ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

ようやく、デジタル版が官報の正本(的なもの)に

2023年08月24日 00時00分00秒 | 国際・政治

 現在、官報は紙版が正本(的なもの)として扱われています。1999年からインターネットでも公開されており、私も時折参照していますが、デジタル版は正本ではないとされています。

 しかし、その官報について扱いが変更されることになりそうです。時事通信社が、昨日(2023年8月23日)の20時37分付で「官報『デジタル版』が正本に 政府、臨時国会に法案提出へ」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2023082300567&g=pol)として報じています。

 官報については、国会法、最高裁判所裁判官国民審査法、国家公務員法など規定があり、「官報及び法令全書に関する内閣府令」(昭和24年総理府・大蔵省令第1号)の第1条には「官報は、憲法改正、詔書、法律、政令、条約、内閣官房令、内閣府令、デジタル庁令、省令、規則、庁令、訓令、告示、国会事項、裁判所事項、人事異動、叙位・叙勲、褒賞、皇室事項、官庁報告、資料、地方自治事項及び公告等を掲載するものとする」と定められています。

 デジタル版、つまりインターネット版を正本(的なもの)として扱う方針は、5月30日に行われたデジタル臨時行政調査会において岸田文雄内閣総理大臣が表明し、検討加速を指示したものであり、紙版の廃止も見込まれているようです。臨時国会が何月何日に召集されるのかは不明ですが、その折に関連法律案の提出、2024年中に法律の施行を目指すとのことです。

 御存知の方も多いと思いますが、紙版の官報は、官報販売所において購入することができます。ただ、その販売所の数が非常に少なく、一般紙と比較して格段に実物を手に取ることができる店は限られます(購読する場合は話が変わりますが、その場合でも申込ができるところは限定されます。また、図書館で読む場合も話が違ってきます)。これに対し、デジタル版であれば、パソコン、スマートフォンなどで、インターネットにつながってさえすればどこでも読むことができる訳ですから、読む機会は格段に増えてきます。

 紙版の廃止が妥当であるかどうかは議論の余地があると思われますが、デジタル版が正本的な扱いを受けるようになるのは、やはり時代の趨勢というところでしょうか。


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