待乳山

2012年09月23日 | 徒然
浅草のちょと北。
待乳山聖天は小高い丘の上に鎮座している。

平坦な沖積平野である東京の下町。
でも、ここだけはなぜか丘になっている。

沖積平野は縄文時代の海進時には水底出会った場所。
でも、この丘だけは海面から顔を出していたようである。

実は、現在の沖積平野はその時代以降に堆積した土砂によるもので
それ以前には古東京が流れていて
浅草付近の地下には、その流れによって削られた埋没谷が
-30m以上の深さで隠れているのである。

この川の谷は現在の東京湾の海底へ続いていて
浦賀沖では海底にV字谷が露出している。

と、いうことは
この丘は海退時には相当高い丘であったと思われる。
当然、地質学的見地からしかわからないことではあるが…


推古天皇の時代にはすでに神聖な場所とされていたらしく
古代から人類は丘を神聖な場所と見ていたようである。

洪水時にも待乳山は、水没しない
いわば「ノアの方舟」的存在だったのかもしれない。

関東ローム層などの存在で、岩盤の路頭がない
関東平野に於いては、恐らくこの丘も
何らかの堆積によって成ったと思われるが
今となっては地質調査も難しく
また、答えがわからない方がかえって神秘性があって
いいのかもしれない。
コメント
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