ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

体言止めはなるべく避けよう 役所関係の文書には多いけれども

2022年05月22日 00時00分00秒 | 受験・学校

 先日、法律用語の問題として、次のようなものを出題しました。

 

 次の(1)〜(6)の不等式を、法律用語の「超え」、「以上」、「未満」、「以下」という言葉を用いて表現しなさい。数字は算用数字を使うこと。

 (1)X>300

 (2)X≦500

 (3)X<400

 (4)X≧200

 (5)1000≦X<5000

 (6)2000<X≦10000

 

 どう考えても「以下」と「未満」との違い、「超え」と「以上」との違いを理解していないことが見受けられる答案が多かったのですが、正答であっても表現としてどうなのかと思うものも多かったのです。

 具体的に記すと、例えば(1)について「(Xは)300以上」という表現です。意味はわかるのですが、このような体言止めは、あまり良い表現と言えません。文章が完結していないからです。「以上」の後に「である」が続くのか「でない」が続くのかがわかりませんし、「である」が続くことがわかっているとしても、やはり動詞がないのでは不明瞭な部分を残します。

 或る意味では不思議なことですが、役所関係の文書では「〜すべき」という表現をよく見かけます。「〜すべきである」とも「〜すべきでない」とも記されておらず、「〜すべき」で止まっているのです。「べき」は「べし」の連体形ですので、「〜すべき」では文章が完結しません。悪しき風習とは記しませんがあまり良くない表現と言えますので、改めていただきたいものです。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 桜新町駅の駅名標 | トップ | 川越市駅(TJ22)にて »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

受験・学校」カテゴリの最新記事