るブナ、黄色が映えるクロモジ、黄緑が異彩を放つコシアブラ。
すべて原色系に近い鮮やかさで、目が痛くなりそうだ。
カメラのシャッターを切るのに忙しく、なかなか下山のペースが上がらない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/3b/d71467d40cabae914da1589f58d8ab42.jpg)
黄葉帯がようやく終わり、杉の植林となる。鉄製の看板が、杉の幹に
飲み込まれてしまいそうなユニークな光景にも遭遇。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/90/8da2b11814ca20245e02beb1d3f81ad0.jpg)
クリヤ谷最大の難関とされる沢の渡渉も、水量が少なく、何の苦もなく渡れた。
ある意味で、ここを苦労してシュリンゲ等を駆使して渡るのも愉快だろうなと
思っていただけに、肩すかしだった。
昼過ぎには槍見旅館の裏手に、無事下山。
舗装道をクルマを取りに戻り、そのまま深山荘の内湯にドボン!
これがいい具合の湯で、秋の刺激で脳内麻薬でいっぱいの身体が、
落ち着きを取り戻してくる。ゆるゆるとした、至福の時間だ。
皆、「しんどかったが満足」という見解で一致。
今年の秋は、本当に、久々の「大当たり」だった。